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フルーク・ネットワークスがケーブル試験とネットワーク試験を一台で実施できるLANテスターをリリース。産業用イーサネットにも対応【3: 産業用イーサネットの障害の原因を特定】

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 高橋氏は「HMS社の統計によると、2018年時点で産業用ネットワークの52%がイーサネットをベースに動いている。これが2020年になると64%に増加している。この流れは今後も加速していくだろう」としており、「我々が調べたところ、産業用ネットワークの不具合の原因は配線周り(コネクタやケーブル、過剰な敷設長)だけで40%超という結果が出た。これに加えて、ケーブルの部分でノイズを拾う不具合もある。このように産業用ネットワークにおいても、前述のICTと同様に配線周りが不具合の原因の多くを占める」と警鐘を鳴らす。

 産業用イーサネットをテストする場合、その配線はオフィス等で使われているイーサネットがベースとなっているので、一般的なLANケーブルテスターでも信号を測定できる。だが、ケーブルに成端されたコネクタの種類が問題となる。産業用途のコネクタは、ノイズや振動、粉塵の対策などが施された耐環境性のあるものが使用されているケースが多く、テスター自体がそのコネクタに接続できなければ測定はできない。
 そこで「LinkIQ-IE」では、「マルチ・コネクタ・アダプタ」で差込口を変換する方法を採用している。これにより、Ethernet/IP、PROFINET、EtherCAT、CC-Linkその他産業用イーサネット・プロトコルで使用されるRJ45、M12X、M12D、M8D コネクタとの接続を可能とし、成端されたケーブル上の誤配線やスプリット・ペア(対分割)を特定し、10BASE-T~10GBASE-T(10Mbps~10Gbps) のケーブル帯域幅を検証できるようになる。

「マルチ・コネクタ・アダプタ」。

 高橋氏は「現時点では産業用イーサネットの帯域は1Gが多い。だが、我々としては10Gに対応したこのテスターをICTと産業用イーサネットの両方で使っていただきたいという思いがある。今後、社内ネットワークのシームレス化が進み、オフィスのICTと製造現場の産業用イーサネットの境目はどんどん無くなっていくだろう。オフィスのネットワークの高速化が進み、例えば設計部門の図面や機械制御のプログラムを製造現場に送るといった用途があるのに、産業用ネットワークのエリアは低速のままで良いということにはならない。また、工場内の用途としても、2.5Gのアクセス・ポイントを設置することや、高精細なネットワークカメラの増設による高速化という需要も増えるだろう」と話している。

 産業用ネットワーク配線の国際規格であるISO/IEC11801-3では、既にCat6A(10G)に相当するクラスEaのさらに上位の規格であるクラスFaまで対応している。こうした有線の規格、そしてWi-Fi6やローカル5Gなど10G級の無線といった伝送路の下地があるので、製造現場のDXを実現するアプリケーションでも2.5Gや5G、そして10G環境での利用を想定するものは増えるだろう。また、工場内のネットワーク構築で10G級の無線と有線を比較検討する際、大小様々な機械が並ぶ工場設備環境での無線伝搬における反射等を測定した結果、有線で敷設するというケースも考えられる。そうした将来対応も見据えると、「LinkIQ-IE」は今後の産業用ネットワークを長く支えるテスターとなりそうだ。

目次

1:LAN配線の市場動向と課題
2:LinkIQの各機能
3:産業用イーサネットの障害の原因を特定

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