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クアルコムテクノロジーズとの協業により、一つのテストシステムで5Gミリ波ビーム特性の評価を実現【アンリツ】

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クアルコムテクノロジーズがミリ波ビーム試験システムとして、MT8000AとCATRチャンバを採用

MT8000A

 アンリツは4月22日、クアルコムの子会社であるクアルコムテクノロジーズとの協業により、同社の5GモデムであるSnapdragon X50および、自動計測ツールと連携し、ミリ波5GモデムのBeam Characterization/Beam Verificationに、業界で初めて、アンリツのラジオコミュニケーションテストステーション MT8000AおよびCATRチャンバ MA8172Aを組み合わせた一つのテストシステムで実現したと発表した。
 ビーム特性評価は、ミリ波に対応した5Gモバイルデバイスの開発に必須のプロセスだ。従来は複数のテストシステムが必要だったが、アンリツはこれをMT8000AとMA8172Aを組み合わせた一つのテストシステムで実現した。これにより、既存のソリューションと比較して、設備コスト、設置スペースの削減が可能で、更に、システム全体の校正時間を大幅に短縮できるとともに、複雑な測定条件の設定を簡単に行え、研究開発費を低減することができる。
 クアルコムテクノロジーズ 技術部門副社長のAndre Izotov氏は「アンリツとの長年にわたる協力が、ビーム検証とビーム特性評価の効率化につながったことを嬉しく思う。アンリツと当社の協業により、5Gモバイルデバイスの製品開発期間を短縮できるソリューションを生み出している」とコメントを出している。
 また、アンリツ 執行役員計測事業本部長の徳家努氏は「アンリツは、クアルコムテクノロジーズ社のようなマーケットリーダーに、最先端の測定プラットフォームを提供することによって、5Gテクノロジーの向上に取り組んでいる。アンリツは、次世代のワイヤレス技術を実現するという共通の目標を共有し、5Gエコシステムの発展に貢献していく」と述べている。

製品概要

ラジオコミュニケーションテストステーション MT8000A
 MT8000Aは、RF試験、プロトコル試験、ビーム検証およびビーム特性評価を1台でサポートできるプラットフォームだ。5Gチップセットや端末の開発に必要とされるNSAモードおよびSAモードの基地局シミュレーション機能をサポートするとともに、Sub-6GHzにおけるデータ通信を高速化する4×4 MIMOや、ミリ波の広帯域化を実現する8CCなどの最新技術にも対応している。
 また、2.5Hz、3.5GHz、4.5GHzなどのSub-6GHz帯(FR1)や、28GHz、39GHzなどのミリ波帯(FR2)のような、初期の5Gサービスで利用される主要な周波数帯をカバーしている。
 さらに、様々な試験パラメータの設定が可能なRF測定ソフトウェアなど、操作性に優れたユーザインタフェースを提供しており、柔軟で効率的な試験環境を構築できる。

CATR Anechoic Chamber MA8172A
 CATR Anechoic Chamber MA8172Aは、3GPP規格に準拠したCompact Antenna Test Range(CATR)方式を採用した5G NRのOTA環境における試験を、省スペースで実現可能なチャンバ。5G NRに対応したチップセット、デバイス、端末のミリ波研究開発やコンフォーマンス試験に使用できる。