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フルーク・ネットワークスがケーブル試験とネットワーク試験を一台で実施できるLANテスターをリリース。産業用イーサネットにも対応【2: LinkIQの各機能】

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 「LinkIQ」は、ケーブルの他端の状態や接続機器に基づいて、1 回のボタン操作で自動的に適切な測定結果を提供する。他端がオープン(開放)のケーブルの場合、ケーブルの長さとワイヤの組み合わせを表示し、ケーブルが付属のリモートIDで終端されている場合、テスト結果はケーブルがサポートできる最大データ・レートを示す。
 また、管理ソフトウェアを使用した簡潔な合否テスト・レポートにより、PoE対応スイッチを含むスイッチの性能を検証することが可能だ。PoE がアドバタイズされている場合は、クラスと電力が表示され、その後スイッチに負荷をかけて実際に電力が供給できることを確認することもできる。
 ここからは、こうしたテスター機能の詳細や、産業用イーサネットにおける必要性を見ていきたい。

信頼できるケーブル・テスト

 「LinkIQ」は305mまでのケーブルの長さを測定することができ、オープン(開放)、ショート(短絡)、および未終端箇所までの距離情報を提供する。リモートIDを使用すると、ケーブル・ペアの完全なワイヤマップ試験が可能になり、誤配線と対分割(スプリット・ペア)の識別の他、配線の遠端の特定にも役立つ。「LinkIQ」は、これらのテストを周波数ベースの測定によって実施する。また、IEEE規格に基づいた測定を行うことで、試験対象リンクが10BASE-Tから10GBASE-T (10Mbps~10Gbps)のケーブル帯域幅の性能要件を満たしているかどうかの合格/不合格を自動判定できる。

ケーブル帯域幅はスピードメーターで表示されるので分かりやすい。高橋氏は「最近はアクセス・ポイントの帯域も2.4Gや4.8G、そして9.6Gと高速化している。現状の配線は1Gが主流だが、今後は2.5G、5G、10Gといったマルチギガビット対応も増えるだろう。そうしたネットワーク環境では、実際に敷設された配線が2.5Gまでしか対応しないのか、10Gまで対応できるのかを判別できることは重要なポイントになる」と説明している。

ネットワークの問題を特定

 「LinkIQ」は、他のツールを使うことなく、最寄りのスイッチの診断ができる。アドバタイズされたデータ・レート(最大 10GBASE-T)、半二重/全二重識別、スイッチ名、ポート番号、およびVLAN情報などのスイッチに関する詳細情報を識別することで、重要なネットワークの問題を早期に特定できる。

測定画面では、ポートの対応速度が一目で分かる。高橋氏は「前述のとおり、今後はマルチギガビットが増えてくるので、ポートの速度の選択肢も増えていく。そこで、接続したポートが何ギガまで対応できるのかを確認できるこの機能が役立つ」と話している。

ケーブルの行先確認

 ケーブルやスイッチの情報を読み込む「LinkIQ」は、ケーブルの接続先を把握することも可能だ。これは、接続先スイッチのポートLEDを点滅させる機能や、ケーブルにトーン信号を流して電界をプローブで拾うといったシンプルな動作で実現できる。
 高橋氏は「例えば、床下に敷設された一本のケーブルが、どのスイッチの何番ポートに繋がっているのか、パッチパネルのどこに繋がっているのかを調べたいという需要は、ネットワークの施工に携わる方々やネットワーク管理に携わる方々から数多く頂いており、この機能を使えば簡単に把握できる」と話している。

プローブは前述のキットに付属している。

詳細なPoEテスト

 PoEはセキュリティ・カメラやアクセス・ポイントなどの機器設置を簡素化する便利な機能だ。だが、800人以上のインストーラ、インテグレータ、エンドユーザを対象としたイーサネット・アライアンスによる調査によると、回答者5人のうち4人(80%)がPoEシステムの統合に苦労していることが判ったという。
 「LinkIQ」は、PoE のインストールとトラブルシューティングを簡単にするために、デュアル・シグネチャ実装用の多様な電力レベルと電源が供給されているペアを表示する。また、スイッチの接続ポートに実際に負荷を与え、アドバタイズされた電力がケーブル・インフラに実際に供給されていることを確認する機能も備わっている。

実負荷試験の画面。この例では、PoEスイッチの設定上(測定画面下のSW Negotiated)は25.5Wの電力を供給できることになっているが、実負荷試験の結果では実際に供給できるのは13.0Wであり、設定と実際の供給能力に差異があることが確認できる。高橋氏は「PoE機器は世の中で広く使われるようになっているので、例えば一台のPoEスイッチに対して多数のネットワークカメラが接続されるケースも今後は増えるだろう。そうなると、各ポートから供給される電力が少なくなってしまう状況が懸念されるので、この実負荷試験が役に立つ」と説明している。

測定結果を文書化

 「LinkIQ」は最大1,000件のテスト結果を保存できる。テスト名と番号は保存されると自動的に増加 (「Annex B-1」、「Annex B-2」、「Annex B-3」など)するため、ケーブルを順番にテストする場合に番号を設定する必要が無く、作業時間を効率化できる。
 レポート・データは、フルーク・ネットワークスの LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアを使用して PC にエクスポートすることでテスト結果の文書化ができる。この管理ソフトウェアは、20 年以上にわたり様々なテスターをサポートし、数万人のアクティブ・ユーザを抱える洗練されたレポート・ソリューションであり、試験結果の保存や PDF レポートの生成にも使用できる。

目次

1:LAN配線の市場動向と課題
2:LinkIQの各機能
3:産業用イーサネットの障害の原因を特定

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