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10ギガビット対応の高機能ソフトウェアルータ「SEIL/x86 Ayame」を提供開始【IIJ】

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 IIJは12月19日、高機能ソフトウェアルータ「SEIL/x86(ザイル・エックスハチロク) 」シリーズの上位製品として、新たに10ギガビット対応の「SEIL/x86 Ayame(アヤメ) 」を追加し、提供を開始した。
 IIJでは、1998年より自社開発の企業向けルータ「SEIL(ザイル)」シリーズを提供しており、累計でおよそ17万台の出荷実績がある(2019年9月末時点)。「SEIL/x86」は、このSEILシリーズと同等の機能をソフトウェアとして提供するソフトウェアルータで、これまでに1万ライセンス以上が利用されている。ユーザは、PCや仮想サーバにSEIL/x86をインストールすることで、VPNのセンタールータやクラウド環境のゲートウェイルータとして利用することができる。
 新製品の「SEIL/x86 Ayame」は、マルチコア CPUに対応するなど大幅な性能向上により、大規模な拠点間ネットワークを収容するVPNセンタールータとして利用できる。仮想基盤上で割り当てるCPUコア数に応じて処理性能を高めることが可能となり、高い拠点収容効率を実現できる。IIJは「今後はマルチクラウドでの運用にも対応予定で、複数のクラウド環境と社内ネットワークをつなぐゲートウェイルータとしてのニーズにも応えていく」としている。
 新製品の主な特徴は次のとおり。

大幅な性能向上を実現

 10ギガビット、マルチコア CPU(最大8コア)に対応し、多数の拠点を収容可能なセンタールータとしての機能をソフトウェアで提供します。仮想環境にある機器のデータ入出力(I/O)を高速化するテクノロジーである「SR-IOV」や「PCIパススルー」に対応することで、マシンに内蔵されているNIC(ネットワークインタフェースカード)が稼働する際のオーバヘッドを削減し、また、暗号アクセラレータとしてIntel QuickAssist Technologyを利用できるなど、パフォーマンスを大幅に向上する。
※SR-IOV:Single Root I/O Virtualizationの略で、PCIデバイス側で仮想化をサポートする機能。
※PCIパススルー:仮想マシン上にインストールされたゲストOSから物理マシンのPCIデバイスにアクセスする仕組み。

個人向け、法人向けのライセンス体系を用意

 個人向けに機能を限定した「スタンダードエディション」、法人向けの「エンタープライズエディション」の2つのライセンス体系を用意している。エンタープライズエディションでは、マルチコア CPU対応やI/O高速化テクノロジーに対応するなど、大規模WANのセンタールータとして必要な機能を実装しているほか、ベアメタル(OSを搭載していない物理サーバ)での動作確認を進めていく予定だという。

SACM(Service Adaptor Control Manager)に対応

 SACMは、IIJの特許技術「SMFv2」をもとに独自開発したネットワーク機器の集中管理サービス。機器をネットワークに接続するだけで、遠隔で自動設定や運用管理が一元的に行える。これまでのSEILシリーズと同様に、SEIL/x86 Ayameをインストールした機器においても、SACMを利用することで、簡便にリモート管理・運用が行える。
※SMFv2:IIJが独自開発した機器の自動接続、一元管理を実現するネットワークサービス・オペレーティングシステム「SMF」の発展技術で、2010年2月に日米で特許取得(日本:特許第4463868号、米国:特許7660266号)。

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