Deutsche Telekomが、ドイツ全土のコンシューマ向けマネージドWi-Fi 7提供でAirtiesを採用
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Airtiesは11月4日(パリ)、Deutsche Telekomがドイツ全土のコンシューマ向けに初となるWi-Fi 7展開において、Airtiesを採用したことを発表した。
Airtiesは「本日の発表は、当社がDeutsche Telekomにマネージド接続ソリューションを提供している両社の長年にわたる関係に基づくものだ」としている。
Airtiesは、ブロードバンドサービス プロバイダがすべてのユーザにスムーズでスマートな接続を提供できるよう支援している。世界中のISPは、顧客のブロードバンド体験を継続的に最適化するためにAirtiesのソフトウェアを活用し、解約率の低減、新規顧客の獲得、運用・サポートコストの削減、そして新たなイノベーションの実現に役立てている。AirtiesのAIドリブン型インサイトは、デバイスやアプリケーションを問わず、ISPのパフォーマンス品質の向上、効果的なマーケティング、そして消費者への高品質なマネージドブロードバンド体験の提供を支援する。
Deutsche Telekomの製品・新規事業担当SVPであるPedro Bandeira氏は「ドイツでWi-Fi 7をフルマネージドWi-Fiエクスペリエンスの一環として導入することは、お客様に卓越した速度、接続性、そして信頼性を提供するという当社の揺るぎないコミットメントを示すものだ」とし、「私たちは、家庭内の接続性向上のためにAirtiesを引き続き活用しており、Airtiesをはじめとするすべてのパートナー企業と協力し、より多くのお客様にWi-Fi 7を導入できることを楽しみにしている」とコメントを出している。
AirtiesのCEO 兼 創設者であるMetin Taskin氏は「Deutsche Telekomがドイツ全土で初めてWi-Fi 7を導入するためにAirtiesを導入してくださったことを光栄に思っている」とし、「私たちの長年にわたる関係は、最適化された高品質の家庭内接続を提供することが今日の消費者にとって最も重要であるという相互理解に基づいている。Deutsche Telekomのお客様は、あらゆるデバイスとアプリケーションで最高のパフォーマンスを得る権利を有しており、Airties Homeはまさにそれを実現するために設計された」とコメントを出している。
Airties Homeは、リアルタイムのネットワーク状況に基づき、消費者のデバイス(ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、ゲーム機、IoTデバイス、スマートホームデバイスなど)を最適なWi-Fiアクセスポイントと周波数帯域へ誘導し、メッシュネットワークを管理し、QoSを最適化する。また、ISPが家庭内の接続問題を自動または実用的な推奨事項を通じて監視、診断、解決できるよう支援する。接続されたデバイスとアプリケーションに関するインサイトと最適化を提供する。さらに、通信事業者のCRMシステムや顧客向けサポートアプリがホームネットワークを管理し、ペアレンタルコントロール、優先順位、ゲストアクセスなどを設定できるよう、直感的なダッシュボードとAPIを提供する。
Airtiesは、その革新性により、Broadband World Forumの「Best Home Wi-Fi Solution Award」、Wi-Fi NOWの「Best Wi-Fi Service Provider Solution」や「Best Home Wi-Fi Product」、Wireless Broadband Allianceの「Best Wi-Fi Innovation」や「Best-In Home Wi-Fi Network」など、数々の賞を受賞している。また、Cable & Satellite Internationalより「Best Broadband Customer Experience」、prpl Foundationより「Top Contributor Award」も受賞している。
編集部備考
■コンシューマ向けのWi-Fi 7展開は、現時点では先進的な取り組みの範疇にある。対応端末や機器の普及はまだ限定的で、当面はヘビーユーザ層を中心としたプレミアム展開が続くとみられる。しかし、AIを活用する時代の潮流を考えると、こうした流れは極めて自然な進化と捉えられる。生成AIやクラウド連携サービス、家庭内IoTの増加などにより、家庭で扱うデータ量は急速に拡大している。Wi-Fi 7の持つマルチリンク運用や超低遅延通信は、こうした多元的な接続需要を支える基盤として不可欠な技術となる。
特にDeutsche Telekomのように、Wi-Fi 7を「マネージドWi-Fi」として提供する試みは、単なる宅内ルータ更新ではなく、家庭ネットワークをクラウド側から最適化する構造への移行を示している。このようなモデルが定着すれば、Wi-Fi 7を前提としたデバイスやサービスはコモディティ化し、利用者層の裾野は急速に広がっていくだろう。
そして、この家庭領域での普及は、オフィスや産業分野におけるWi-Fi 7導入の追い風にもなる。企業ネットワークでは、AI処理やXRコラボレーション、リアルタイムモニタリングなど、無線通信の品質・遅延特性への要求が一段と高まっている。家庭と同様のWi-Fi 7環境が社会全体で一般化すれば、従業員のモバイル端末やIoT機器の互換性・運用性が向上し、結果的に業務用ネットワークの標準化と導入コスト低減を後押しすることになる。
さらに、こうした宅内および業務用トラフィックの増大は、アクセス網そのものの進化、たとえば「25G PONなどの高速光アクセス」を促す要因にもなる。Wi-Fi 7の普及は、無線と有線の境界をまたいだエコシステム全体の転換を加速させる触媒といえるだろう。今回のDeutsche TelekomとAirtiesの取り組みは、その新たな接続インフラ時代の入口を示す象徴的な事例と位置付けられる。





