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シリーズBラウンドで総額11.5億円の第三者割当増資を実施【LeapMind】

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 ディープラーニング技術を活用した企業向けのソリューションを提供するLeapMindは10月20日(日本時間)、Intel Capital CEO Showcaseにてインテルキャピタルをリードインベスターとし、GMO VenturePartners、NTTデータ、イノベーティブ・ベンチャー投資事業有限責任組合(共同無限責任組合員 : NECキャピタルソリューション、SMBCベンチャーキャピタル)及び既存株主である、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Visionnaire Ventures Fund、アーキタイプベンチャーズの7社を割当先とする第三者割当増資により、総額11.5億円の資金調達を完了したことを発表した。

資金調達の目的・背景

 LeapMindは「ディープラーニングの処理にはクラウド/GPUなどの大きなコンピューティングリソースや高電力が必要であり、小さなコンピューティング機器において動かすことが困難であるのが現状だ」としており、その課題を解決するために、スケーラブルな組込み向けディープラーニングソリューション「JUIZ(ジュイス)」を自社開発している。今回新たに調達した資金は、ソフトウェアとハードウェアの両領域におけるソリューションの研究開発、またそれに伴う世界中からの優秀な従業員の雇用、さらには海外を含めた事業開発/営業基盤の拡大に充当する予定だという。
 LeapMind 代表取締役CEOの松田 総一氏は「LeapMindではソフトウェアとハードウェアの両領域に焦点を当てた研究開発を行い、ディープラーニング技術を様々な場面で使えるような最先端技術へと昇華させていく。今回の資金調達により、パートナー企業との業務提携を進め自社開発中の“JUIZ”プラットフォームの事業開発を推進していく予定だ」とコメントを出している。
 インテル コーポレーション プログラマブル・ソリューションズ事業本部 自動車・組込み向けビジネス事業部担当副社長のイルハン・シェイク氏は「インテルは、データセンタとエッジコンピューティング上でのAIコンピューティングに重点を置いた投資により、ディープラーニングやマシンビジョンの開発を支援している。今回の投資は、革新的技術の開発とその世界的な普及を加速するというインテルのコミットメントを示すものだ」とコメントを出している。

LeapMindの技術

ソフトウェア技術による、ディープラーニングモデルの精度向上・計算量圧縮のイメージ。

 LeapMindは、電力が限られた小さなコンピューティング環境でもディープラーニングが稼働する技術を保有しており、ディープラーニングの恩恵を簡単に受けられるようにすることによって、IoTデバイスや家電/ロボットなどへの適用を可能にする。ディープラーニングモデル構築からモデル圧縮、ハードウェア上への実装までをワンストップで実現できるという。
 同社はディープラーニングにおける計算量を圧縮し、FPGAのような小さなコンピューティング環境でもディープラーニングの威力を最大限発揮させる独自アルゴリズムの研究を行っている。

ハードウェア技術による、省電力、高効率を目指した回路設計、圧縮したディープラーニングモデルの組み込み。

 また、ニューラルネットワークを回路側で物理的に用意することでFPGAのような小さいチップでも省電力/高効率でディープラーニングの計算が出来る独自アーキテクチャの研究を行っている。