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中国の光通信ビジネスを探る【横河計測(旧:横河メータ&インスツルメンツ)】

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 横河計測は光スペクトラムアナライザ「AQ6370シリーズ」を各種展示する。同シリーズは可視光・通信・近赤外波長までカバーする製品ラインアップを揃えており、中国市場でも光通信、バイオメディカル、環境計測など幅広い分野の研究機関や製造ライン向けに実績を伸ばしている。フィールド向けに紹介されるOTDRは豊富なラインナップを誇っており、利用シーンに最適なモデルを選択できる点は、海外市場でも好評を博している。

 今回の注目ソリューションは、光通信用デバイスの製造ラインに特化した光スペクトラムアナライザと光センサヘッドの新製品、そして光波長計を組み合わせた測定ソリューションだ。今年3月に発売された分散分光方式の光スペクトラムアナライザ「AQ6360」は、光通信用半導体レーザや光トランシーバ製造時の試験・検査向けに開発されたモデルであり、ユーザの意見を基に生産ラインに必要なスペックを絞り込んだことで、価格の低減や掃引速度の向上、更には筐体の小型化を実現している。また、今年1月に発売された光センサヘッド「AQ2200-232」は、パワー測定時の不確かさ性能を業界最高クラスの±1.8%で実現。φ5 mmの受光素子を搭載しており、手元での空間光の測定を可能としている。こうした測定ソリューションを同じメーカーの製品で組むことにより、プログラミング体系の親和性やユーザサポートの一元化というメリットも生まれる。特に光スペクトラムアナライザと光波長計を提供できるメーカーは世界的に見ても希少なことから、横河計測の強みとして注目されている。本記事では、この測定ソリューションで提案される各製品について詳しく触れたい。

製造ライン向けに特化した、高速で低価格な光スペアナ

光スペクトラムアナライザ「AQ6360」

 横河計測が製造ライン向けの光スペクトラムアナライザとして洗練した「AQ6360」は、アナログ回路の応答速度を改良したことにより、同社従来比で2倍の掃引速度を実現している。製造ラインではタクトタイムの短縮が生産コストの低減に直結するので、この機能向上は大きな強みだ。一方で、製造ライン向けに機能を厳選したことにより、製品価格は既存の高性能機種より約3割低減しているという。また筐体サイズは4Uに小型化、重量は約15.5kgに軽量化している。製造ラインではPCでの作業がメインとなるので、筐体の物理的なボタンを極力排し、タッチパネルによる扱い易い操作性を実現している。
 各種スペックを見ると、波長範囲は1200~1650nm、波長分解能は0.1~2nm、ダイナミックレンジは55dB、パワー測定範囲は+20~-80dBmなので、製造ラインで求められる水準は満たしている。NF解析機能も備わっているので、EDFAの製造ラインにも利用できる。
 使用環境の変化による波長誤差を自動修正する波長校正機能が搭載されている。波長校正は外部光源だけでなく、オプションにより内蔵することも可能だ。
 横河計測 マーケティング本部 商品企画2部長の森田晋行氏は「製造ラインにおける高速性を重視するお客様は多く、3月にリリースしたばかりの製品ながら、実績が増え始めている」と話す。

業界最高クラスの不確かさ±1.8%を実現した光センサヘッド

光センサヘッド「AQ2200-232」

 光センサヘッド「AQ2200-232」は、シンプルな光学系、受光素子の恒温制御などにより、環境依存度を抑え、パワー測定時の不確かさ性能を業界最高クラスの±1.8%を実現している。レーザパワーの校正用基準器としても使用できる。
 光トランシーバなどの光部品やチップのI-L特性測定では、30dB以上のパワーを高速に測定する必要があるので、単一レンジで測定できるパワーの範囲を30dBに拡大し、I-L特性の高速測定を可能にしたという。また、–90dBmの高感度ながら、近年の光パワーの高出力化に対応するため+15dBmまで対応しているという。
 φ5 mmの受光素子を搭載しており、手元での空間光の測定を可能としている。筐体は光学ケージシステムに固定しやすい小型化を実現しているので、空間光の光軸も組みやすい。データセンタなどの多芯ケーブルにも対応できる。
 今年8月には短波長帯対応モデルとなる「AQ2200-242」も発売しており、こちらも不確かさ性能を業界最高クラスの±2.5%で実現している。

波長確度、光源の寿命、コストパフォーマンスに優れた光波長計

 光波長計「AQ6150」は、光通信に応用される1270~1650nm帯域の光デバイスやシステムの光波長を正確に測定する測定器。最小5GHzの分離分解能で、1入力あたり最大1024波長まで同時に高速かつ正確に測定することが可能だ。ユーザからは、価格を抑えながらも±1pmという高い波長確度を実現している点や、光源の寿命が長いことによる維持コストの低減が高く評価されている。横河計測 マーケティング本部 商品企画2部の渡辺雅彦氏は「入力レベルの変動に対し、瞬時に測定レンジを切り替えて測定できる。iTLAの試験・検査では波長を切り替えながら測定するため、測定時間の大幅短縮につながることから、光トランシーバメーカー様に数多くご採用いただいている」と話す。今回の展示では、この光波長計と、前述の光スペクトラムアナライザや光センサヘッドの新製品を組み合わせたソリューションのデモも予定されているので、製造ラインにおける測定の速さを実際に確認することができる。
 マイケルソン干渉計とハイスピードな高速フーリエ変換(FFT)の採用により、単一波長のレーザ信号だけでなく、DWDMシステムやファブリペローレーザの複数波長のレーザ信号も測定することができる。ITU-Tのグリッドに対するズレを表示する機能や、簡易的なOSNR測定機能も備わっている。
 高確度モデルとなる「AQ6151」もラインアップしており、±0.3pmの波長確度を実現している。こちらは、LDチップの検査、波長可変LDやWDM伝送装置の調整・検査など、厳しい確度が要求される用途にも利用可能だ。

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