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通信・放送Week2018出展製品preview【ヒキフネ】

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進化を続ける世界最先端のメタライズ技術

 ヒキフネは1932年に創立した日本の老舗めっき企業。独自技術による石英ファイバへのめっき加工は、国の機関より表彰を受ける程の高いレベルだ。ヒキフネは、「メタライズファイバ」のめっき加工技術によって光通信業界においては世界的なプレイヤーへと飛躍を遂げた。時の内閣総理大臣や厚生労働省からも認められてきた高精度な加工技術はアジアのベンダの追随を許さず、特にアレイのめっき加工については同社を含むごくわずかな日本ベンダの独壇場となっている。特に、今やメタライズファイバの主流となっている中間めっきを行うことのできる企業は同社を含めてごくわずかとなる。その中のトップベンダである同社は、中間めっきの技術でもトップを独走し、さらに不断の技術向上を続けている。
 また、同社は加工後の外観が綺麗である点も市場から高い評価を得ている。元から歪な外観であれば加工の不具合を見分けづらいが、外観が綺麗であれば不具合が一目でわかるので、ユーザは安心して使うことができる。光通信業界は常にコンポーネント・デバイスの価格下落に追われているが、世界随一とも言える同社の優れた加工技術には簡単には価格競争に巻き込まれない根拠が確かに存在している。

稀少な中間めっき技術をさらに向上

 同社のメタライズファイバは、当初LN変調器等の各種光デバイスにおけるハーメチックシールのハンダ接合固定などのモジュール化においてメインに用いられてきた。湿式めっきのアドバンテージであるコスト競争力と客先要求を満足させる引っ張り強度及びハンダぬれによって、このフィールドにおいては推定世界シェアトップと言ってもいいだろう。現在の生産キャパシティは多心を含めて月約80,000本、ピーク時で100,000本と稼働率もかなり高い状況だ。昨年は、中国市場に端を発した大規模な生産調整も発生したが、OTTの投資意欲は長期的にはまだまだ健在で、まだまだ同社のメタライズファイバへのニーズは続いていくだろう。
 同社の高い技術レベルを示す証左として「中間めっき」が挙げられる。同社がパイオニアとなったメタライズファイバが誕生した草創期には、同業他社も含めて光ケーブル(コード)端およそ30㎜の被覆を剝いで、先端約5~10㎜にめっきをしていた。その単心先端のメタライズファイバにスリーブを被せて、メタライズファイバとスリーブとの隙間をはんだ付けして、さらに光学機器のハーメチックシール部分とスリーブとの隙間をはんだ付けするという、モジュール化に至るまでに二回のはんだ付けの必要があった。しかし、ここ数年で同社が得意先へ供給しているのは、ケーブル(コード)中間の約5㎜程度の被覆を剝いで、左右余長合計約30㎜を含めてめっきを行う、所謂「中間めっき」という仕様だ。「中間めっき」にすることで、モジュール化の際には直接コンポーネントへの一回のはんだ付けで済むようになり、スリーブによるはんだ付け工程が不要となることで工程及びコストの低減にも繋がる。単純なメタライズ(先端めっき)だけなら安価な中国製も存在するが、めっきの密着性に問題がある場合も多く、さらには中間めっきを可能とする加工技術も持ち合わせていない。中間めっきを可能にする高い技術性こそが、ヒキフネがいまだメタライズファイバのトップベンダとして君臨している理由であり、さらに同社は1mmの超短距離被覆除去を行ったうえで、そこに超短距離の中間めっきを行うことにも成功した。ここまでの超短距離の被覆除去及び中間めっきを可能にする企業は同社の他には存在しない。貪欲に自社技術の追究を続ける同社の技術を求める声は、海外からも増加の一途だ。近年様々な海外展示会にも出展を始めており、「多心を含む海外からの仕事が増えており、今後の需要はさらに高まりそうだ」と同社の鈴木取締役は語っている。

更に拡大するメタライズの用途

 また、最近は同社が当初思いもよらない最終用途の引き合いが増えているようだ。天然ガスの探索用に地中深くファイバを埋め込む際、耐熱用にファイバにメタライズを施すケース、あるいは医療においてめっきの反射をレーザ治療に利用するケースなど、密着性や固定目的以外にもめっきの様々な利用法があったことは同社にとっても新たな発見だったという。同社の鈴木取締役は「メタライズファイバは、そもそもガラスにはんだ付けさせることを目的として誕生した。その後、光通信業界で需要が広がり始め、海外にもその需要は広がってきたが、最近お客様よりはんだ付けできること以外の特性があるのではないかと気付かされた。今後も、弊社の方からあまり用途を決め打ちしないで、顧客の皆様よりメタライズファイバの可能性を色々御教示頂きたい。強度や反射、耐熱、抗菌、反射など金属で実現できる様々な特長からどのように市場が広がってゆくのかを気付かせてもらいたい」と語る。