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ノキアと仙台市、市民の安全・安心の向上と地域産業の支援に関する連携協定を締結

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 ノキアと仙台市は10月18日、2011年の東日本大震災からの復興を支援し、市民生活の質を向上させるためにノキアの最新技術を提供する連携協定を締結したことを発表した。この協定に基づき、市民の安全・安心を向上させる防災・減災の取り組み、MEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング)や5Gアプリケーションの市内での検証などを行っていく。

 ノキアは東日本大震災からの完全復興に取り組む仙台市の長期的な戦略パートナーとなる。2018年の実施を目指し、最新技術を活用した共同での防災訓練の検討も始めており、その後も防災・減災分野における取り組みを進めていく。また、ノキア・イノベーション・プラットフォームやその他のイノベーションプログラムを活用した共同検証を仙台市内の大学やスタートアップと実施することで、地域のエコシステム構築や海外市場への展開等をサポートする。ノキアと仙台市は、市内にMECや5Gを検証するためのテストベッド環境を構築し、関連分野でのユースケース創出を促進する考えだ。
 最初の共同活動として、11月25日~27日に仙台市で開催される世界防災フォーラム(IDRC)2017にてノキアのパブリック・セーフティ・ソリューションを紹介する予定だという。Nokia Ultra Compact Network(非常用可搬型基地局)のほか、Nokia Group Communicationsのプッシュ・トゥ・トーク及びプッシュ・トゥ・ビデオ対応アプリケーションを搭載した高耐久性デバイス、ドローン等が展示される。
 今回のノキアと仙台市のパートナーシップは、2003年から始まった数々の健康福祉プロジェクトを通じた同市とフィンランドの深い親交によって実現した。また、フィンランドのオウル市と仙台市は2005年より経済協定を結び、ゲーム、ヘルスケアIT分野など多数のプロジェクトで協業してきた。

調印式の様子

 仙台市の郡和子市長は「ノキアには、仙台市民のための安全で安心できる都市環境づくり、地元企業の海外IT市場への展開を支援していただくと同時に、中小企業やスタートアップ向けのMEC及び5Gの検証環境を提供していただく。仙台市は現在、NTTドコモと、そしてフィンランドのオウル市との協定を結んでおり、今回のノキアとの基本合意を通じてさらなる相乗効果が生まれることを期待している」とコメントを出している。
 ノキアソリューションズ&ネットワークス 代表取締役社長のジェイ・ウォン氏は「このたびは仙台市様の戦略的パートナーとして、極めて重要な復興と防災・減災の取り組みにノキアの幅広いテクノロジーを提供する機会をいただき、とても光栄に思っている。ノキアは、英国のブリストル、フィンランドのタンペレ、UAEのドバイ等、世界中の都市のスマートシティ化を支援している。今後は、仙台市の企業と地域の発展に向けて様々な専門技術を提供していく」とコメントを出している。