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ファーウェイ、5Gネットワーク構築に向け22の商用契約を締結

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イノベーションを通じた5G商用化へのコミットメントを改めて示す

基調講演に登壇した丁氏

 ファーウェイ 専務取締役兼通信事業者向けネットワーク事業グループ プレジデント の丁耘(ライアン・ディン)氏は11月21日、同社が5Gネットワーク構築に向け、これまでに22の商用契約を締結したことを発表した。丁氏は、「ファーウェイ グローバルモバイルブロードバンドフォーラム 2018」(11月20~21日、英国ロンドン)で基調講演を行い、「これらの商用契約は5Gをエンドツーエンドで支えるファーウェイの実力と革新的な製品・ソリューションをお客様が評価した証である」と強調した。

 丁氏は「5G is ON:モバイルを新たな地平線に(5G is ON, Taking Mobile to New Horizons)」と題した講演において、5GがICTを新たな時代へ導きつつあり、接続数を現在の10倍に増加させる可能性を持つと指摘。
講演の要点は次の通り。

 5Gはモバイル業界にこれまでにない市場機会をもたらす。5Gに関する初版の標準仕様「Release 15」は高度モバイルブロードバンド通信(eMBB)にフォーカスを置いており、接続体験をより充実させることにより、個人のデータ通信をさらに促進する見込みだ。家庭向けには広帯域の通信サービスを実現し、固定無線アクセスソリューション「WTTx」 (Wireless to the X)によるブロードバンド接続が第一の選択肢となる。5Gはまた、大規模マシンタイプ通信(mMTC)や高信頼低遅延通信(uRLLC)というこれまでにない特徴により、通信事業者のビジネスモデルを再定義し、膨大なビジネス価値を創出する。

 世界をリードする通信事業者は、先行者利益を享受できるよう、5Gの商用展開に向けた取り組みを迅速に進めている。5Gの展開スピードが加速する理由として、次の2つが考えられる。第一に、5Gが最初に展開されるのは世界の主要国が多く、世界人口の約3分の1に相当する市場がカバーされるため、3Gや4Gよりも初期の展開規模が大きい。
 2つめは端末市場。5G対応スマートフォンは、折り畳み式を含めて2019年には登場する見込みだが、これらはまったく新しいユーザ体験を創出する。世界をリードする携帯電話メーカーは5Gネットワークの商用化からあまり間をおかずに、100米ドル(約1万1,305円※)前後の手頃な価格帯の携帯電話をリリースすると予想され、このことが5G市場全体を前進させる見通し。
※1米ドル=113.05円で換算(2018年11月22日現在)

 丁氏は「新しい世代の通信ネットワークへ移行する時は常に、新たな課題に向き合わなくてはならない。5Gについても同様だ。ファーウェイは複雑な課題を引き受け、お客様にシンプルさをお届けする。つまり、革新的なソリューションの提供を通じて、5G商用化に伴う多くの課題に対応する。通信事業者各社との緊密なコラボレーションを通じて、5G展開の実現を支援していく」と述べている。

 丁氏は基調講演において、通信事業者の5G商用展開を支える革新的なソリューションを紹介した。Massive MIMOソリューションは世界で最も軽量かつ小型のAAU(Active Antenna Unit)で、風速50m/秒級の台風においても安定した性能を発揮することができるという。また、基地局を設置できるスペースが限られるなか、ファーウェイの1+1アンテナソリューションはシンプルな構造で省設置スペース化を図り、通信事業者のスペース借用コストを低減する。アップリンクとダウンリンクのデカップリングソリューションによって4Gと5G(Cバンド)双方でカバレッジを実現し、シームレスなユーザ体験を提供するほか、革新的な電源およびマイクロ波ソリューションで通信事業者による5G展開の迅速化と低コスト化を支える。さらに、ファーウェイはAIを活用することで、通信事業者のネットワーク運用管理をシンプルにし、OPEX削減も支援していくとしている。

 丁氏は最後に次のように述べ、講演を締めくくった。「行動は言葉よりも雄弁だ。5Gはすでにスタートしている。ファーウェイは5Gにおけるエンドツーエンドの実力と革新的な製品・ソリューションによりお客様の評価をいただいている。これまでに22の商用契約を締結し、50社以上の通信事業者とともに5G商用化に向けた試験を実施している。強力な投資と継続的なイノベーションを通じて、ファーウェイは今後も通信事業者各社が容易かつ迅速に、高いコスト効率で5G展開を進められるよう支援していく。また、あらゆるステークホルダーと連携する姿勢で、5Gエコシステムの発展を加速していく」