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Cisco Secure AI Factory with NVIDIA、あらゆる環境でAI導入とセキュリティ確保を容易に【シスコ】

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拡張アーキテクチャにより、パフォーマンスやセキュリティを損なうことなく、集約型データセンタから製造現場までAIの大規模稼働を実現

 シスコは3月16日(カリフォルニア州サンノゼ)、集約型データセンタから、データ生成や意思決定が行われるローカル拠点まで、顧客のインフラストラクチャ全体にAIを展開するフレームワークとなるSecure AI Factory with NVIDIAの大幅な拡張を発表した。(本抄訳は、日本法人より4月2日に提供)

 企業、ネオクラウド事業者、ソブリンクラウド、サービスプロバイダは、分断されたシステムを組み合わせることなく AIを試験段階から本格的な本番運用に移行でき、導入期間を数か月から数週間へと短縮し、初期段階からセキュリティを組み込みこむことが可能になる。

 シスコの会長 兼 CEOであるチャック・ロビンス(Chuck Robbins)氏は「ほとんどの組織は、AI に事業を変革する力があると理解しているが、安全かつ大規模に展開する方法に課題を抱えている。シスコはNVIDIAと連携し、パフォーマンスの新たな基準を確立するアーキテクチャにより、この課題に対処し、AIインフラストラクチャを簡単に導入、運用し、安全性を確保できるようにする」とコメントを出している。

 NVIDIAの創業者 兼 CEOであるJensen Huang氏は「AI Factoryはあらゆる業界に変革をもたらしており、データ、アプリケーション、インフラストラクチャを保護するためには、シリコンからソフトウェアまですべてのレイヤにセキュリティを組み込む必要がある。NVIDIAとシスコは協力し、コアからエッジまでAIインフラストラクチャのための安全な基盤を構築し、企業が安心してインテリジェンスを大規模に展開できる環境を提供する」とコメントを出している。

データセンタだけでなく、あらゆる場所で稼働するAI

 AI推論は、データが存在し、即時の意思決定が求められる現場で実行される。病院や製造現場でのリアルタイム分析などに対応するため、インフラはデータやデバイスの近くで処理を行う必要がある。この現実から、推論ワークロードをローカル拠点で、つまりデータやデバイス、意思決定の必要なタイミングでより近い場所で処理することが求められ、インフラストラクチャのあり方が根底から変わりつつある。シスコと NVIDIA は、以下の取り組みにより、組織がエッジ推論ユースケースに対応できるよう支援する。

企業エッジ環境の変革:Cisco UCS および Cisco Unified Edge ポートフォリオ全体で NVIDIA RTX PRO 4500 Blackwell Server Edition GPUに対応し、シスコは企業がデータセンタ規模のハードウェアに伴うエネルギーコストや設置スペースを必要とすることなく、ミッションクリティカルな AI ワークロードをエッジ環境で実行できるようにする。

サービスプロバイダーエッジ環境の変革:シスコは、Cisco Mobility Service Platformと NVIDIA RTX PRO Blackwell Series GPUを組み合わせたリファレンスデザインのCisco AI Grid with NVIDIAを発表した。これにより、サービスプロバイダは既存のネットワークを活用し、キャリアグレードの信頼性とデータ主権を備えたエッジAIアプリケーション向けマネージドサービスを提供できるようになる。

大規模AI Factoryに向けたパフォーマンスと効率を向上

 シスコは、スケールアウト向けのCisco Silicon One G300およびスケールアクロス向けのP200を搭載した最新システムの投入の勢いを受け、あらゆるプロセスの高速化、簡素化を実現しつつ、パフォーマンスの限界をさらに高め続けている。

次世代パフォーマンス:NVIDIA Spectrum-6 Ethernet スイッチシリコンを搭載した新型 102.4Tbps Cisco N9100など、最新高速スイッチは、最も要件の厳しいAIワークロードに対応する。これは、現在一般提供されているNVIDIA Spectrum-4 Ethernet スイッチシリコン搭載の800G N9100に加わる製品となる。

迅速な導入:現在Cisco Nexus Oneの一部となっているCisco Nexus Hyperfabricは、NVIDIA Spectrum-X Ethernet シリコンを搭載したN9100シリーズを含むCisco N9000 シリーズ スイッチに対応する。これにより、組織は複雑なマルチベンダの統合作業という課題を、シンプルなフルスタックのソリューションへ転換でき、導入時間を短縮してIT 部門の負担を軽減できるようになる。

 大規模なAI Factoryを構築する顧客は、現在、2つの検証済みアプローチを選択できる。1つはNVIDIA Cloud Partner(NCP)プログラムに準拠したリファレンスアーキテクチャに基づくAI Factory、もう1つは同じ設計原則に基づくCisco Silicon One上に構築されたCisco Cloud Reference Architectureだ。

セキュリティをあらゆるレイヤに組み込む

 AIモデルが価値の高い資産となり、エージェントがますます自律的に行動し、判断し、他のエージェントと連携する時代において、セキュリティは最優先事項だ。シスコは、Secure AI Factory with NVIDIAの基盤全体に保護機能を組み込み、外部からの脅威と不正なエージェント挙動の双方に対する防御を実現する。主な内容は以下のとおり。

