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さっぽろ雪まつり8K映像伝送実験に参加【ミハル通信】

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実証実験デモの全体イメージ
(NICT資料より引用)

 ミハル通信は2月13日、同じ古河電工グループの古河ネットワークソリューションと共に、情報通信研究機構(NICT)が行った「さっぽろ雪まつり8K映像伝送実験」に参加したことを発表した。実験は2019年2月4日から7日まで札幌・大阪・東京・沖縄などの複数拠点を結んで行われ、札幌の雪まつり会場の8Kライブ映像をはじめとする様々な解像度での多地点配信実験が実施された。
 今回の実験でミハル通信の「8K HEVCエンコーダー(開発中)」「ISDB-S3変調器」、また古河ネットワークソリューション株式会社の「仮想ルータ」「VPNルータ」が使用された。
 実験を通して、ミハル通信の「8K HEVCエンコーダー(開発中)」が8K映像伝送装置として多地点マルチキャスト配信にも対応し、同社製ISDB-S3変調器と組み合わせることで8K映像を市販8Kテレビに映像伝送する、8K館内共聴システムが構築できることが実証された。ミハル通信は「今後、医療、セキュリティ、エンターテインメント分野などで8K映像の導入が予想されるが、今回の実験で実証された多地点間の8K非圧縮伝送システム(神奈川工科大学情報学部の丸山教授らによる)、当社装置による8K館内共聴システムが大きな役割を担うことになる。また古河ネットワークソリューションのVPN ルータを用いて映像圧縮データ伝送にセキュリティを施し、データ改竄・盗聴などへの備えを行った。実験を通しては、いくつかのサイバー攻撃に対し耐性を示す一方、新たなるホールへの対策強化アイデアが浮かぶなど多くの成果を得た」としている。

札幌実験会場で使われた機器の概要

札幌実験会場の様子

1:8K HEVCエンコーダー(ミハル通信)
8K非圧縮映像を新4K8K衛星放送と同等のビットレートまで圧縮。この機器で圧縮された信号が、多地点マルチキャスト配信で各実験会場に送られ、各会場の8Kモニターに映像が映し出された。今後、8K映像を使ったパブリックビューイング、8K内視鏡などの医療現場、セキュリティカメラなどで導入が期待される。(開発中)

2:仮想ルータ(vFX:古河ネットワークソリューション)
汎用サーバ上で動作し、キャリアグレードの性能と機能を有するマルチサービス仮想ネットワークアプライアンス。仮想環境ならではの高速パケット処理に対応し、中継性能100Gbpsを実現。(2017年販売開始)

札大阪実験会場で使われた機器の概要

大阪実験会場の様子

3:ISDB-S3変調器(MR7000X:ミハル通信)
新4K8K衛星放送でも使われているISDB-S3方式の信号を出力する変調器。8K HEVCエンコーダーで圧縮されたTLV-MMT信号を、この変調器でISDB-S3方式に変調し、会場の8Kテレビに映し出した。(2019年発売予定)

4:VPNルータ(F2500:古河ネットワークソリューション)
IPsecスループット最大4Gbpsを実現し、IPsecで最大3000拠点を収容可能。通信トラフィックが集中するデータセンターやクラウドサービス、大規模な企業ネットワークのゲートウェイ・ルータとして最適な製品。(2018年販売開始)