Sivers SemiconductorsとGlobalFoundriesが、AIデータセンタ向け光ソリューションで戦略的提携
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Sivers Semiconductorsは6月2日(スウェーデン キスタ)、急成長を続けるAIインフラ市場向け先進シリコンフォトニクスソリューションの開発において、GlobalFoundries(以下、GF)との戦略的提携を発表した。
Sivers Semiconductorsのレーザアレイは、GFのシリコンフォトニクス プラットフォーム上に構築されたリファレンスデザインに統合される。この提携により、Co-Packaged Optics (CPO)、Linear Pluggable Optics (LPO)、その他のデータセンタ向けの新たな相互接続ソリューションを含む、幅広い光接続アーキテクチャがサポートされる。
Siversのレーザアレイは、次世代光サブアセンブリおよびライトエンジン アーキテクチャ向けのGFのSilicon Photonics Co-packaged Advanced Light Engine(SCALE)プラットフォームにも搭載される。 GFのSCALE CPOソリューションは、集積フォトニックデバイス、CWDM、DWDM、および高度なパッケージング技術を組み合わせることで、帯域幅密度とシステムのスケーラビリティを向上させる。
Sivers SemiconductorsのCROであるRaymond Biagan氏は「AIワークロードとハイパースケールデータセンタ アーキテクチャの急速な拡大に伴い、より高い帯域幅、エネルギー効率の向上、そしてスケーラブルな光接続を実現する高度なフォトニクス技術が求められている」とし、「GlobalFoundriesとの協業により、両社はシリコンフォトニクス革新の最先端に位置づけられる」とコメントを出している。
GlobalFoundriesのシリコンフォトニクス製品ライン担当シニアフェローであるVikas Gupta氏は「AIデータセンタ アーキテクチャがより高い帯域幅密度と電力効率の向上へと進化するにつれ、GlobalFoundriesはシリコンフォトニクス ソリューションに対する強い需要の高まりを実感している」とし、「Sivers Semiconductorsのレーザーアレイ技術と当社のシリコンフォトニクスおよびSCALE CPOプラットフォームを組み合わせることで、高帯域幅のコパッケージ型光デバイスおよび光インターコネクト向けに、高度で拡張性の高い光エンジンソリューションをお客様に提供できる」とコメントを出している。
編集部備考
■AIデータセンタ向け光通信の分野において、シリコンフォトニクスのファウンドリとレーザ専業ベンダが技術提携し、リファレンスデザインに統合する動きが増えている。今回のSivers SemiconductorsとGlobalFoundriesの提携も、その潮流の一例と位置付けられる。従来は緩やかな協力関係でも成立していた両者のビジネスが、なぜ今「戦略的提携」として明示されるのか。その背景には、AIデータセンタ市場における競争構造の変化がある。
この領域で提携することの最大のメリットは、統合済みリファレンスデザインの提供にある。シリコンフォトニクスとレーザという二つの技術をあらかじめ最適化した設計として提示できるため、顧客は検証済みの構成を即座に採用できる。これにより製品化までの期間、すなわちTime to Marketを大幅に短縮できる。AIデータセンタ市場では需要が急拡大しており、性能のみならず「いかに早く供給できるか」が競争力を左右する局面に入っている。設計の完成度だけでなく供給の即応性が重視される中で、統合済みプラットフォームの価値は一段と高まっている。
さらに、技術的観点からも提携の意義は大きい。AI向け光通信では高出力かつ多波長のレーザアレイが求められ、その配置精度はμm単位になる。加えて、光源の特性そのものが伝送性能を規定するため、レーザは部品に留まらずシステム性能の中核要素となる。このため、後工程での組み合わせではなく、製造段階から一体設計とすることが歩留まりや性能の観点で不可欠となっている。ファウンドリとレーザベンダがより密接な共同開発体制へ移行しているのは、こうした技術要請の帰結でもある。
こうした動きがニュースとして打ち出される理由は、市場側の要請にある。従来は光トランシーバベンダやハイパースケーラーが個別に部品を選定し統合していたが、現在のAIデータセンタ市場ではその時間的余裕が失われている。需要は数か月単位で拡大し、顧客は「統合の手間」を外部化せざるを得ない。その結果、サプライヤ側があらかじめ統合責任を引き受け、プラットフォームとして提供する構造へと転換が進んでいる。これは協業の深化だけではなく、部品供給モデルからプラットフォーム供給モデルへの移行も意味する。
また、光トランシーバ市場は今後も拡大すると予測されており、各社はこの成長市場におけるポジションを明確に示す必要がある。戦略的提携の公表は、技術力の提示にとどまらず、どのエコシステムに属するかという「陣営」の表明でもある。シリコンフォトニクス分野は依然としてデファクトスタンダードの形成途上にあり、EDAベンダやOSATなど周辺企業を巻き込んだエコシステム競争が進行している。提携の可視化は、そのプレイヤーとしての立場を内外に示す重要な手段となる。
このように、光通信分野における提携は、技術統合の効率化にとどまらず、市場構造そのものの変化を反映した動きとなる。光技術は高度に専門化されており、単独企業での完結は困難である以上、エコシステムとしての最適化が競争力の源泉となる。したがって、個々の技術進展だけでなく、どの企業がどのパートナーとどの程度の深さで結びついているかを読み解くことが、将来の勢力図を予測する上で重要となる。
各社のエコシステムにより、特定の組み合わせが優先的に最適化され量産前提で固定化されていく過程は、自社の事業戦略にも直接的な影響を及ぼす。将来的に参入を図る際、主要なサプライチェーンが既に他社によって押さえられている可能性や、選択可能な技術の幅が狭まっているリスクを早期に察知する必要がある。また、技術発表からファウンドリとの量産連携へとフェーズが移行した領域は、数年以内にコモディティ化が進む兆候とも読み取れる。
AIデータセンタの進展に伴い、光通信の競争軸は様々な領域で「性能」だけでなく「デザイン統合の速度や深さ」にも拡大しつつある。今回の提携は、その潮流の広がりを示す一例であり、今後の通信業界におけるエコシステム競争の行方を占う上でも重要な指標となるだろう。
(OPTCOM編集部)