AIインフラストラクチャの保護:AIの安全性はそれを動かすハードウェア次第であり、攻撃者はそれを理解している。Cisco Hybrid Mesh Firewallは、ネットワークスイッチやワークロードエージェントなど、様々な適用ポイントにわたり一貫したセキュリティポリシーを提供する。適用範囲が広範であるほど、攻撃者が悪用できる余地を低減する。シスコはこのCisco Hybrid Mesh Firewallを拡大し、Cisco Nexus Oneファブリックに接続されたNVIDIA GPUサーバに組み込まれたNVIDIA BlueField データプロセシングユニット(DPU)上でのポリシーを適用され、脅威は組織のデータに到達する前にサーバレベルで遮断される。その結果、パフォーマンスを損なうことなく、AI ワークロードを内側から包括的に保護できるようになる。

AIエージェントの保護:Cisco AI Defenseは、モデルセキュリティや自動化された脆弱性テストに加え、NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアの一部である NVIDIA NeMo Guardrailsとの統合により、エッジにおけるAIエージェント向けに設計されたガードレールを提供する。これにより、AI開発者やセキュリティ部門は新たな脅威に先回りして対応し、AIに対する信頼を維持することができる。AIの導入がますます分散化し、エッジ拠点のエージェントがコアのエージェントと連携してタスクを遂行しワークフローを実行するようになっている。Cisco Secure AI Factory with NVIDIAの一部であるAI Defenseは、このようなエージェント間の相互作用の安全性も確保できるようになる。

シスコ、企業による安全なAI エージェント開発を支援

 シスコは、AIインフラストラクチャのあらゆるレイヤやエージェント型ワークフォースにセキュリティを組み込むという取り組みをさらに進め、Cisco AI DefenseがNVIDIA Agent Toolkitの一部であるNVIDIAのOpenShellランタイムに対応し、そのセキュリティを確保するため、エージェントや Claw(自律型 AI)の動作を管理するための制御機能やガードレールを追加することを発表した。Cisco AI Defenseは、エージェントが実行するすべてのツールやアクションを継続的に監視、検証することで、企業が安心して AIエージェントを展開し、セキュリティを損なうことなく重要なワークフローを管理できるよう支援する。この統合は、イノベーションとリスクの間に存在するギャップを解消し、組織が自律的なシステムを信頼し、安全にかつ確実に運用できるようにする。

業界からのコメント

 Cirrascale Cloud ServicesのCTOであるAlex Nataros氏は「高性能コンピューティング ソリューションのリーダーであるCirrascaleは、NVIDIA Spectrum-6に基づく新たな Cisco N9100 シリーズ スイッチが導入されたことを嬉しく思っている。これは102.4Tの卓越したパフォーマンスとNexus Oneによる統合管理プレーンにより、シスコのNCP リファレンスアーキテクチャ準拠ポートフォリオをさらに拡張するものだ。これらのイノベーションは、 NX-OSおよびSONiCの柔軟性を組み合わせることで、運用のシンプルさを維持しつつ、当社のAIインフラストラクチャをシームレスに拡張することができる。また、51.2T Spectrum-4 スイッチの提供により、比類ないパフォーマンスと信頼性を備えた最新のAIソリューションを顧客に提供することができる」とコメントを出している。

 Sharon AIのCCO 兼 創業者であるAndrew Leece氏は「Sharon AI は、Nexus Oneのクラウド管理型 Nexus Hyperfabricに対応し、102.4Tの性能を実現するCisco N9100 シリーズ スイッチに大きな期待を寄せている。NCP RAに準拠し、51.2T Spectrum-4に基づくN9100 スイッチを活用することで、当社は強力なパフォーマンスと効率性を備えた AIインフラストラクチャを拡充することができる。さらに、G300 Silicon Oneに基づく N9300 スイッチのおかげで、顧客ニーズの変化に応じて対応できる柔軟性が提供される。Nexus Oneによるターンキー型の AI インフラストラクチャ導入は、運用を大幅に簡素化し、当社の取り組みにおいて価値創出までの時間を加速させる」とコメントを出している。

 World Wide Technologyのグローバルソリューション & アーキテクチャ担当プラクティスディレクターであるJeff Fonke氏は「World Wide Technologyの顧客は、シスコのエンタープライズ ネットワーキングに信頼を寄せている。シスコの強力なAIネットワーキング ポートフォリオは、その信頼をAIワークロードの領域に拡張する。シスコのポートフォリオは、Cisco Silicon OneおよびNVIDIA Spectrum-X Ethernetスイッチシリコンをベースとしたスイッチを活用し、NX-OSまたはSONiC上で最大102.4Tbpsの優れた性能を発揮し、Nexus Oneの管理プレーンによって統合される、カスタマイズされた AIインフラストラクチャを構築する選択肢と柔軟性を提供してくれる。このような進化により、エージェント時代に求められる拡張性とパフォーマンスが提供されるこれらの進化に大きな期待を寄せている」とコメントを出している。

 IDCのデジタルおよびデータセンタ インフラストラクチャおよびサービス担当グローバル責任者であるMary Johnston Turner氏は「組織が AI の実験段階から新たな段階へと進む中、主題は『AI で何ができるか』から『AI をどのように安全かつ大規模に運用していくか』に移行している。業界は新たなセキュリティやインフラストラクチャのサイロを生むことなく、AIワークロード、特にリアルタイム推論を、エッジデータにより近い場所で実行しなければならなくなっており、重要な転換点を迎えている。シスコとNVIDIA のパートナーシップは、顧客が拡張していくために必要な柔軟性と選択肢を提供し、複雑な統合の課題を克服できるよう支援するものだ」とコメントを出している。