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NTTがデータセンタを面積ベースで2割拡大。法人のインターネット利用増に対応した収容能力拡大によりグローバルリーダーの評価を獲得

データセンタ/LAN 無料

 NTTは9月1日、今後、法人およびハイパースケーラー向けのフルスタックICTサービスを拡販するため、グローバルデータセンタのサーバールーム面積を約2割拡大すると発表した。
 また、NTTがIDC MarketScapeレポートにおける「世界規模のデータセンターコロケーションおよび相互接続サービス 2021年度ベンダー評価」において、グローバルリーダーのうちの1社に選ばれたことを発表した。

世界各地域におけるデータセンタの拡大方針

 NTTは、北米、EMEA(欧州、中東、アフリカ地域)、アジア、インドでデータセンタを運用。北米バージニア、ロンドン、シンガポール、東京など主要な市場におけるデータセンタ間を、ネットワークにて相互接続すると共に、各地域におけるデータセンターサービスの収容能力を次のとおり拡大している。

北米:2020年から2021年にかけ、バージニア州アッシュバーンにおけるデータセンタ拡張に加え、オレゴン州のヒルズボロ、カリフォルニア州のサンタクララ、イリノイ州のシカゴに3つのデータセンタを新設した。
 47エーカー(約190,000㎡)のヒルズボロのデータセンタは、終局5つのデータセンタで構成され、IT機器向け総電力提供可能容量(以下、IT電力容量)126メガワットを供給する予定だ。加えて、NTTの日米間海底ケーブル「PC-1」を活用することで、ヒルズボロと東京間の太平洋横断のネットワークを提供する。
 また、アリゾナ州フェニックスにおいても、2022年初頭データセンタを新設する予定だ。フェニックスデータセンタは、IT電力容量36メガワットを供給するデータセンタを終局7棟建設し、合計でIT電力容量240メガワットを供給する予定だという。

EMEA:オランダのアムステルダムやドイツのフランクフルトでデータセンタを運営しており、ドイツにおける市場シェアは1位だ。英国では、新たにロンドン1データセンタを2020年12月に開設した。収容能力を現在の2倍以上に向上させ、英国の金融サービスやメディア、ゲーム産業を支えていく。また、NTTが提供するロンドンエリアにある全てのNTTのデータセンタをつなぐ光ファイバなどの敷設にも投資を行っている。
 また、NTTは、今後2年でEMEAの6カ国、9つの市場に新たに13のデータセンタを建設し、50,000㎡のサーバルーム面積、IT電力容量115メガワットを追加することで、EMEAにおけるIT電力容量を40%以上拡大する予定だ。
 さらに、旺盛なデータセンタ需要に応えるため、ウィーンやチューリッヒ、ロンドン、ドイツ各地での増床に加え、スペインのマドリードや南アフリカのヨハネスブルクにも相互接続可能なデータセンタを構築する予定だ。

アジア(インド除く):2021年内までにインドネシア・ジャカルタの中心地から約30km離れたブカシにIT電力容量15メガワットを供給するジャカルタ 3データセンタを新設する。通信事業者としての強みを生かすことにより、同データセンタにおいてユーザは、IXs(インターネット・エクスチェンジ)やISPs(インターネット・サービスプロバイダ)との接続が容易になる。
 また、マレーシアのサイバージャヤ 5データセンタは、IT電力容量6.8メガワットを供給し、今後、同キャンパス内にさらに同規模の拡大を予定している。
 日本では、2020年9月に東京にIT電力容量21メガワットを供給する東京第11データセンタを建設した。
今後も、ユーザの旺盛な需要に応えるため、バンコク、大阪、ベトナム南部へのデータセンタ拡張も検討中だという。

インド:インドで初の大容量データセンタ拠点であるムンバイ・チャンディバリキャンパスでは、ムンバイ 8 データセンタの営業開始により、IT電力容量85メガワットを供給する予定だ。
 また、2022年1月以降順次、ナビムンバイに2つのデータセンタのほか、チェンナイ、デリー(ノイダ)において、合計で50,000㎡のサーバルーム面積、IT電力容量133メガワットの大規模データセンタを建設予定。
 インドの10のデータセンタは、2021年にデータセンタ間ネットワークで相互接続され、ムンバイとチェンナイでは、海底ケーブルの陸揚局建設も予定されている。これらにより、インドにおけるNo.1の市場シェアをさらに拡大する。

データセンタ間を相互接続するグローバルネットワーク

 NTTは、収容能力の大幅な拡張を行っているデータセンタとTier1のグローバルネットワークサービスを組み合わせたインフラにより、フルスタッフのICTサービスの需要に応える。

 NTTは現在、シンガポール、マレーシア、インド(ムンバイ、チェンナイ)を接続する大容量の海底ケーブル「MIST」を建設中だ。「MIST」ケーブルシステムは、11,000kmの長さを有し、その長さはニューヨークから東京までの距離を超えるものです。2023年中頃の竣工をめざしている。

 また、1つの物理ポートから複数の仮想ネットワーク経由で、セキュアにクラウドサービス事業者などに接続できる「Global Data Center Interconnect」 (GDCI)により、グローバル市場におけるネットワーク相互接続基盤を提供する。前述の海底ケーブルシステムの拡張は、GDCIの地域を超えたデータセンタ間での相互接続の基盤として通信インフラを支える予定だ。

 NTT LtdのPresident and Board Directorである森林正彰氏は「新型コロナウイルス感染拡大により、人々の生活様式が大きく変容しています。人々の生活の質は、基本的にはインフラに依存しています。この18カ月で、NTTはデータセンタ事業を20%拡大し、20以上の国・地域で、サーバルーム面積は600,000㎡以上に拡大する。NTTは、さらにデータセンタやネットワークサービス上の法人向けハイブリットクラウド環境を最適化するために約30の「GDCI」の接続拠点をグローバルデータセンタに拡大する。NTTは既にIT電力容量300メガワットの供給への拡大に向けてデータセンタの建設を開始している。新たなデータセンタや、キャンパスの拡大、MIST海底ケーブルのような大容量ネットワークの完成により、NTTは世界中のお客さまの事業に貢献する『つながる未来』を築いていく」とコメントを出している。

IDCの評価

 米国IDC社が2021年6月に発行した、評価レポート「IDC MarketScape: 世界規模のデータセンターコロケーションおよび相互接続サービス 2021年度ベンダー評価」において、NTTは法人のインターネット利用増に対応した収容能力拡大、総合的技術力、フルスタックICTサービスの提供によりグローバルリーダーのポジションに位置付けられた。