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IIJとソニービズネットワークスがクラウドビジネス拡大に向けて業務提携

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AWSおよびMicrosoft Azureサービスの拡販で協業し、マルチクラウド市場での競争力を強化

 インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)とソニービズネットワークス(以下、ソニービズ)は2月19日、クラウド分野において業務提携することを発表した。同提携にもとづき両社は、それぞれが持つサービスやソリューションを相互に提供し再販することで、企業におけるマルチクラウド需要の増加に応えていくという。

業務提携の内容

ソニービズがAWS運用自動化ツール「マネージドクラウドポータル」をIIJに提供
 マネージドクラウドポータルは、ソニービズが提供する「マネージドクラウド with AWS」のサービスの一部で、ソニービズが独自に開発したAWSの運用自動化ツールであり、AWSリソースの構成管理やスケジューリング自動化機能、運用監視機能などを備え、AWSの利便性を高めることができる。ソニービズがIIJにマネージドクラウドポータルを提供することで、IIJが販売するAWSにおいてもこのマネージドクラウドポータルを利用することが可能となり、IIJのAWSビジネスの拡大を促進する。

IIJ がMicrosoft Azureのライセンスおよびサポートをソニービズに提供
 IIJはMicrosoft Azureのインダイレクトプロバイダであり、IIJが間接リセラーとしてライセンスと技術サポートをソニービズへ提供することで、ソニービズはMicrosoft Azureのライセンス販売が可能となり、ソニービズのAzureビジネスの拡大を促進する。さらに、Office 365をはじめ各種Microsoftクラウドサービスへのダイレクト接続を可能にする「IIJ クラウドエクスチェンジサービス for Microsoft Azure Peering Service」など各種ネットワークサービスも今後提供する予定だという。

ソニービズが「IIJ Omnibusサービス」のアクセス回線として「NUROアクセス」をIIJに提供
 IIJが提供するSDN-WANサービス「IIJ Omnibusサービス」へのアクセス回線として、ソニービズのインターネット接続サービス「NUROアクセス」を新たに追加する。NUROアクセスは国際規格G-PONを採用した、通信速度下り最大2Gbpsの広帯域と、帯域の公平制御機能によって最低通信速度を確保した高品質なインターネット接続サービス。IIJのユーザは、対応キャリアの選択肢が増えることで、マルチキャリアによる冗長構成が可能となり耐障害性を高めることができる。

業務提携の背景

 IIJは、AWS、Microsoft Azureともに、ユーザサイトとの閉域接続サービスを提供し、マルチクラウド利用のニーズに応えてきた。特にMicrosoft Azureの認定パートナーとして150社以上の導入実績をもち、オンプレミスと複数のクラウドをシームレスに連携させたシステムを構築したいというユーザニーズに合わせて最適なマルチクラウド環境を提供している。一方、ソニービズは、2015年にAWSの取り扱いを開始して以降、中小企業のユーザを中心にAWSを提供し、マネージドクラウドポータルを400社以上に提供するなど、AWSビジネスを拡大してきた。
 この両社の強みを相互に補完することで、マルチクラウド市場において一層の競争力強化を目指し、今回の提携に至ったという。

今後の展望

 同提携を機に、両社は今後、IIJのバックボーン上にユーザ専用のプライベートネットワークを構築する「IIJプライベートバックボーンサービス」とソニービズのマネージド閉域ネットワーク「NURO閉域アクセス」を相互接続するなど、双方のクラウドサービス並びにネットワークサービスの連携を強化していく予定だ。
 IIJとソニービズは「このたびの提携によって両社のサービスポートフォリオを一層拡充し、今後もデジタル技術でお客様業務の生産性を向上させるデジタル・ワークプレイスを推進していく」という。