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光コネクタ需要動向を探る【扇港産業】

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 扇港産業は、光コネクタの開発力とグローバルなサポート力で通信インフラの発展を支えている企業だ。同社の光コネクタは、品質やコストパフォーマンスだけでなく、ユーザの声を反映した新規開発にも定評がある。例えば2心丸型ケーブル用LC極性変換コネクタ、電気と光ファイバの複合コネクタ、バックプレーンコネクタなどがラインナップされている。
 扇港産業 東京本社営業部は近況について「LC、MPOの販売数量増が2018年の売上増を大きく後押しした。特に海外のモバイル基地局系で採用された防水光コネクタのインパクトが大きかった。5Gサービスの本格化を前に今年も北米や中国をはじめとしたモバイル基地局市場での需要には大いに期待している。また確たる予測は難しいが、DC市場にも継続的な需要の増大を期待している」と話す。

次世代トランシーバや次世代パッチコード向けに注目の高まる「CS コネクタ」や「SN コネクタ」

 次世代光コネクタの需要は、MPOのような多心コネクタ系だけでなく、2心コネクタにも見られる。そこで扇港産業はBeyond 100G向けの次世代コネクタとして、LC2心コネクタと比べて36%の小型化を実現した「CS コネクタ」を提案している。このCSコネクタはQSFP-DD、そしてOSFPの2x100Gや2×200Gアプリケーションでの搭載が具体的になっており、既に両MSAでの採用が決定している。次世代コネクタのデファクトスタンダードとして認知され始めている製品だ。同社は「昨年に続き今年のOFCでも注目を集めた製品だ。今まではDCの双方向2心アプリケーションでの引き合いが中心だったが、それとはまた違ったアプリケーションでも打診を受けるようになっている。ユーザのニーズに合った高密度光コネクタが求められていることを実感している。量産も開始しており、パネル側も多くのメーカーから協賛を得られている状況だ」と話している。

小型化を実現したCS コネクタであれば、LC12心と同じスペースで24心にすることができるので、ハイパースケールDCからエンタープライズまで、様々なシーンでの省スペース化に役立つ。

 また、同社は「OFCでは、CS コネクタを更に小型化したSN コネクタ が、トランシーバーメーカーの400G(100G×4)伝送のライブデモに使用され、参加者の関心を集めていた」と話す。

「SN コネクタ」のスペックとアプリケーション。縦の2心となっている点が特徴だ。同社は「挿抜に関しては、MPOやLCでの高密度実装で採用しているプルタブを無くし、ブーツを引っ張るだけで抜ける新しい機構を採用した。挿抜し易いだけでなく、コネクタ実装後のプルタブが邪魔にならない点でも高評価を得ている」と話す。

通常のLCコネクタ形状のままIP67に準拠

 扇港産業はIP68準拠かつ動作温度が-40℃~+80℃の防水光コネクタとして、MPO、LC、SC、さらに光/電気複合防水コネクタを防水ハウジングに内蔵した製品をラインアップしている。最近の動向としては、北米のモバイル5G向けに2連LCタイプの売れ行きが特に目立つという。
 同社は「これらの製品コンセプトとは別のアプローチによる防水光コネクタとして、防水ハウジングを使わず、通常のLCコネクタ形状のままIP67に準拠する製品を開発した。この製品では、特殊なアダプタの採用やゴムリングの実装などによりで防水性能を実現しており、キャビネットや伝送機器に防水対策を施す必要が無い。主なターゲットとしては、ある程度の防水性が求められる局舎等を想定しており、低コスト化・省スペース化に大いに貢献できる」と話している。

プリント基板上における光コネクティビティ

 光コネクタの需要としては、基板上におけるコネクティビリティもある。機器の高速化が進む中、産業機器の基板では光の融着接続が増えているが、光のコネクティビティならば融着接続に対して作業工程が少なくコストを低減できることから注目が集まっている。同社は「OFCでプリント基板やバックプレーン、シリコンフォトニクスにおけるオプティカルのカップリングを各種展示したところ、大手チップメーカーをはじめ多くの方から、こういう方法もあるのかとご興味を持っていただけた」と話している。

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