光通信、映像伝送ビジネスの実務者向け専門情報サイト

光通信ビジネスの実務者向け専門誌 - オプトコム

有料会員様向けコンテンツ

60GHz帯無線通信で高画質・超低遅延動画伝送実験に成功【フジクラ、テラピクセル・テクノロジーズ、intoPIX】

DX/IoT/AI 無料

エンドポイントAI機器・JPEG-XSコーデックと60GHz帯無線通信を組み合わせ高品質なリアルタイム映像伝送を実現

 フジクラ、テラピクセル・テクノロジーズとintoPIXの3社は1月18日、共同で実施した60GHz帯ミリ波無線通信を用いた高画質・超低遅延なリアルタイム動画伝送実験に成功したことを発表した。

 近年、Society5.0やIndustry4.0の実現に向け、各種現場や工場などにおける危険検知や遠隔制御など、リアルタイム性が求められる映像アプリケーションの需要が高まっている。特に、機器設置の自由度や、移動体へ適用が可能な無線接続形態での動画伝送が求められている。

 今回の実験では、テラピクセル・テクノロジーズが開発中のエンドポイントAI機器(intoPIXが開発した低遅延JPEG-XS画像コーデックIPーTicoXSを搭載)と、フジクラが開発中の60GHz帯ミリ波無線モジュールを組み合わせ、屋内/屋外の実環境において無線による動画伝送を行った。その結果、エンドポイントAI機器が搭載するJPEG-XS画像コーデックの特長である、

  • 低遅延圧縮・伸張(0.5ms以下)
  • 軽量なHD/4K/8KコーデックIPによる高品質な視覚的ロスレス映像

と、60GHz帯ミリ波無線モジュールの特長である、

  • 光ファイバ並みの高い通信スピード(>3Gbps)
  • 低遅延伝送(2ms前後)

が効果的に組み合わせられ、高画質(Full HD:1920×1080@60fps)・超低遅延な動画伝送に成功した。

 さらにフジクラの60GHz帯ミリ波無線モジュールの特長である、自動ビームフォーミングと長距離(>500m)伝送性能を活用し、移動する自動車に搭載されたカメラ動画の伝送実験を行い、同様の結果が得られている。

 今後について3社は「連携して、工場などの各種現場にてスマート化を進めたいとお考えのエンタープライズ顧客をターゲットに、ライセンス申請・取得不要で低コストかつ容易に高速ネットワーク構築が可能な60GHz帯ミリ波無線と、低遅延かつ高品質な画像処理ならびにAIによる画像認識処理が可能なエンドポイントAI機器を組み合わせた、最先端のミリ波映像伝送製品・サービスの開発を進めていく」との方針を示している。