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世界初のCPU搭載型メッシュWi-Fi組込みモジュールを発売【サイレックス・テクノロジー】

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産業、医療分野の可搬型機器向けに「切れない無線技術」の組込みソリューションを更に拡大

 サイレックス・テクノロジーは3月4日、世界初のCPU搭載型メッシュWi-Fi組込みモジュール「MNS-300EM」を発売した。
 医療・ヘルスケア、産業機械、POS/流通市場で利用される固定・移動型の機器メーカ向けに、より確実で、安定した無線接続性を提供する用途で開発された『MNS-300EM』は、自立的にメッシュ型の無線LANネットワーク環境を構築し、搭載機器端末同士のシームレスな接続を実現する組込み型のメッシュネットワークモジュール。
 自社開発の802.11ac対応の無線LANモジュール(SX-SDMAC)と、高性能・低消費電力ARM Cortex A7プロセッサNXPセミコンダクターズ社製i.MX6ULL採用のCPUボードを組合せたハードウェアに、独自開発のWi-Fiメッシュネットワーク技術(特許出願中)、無線LANドライバとエンタープライズセキュリティサプリカント、その他関連ソフトウェアを搭載している。同製品を、イーサネットまたはシリアル搭載機器にボードコネクタを介して組込むだけで、多大な組込み開発投資コストなく、ターゲット機器の広域における安定したデータ通信を実現できるという。

 ワイヤレスメッシュネットワークは、本来、駅や空港、ショッピングセンタなどの広いスペースで、より安定的に無線通信を実現するために、網目状のWi-Fiネットワークを形成し、通信経路の冗長化により通信の安定性を向上させる技術。最近では、宅内の見通しの悪いエリアでも、快適な無線LAN環境を実現することを目的に、国内外の家庭用ルータにも数多く搭載され注目されている。
 サイレックス・テクノロジーは「当社は、この技術がビジネス分野の“切れない無線技術”実現ニーズに適用できることに着目し、研究開発を続けた成果を昨年12月にMesh Network System BR-400AN(以下、BR-400AN)として第1号製品をリリースしている。そして、そのコア技術とノウハウを機器への組込みが可能なプラットフォームに展開、MNS-300EMとして業務用クライアント機器の接続性の改善に更に貢献していく」としている。
「MNS-300EM」は、「BR-400AN」で構築されたメッシュ型の無線LAN環境に簡単に参加できるだけでなく、ユーザの機器そのものがメッシュネットワークのエリア拡大に貢献する。また、無線LAN子機モードにも対応しており、既設のアクセスポイント環境でも使用できる。
 また、メッシュネットワークモードと無線LAN子機モードの2種類の動作モードを自動的に切り替える機能も搭載しており、移動体で使用する場合にも、接続する無線ネットワークを意識することなく利用できる。
「MNS-300EM」の主な特長は次の通り。

2つの動作モードに対応(自動切替モード対応)

 設定変更により、同社製品で構築されたメッシュ型の無線LAN環境への参加が可能なメッシュポイントモード、既存のアクセスポイントに接続して通信することが可能な無線LAN子機モードの2つの機能を使い分けることができる。

プロファイルの自動切換え機能

 5つのメッシュネットワーク設定を保存することができ、保存されているプロファイルの自動切替機能にも対応しているため、設定変更を行うことなく複数のメッシュ型無線LAN環境を移動できる。

マルチホップ対応

 同製品は、『BR-400AN』を含めて最大32台(推奨)の機器で1つのメッシュ型無線LAN環境を構成することができる。

シリアル機器/有線LAN機器の無線化

 シリアル(RS-232C)や有線LANのインタフェースを持つ機器に同製品を組込むことで、簡単に無線ネットワーク経由でデータを伝送することができる。

Bluetoothを活用した設定機能

 Bluetooth通信機能を活用した専用の設定機能により、手の届きにくい場所に設置した機器や、通信エリアから外れた機器の設定変更を容易に行うことができる。

医療・ヘルスケアや工場、流通での利用イメージ