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GPUベースの産業用コンテナ型データセンター ソリューション 「M:MDC(モルゲンロットモバイルデータセンター)」 のサービス開始【ミライト・ワン、モルゲンロット、WOODMAN】

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 ミライト・ワン、モルゲンロット、WOODMANの3社は1月16日、ミライト・ワン池袋技術センターにGPUベースの産業用コンテナ型データセンター ソリューション「M:MDC(モルゲンロットモバイルデータセンター)」を設置し、12月1日よりサービス提供を開始したことを発表した。

 写実的なコンピューターグラフィクス(CG)の制作、複雑なシミュレーションを多用する自動車開発や都市開発だけではなく、様々な分野の研究機関でも利用されているCGレンダリングでは、テラバイト単位の大容量データが日々演算(描画)されている。しかし、高速演算用のハードウェアは高価である点に加え、大容量のデータを転送する際にオペレーションコストが発生しており、これらを解決するソリューションが求められている。

 「M:MDC」は、利用者の近くに設置することでデータ転送コストを圧縮し、クラウドで計算力を提供することで利用者のハードウェアへの初期投資を不要としている。そのため、大規模なデータセンターやスーパーコンピューター利用の前段として、はるかに低いコストで、手軽に高速演算能力を提供可能だ。
 設置場所を問わないことで、次の点も含めた様々なメリットがある。

  • コンテナの再生エネルギー発電サイトへの設置によりクリーンエネルギーでの運用が可能
  • 開発施設、研究機関、開発現場へのコンテナの設置でオンサイトの高速演算処理が可能
  • コンテナ設置により既存の地方遊休土地、施設の有効活用が可能

「M:MDC」の外観イメージ

各社の役割

 ミライト・ワンは、コンテナサーバー設計・構築・運用・メンテナンスを担当。モルゲンロットは、クラウドベースの分散型高速演算処理に必要なミドルウェア、各種ソフトの開発。WOODMANは、高性能半導体をベースとしたサーバ用ハードウェアの調達、設計技術サポートを担当する。

 3社は「今回ミライト・ワン池袋技術センターに設置され運用が開始されたM:MDC第一号コンテナでは、利用者への計算力提供のみならず、各種技術検証や希望者の見学受け入れも実施する」としている。

「M:MDC」の特徴

  • 高強度・高断熱コンテナに最新の高性能CPU/GPUベースのサーバーラックを12台搭載
  • モルゲンロット社の分散処理ソフトExcaliburによりクラウドベースの高速演算処理が可能
  • ヒートパイプと水冷版による省エネ冷却技術の採用によりSDGsの省エネ要件に対応
  • コンテナの複数台設置によりスケーラブルな計算能力増強が可能
  • CGレンダリングだけでなく高速処理が必要なAI・深層学習のニーズにも対応

 3社は「大規模プロジェクトの要素部分の処理・分析・シミュレーションなどにセットアップの手間をかけずに必要な計算力を手軽に使える、高速演算リソースのシェアリング・サービスとしても提供可能だ」と説明している。

編集部備考

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