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エリクソンとクアルコム、5G向けの新しいキャリアアグリゲーション機能を開発

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最新の相互運用性試験により、性能、容量、カバレッジを向上させる新しい5Gキャリアアグリゲーション機能の実装が可能に

 エリクソンとクアルコムは8月28日、FDD/TDD帯とTDD/TDD帯の両方で、他に先駆けて5Gスタンドアローン(SA)のキャリアアグリゲーションの相互運用性試験を完了したと発表した。(本抄訳は9月9日に日本法人が発表)
 5Gキャリアアグリゲーションにより、事業者はサブ6GHz帯の複数のチャネルを同時に使って、基地局と5Gモバイルデバイス間でデータを伝送できる。

 5Gキャリアアグリゲーションを実装することで、厳しい無線条件下での5Gの通信速度と信頼性が向上し、カスタマーはよりスムーズな動画ストリーミングを体感し、より高速なダウンロードを楽しめるようになる。この重要な5G機能は、2021年に世界中の通信事業者によって広く展開される予定だ。
 両社は中国の北京にあるエリクソンのラボで、5GSAキャリアアグリゲーションの試験を完了した。100MHz + 60 MHzをダウンリンク70%の構成で2.5 GHz(n41)TDD帯に集約し、4×4 MIMOを使うことで、接続のピーク速度は2.5 Gbpsに達した。
 さらに両社はスウェーデンで、600 MHz(n71)FDD帯の20MHzと2.5GHz(n41)TDD帯の100MHzを組み合わせることで、5G SAキャリアアグリゲーションデータ呼を成功させている。
 いずれの成果も、Ericsson Radio Systemポートフォリオの5Gインフラストラクチャー機器とクアルコムSnapdragon X60 5GモデムRFシステムを搭載した5Gスマートフォン型の試験デバイスを使って達成されたもの。
 クアルコムテクノロジーズ 4G/5G部門シニア・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーのドゥルガ・モラディ(Durga Malladi)氏は「世界をリードするワイヤレスイノベーターとして、クアルコムテクノロジーズは世界各地への5Gの急速な浸透を支えるソリューションを継続的に開発している。今回エリクソンと協力して、5Gキャリアアグリゲーションのマイルストーンである世界初のFDD/TDDとTDD/TDDのアグリゲーションを達成できたことを誇りに思っています。この技術は世界中の5Gネットワークの性能を大幅に強化し、消費者にとって平均速度と5Gカバレッジを大幅に向上させる」とコメントを出している。
 エリクソン ネットワーク製品部門の総責任者であるパー・ナルビンガー(Per Narvinger)氏は「5Gが初期の都市部での展開からより広いエリアへの展開へと移りつつある今、クアルコムテクノロジーと共に5Gキャリアアグリゲーションのリードイノベーターであることをうれしく思っている。5Gキャリアアグリゲーションは、高いデータ通信速度と性能向上を実現するのみならず、ミッドバンドとハイバンドで5Gのカバレッジを拡張する重要な技術になる。2020年後半には5Gキャリアアグリゲーションが初めて導入され、2021年には利用が大きく拡大すると予想している」とコメントを出している。

 エリクソンは、今年の第4四半期に5G NRキャリアアグリゲーションの商用リリースを予定しているという。