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5G通信方式での接続検証およびデータ疎通試験を完了【富士通、Qualcomm】

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 富士通とQualcomm Technologiesは8月22日、富士通の商用5G基地局と、Qualcomm社製の5G対応チップセットを搭載した試験用スマートフォンデバイス間で、5G通信帯域であるサブ6 GHz帯およびミリ波帯における、接続検証およびデータ疎通試験を完了したと発表した。

 同試験の成功は、日本国内における5G向けのネットワークインフラとモバイルデバイス間におけるエコシステム構築に向けた重要なマイルストーンとなる。

 試験は、NTTドコモの5G商用サービス開始に先駆け、ネットワークベンダ相互接続試験(以下、NV-IOT)として、日本国内の富士通の敷地内において7月中旬に実施された。
 同NV-IOTは、3GPP標準化仕様のリリース15に準拠した、富士通の5G基地局と、Qualcomm社製の5G対応チップセット「Qualcomm Snapdragon X50」およびアンテナ機器を搭載した試験用デバイスを使用し、総務省が定めた日本国内における5G通信帯域であるサブ6 GHz帯に対応する3.7GHz帯およびミリ波帯に対応する28GHz帯において、ノンスタンドアローン(NSA)構成での5G New Radio(5G NR)データの疎通を行うもの。
 Qualcomm Technologies シニアバイスプレジデント兼4G/5GジェネラルマネージャーのDurga Malladi(ドゥルガ・マラーディ)氏は「今回の接続検証およびデータ疎通試験の成功により、5G技術の商用展開に一歩近づいた。本試験は、2019年に5G商用化を現実にするというQualcomm Technologiesと富士通のコミットメントを果たすもので、世界の5Gネットワーク確立を推進する大きなマイルストーンにもなっている。私たちは、富士通との協業を継続し、5Gネットワークの構築を支援することで、お客様に革新的な5G体験を今年からお届けできることを楽しみにしている」とコメントを出している。
 富士通 理事兼ネットワークプロダクト事業本部長の妹尾雅之氏は「5Gネットワークによって、富士通はお客様と共創するヒューマンセントリックイノベーションを加速していく。私たちは、グローバル標準仕様に準拠した基地局製品(O-DUおよびO-RU)およびO-RANフロントホールインターフェースを開発してきた。今後も、モバイルプラットフォームのトップベンダであるQualcomm Technologiesとともにさらなる相互接続試験を重ね、5G商用サービスの早期展開に貢献していく」とコメントを出している。

今後について

 両社は「今後も、5G商用サービスの提供を目指す企業とのパートナーシップを強化し、積極的なオープン化への取り組みや、大容量映像のリアルタイム伝送など、5Gを活用したデジタル技術による共創をグローバルに推進し、様々なユースケースを創出することで、お客様の価値創造に貢献していく」としている。