CiscoとNTT DATAは11月25日(東京＆カリフォルニア州サンノゼ)、グローバル企業のワイヤレス接続へのアクセス方法を変革するためのパートナーシップの拡大を発表した。

　柔軟でコスト効率の高い接続の需要が急増する中、CiscoとNTT DATAは、両社による世界クラスのサポート サービスに裏打ちされた統合ソリューションで対応している。
　両社は「これまで、接続は固定電話を介したオフィス環境の接続に重点を置いてきた。しかし、市場に組み込み SIM (eSIM) が登場したことで、より広い視野で考え、必要な場所にネットワーク接続を安全に提供できる時代が到来した」と説明している。

　CiscoとNTT DATAのパートナーシップ拡大は、柔軟な接続に対する高まる需要に応えるために、企業顧客に卓越した安全で革新的なデジタル サービスを提供するというビジョンを推進する。このパートナーシップでは、当初Ciscoのインフラストラクチャ ソリューションに組み込まれていたCiscoのeSIM テクノロジーを活用する。
　eSIM は NTT DATAのTransatel ネットワークに接続し、顧客はCiscoのアウト・オブ・ザ・ボックスなソリューションをアクティブ化、プロビジョニング、構成できるようになる。これにより、プロビジョニングとセットアップのプロセスがシンプル化され、オンデマンドでどこでも安全なモバイル ブランチを立ち上げることができ、ネットワーク デバイス管理も継続的に強化される。

　CiscoのeSIM テクノロジーは、この変革の礎となり、デジタル接続への道を切り拓く。これにより、企業はネットワークのニーズを簡単に拡張および管理でき、ネットワークが常に接続され、最高のパフォーマンスが得られるように最適化される。

　企業はCiscoのインフラストラクチャをアクティブ化、管理、監視し、180か国でリモートから NTT DATAのTransatelネットワークに接続しながら、シンプルで柔軟な料金プランの恩恵を受けることができる。両社は「この取り組みは、世界中のモバイル ワーカーのデジタル エクスペリエンスを変革することを約束する」としている。

　OmdiaのIoT リサーチ担当プラクティス リードであるAndrew Brown氏は「小売、製造、ホスピタリティ、金融サービスなどの業界では、安全なモバイル ブランチ サービスをすぐに立ち上げる必要があるユースケースが複数ある」とし、「セットアップとインストールのコストを削減し、管理された安全なエンド・ツー・エンド方式でバックアップなどの重要なサービスを提供する必要性は、お客様にとって極めて重要だ。CiscoとNTT DATAのこの統合により、大規模な顧客立ち上げのプロセスがシンプル化および合理化され、固定回線サービスに優れた補完が提供される」とコメントを出している。

　Ciscoのプロバイダ モビリティ担当SVP/GMであるMasum Mir氏は「NTT DATAと協力することで、強化されたセットアップとプロビジョニングのプロセスを通じて、企業が組織を安全に接続するためのより迅速でシンプルかつ便利な方法を実現できると確信している」とし、「このコラボレーションは、オンデマンドSD-WAN、5Gキャリアの高速スケーリング、IoTアプリケーション向けのエッジ コンピューティングなど、様々な価値あるユースケースを提供するため、エンタープライズ市場にとってゲームチェンジャーとなる」とコメントを出している。

　NTT DATAのエッジ サービス担当 グループ EVPであるShahid Ahmed氏は「NTT DATAはCiscoと協力して、エンタープライズ接続とカスタマー エクスペリエンスの新しい基準を設定している」とし、「このパートナーシップは、今日の接続の未来をもたらし、企業がネットワーク管理の複雑さを心配することなく、デジタルトランスフォーメーションの取り組みに集中できるようにする」とコメントを出している。

現代の産業に力を与える
　CiscoとNTT DATAの共同ソリューションとサービスは、下記を含む多くの産業にメリットをもたらすことが想定されている。

金融サービス：支店と臨時拠点の接続のシンプル化された管理と強化されたセキュリティ対策により、中断のないサービス提供を保証する。

小売：ポップアップロケーションと顧客のPoSシステムバックアップ、セキュリティ、モビリティの回復力を高め、オムニチャネル エクスペリエンスを実現する。

ホスピタリティ：複数の場所にわたるセルラー接続管理を一元化およびシンプル化して、シームレスなゲスト エクスペリエンスを実現するとともに、イベント、屋外アクティビティ、システム バックアップに便利で安全な接続を提供する。

製造：遠隔地への迅速かつ安全な展開を可能にするセルフ プロビジョニング接続ソリューションにより、ダウンタイムを削減する。

　IDCのアソシエイト ヴァイスプレジデントであり、ヨーロッパのモビリティ、5G、IoTのリーダーであるAlejandro Cadenas氏は「今日のモバイルおよび分散型企業は、リアルタイムの高品質データにアクセスしてより迅速かつ情報に基づいた意思決定を行うと同時に、運用を簡素化するというプレッシャーに直面している。シームレスで安全かつスケーラブルな接続ソリューションは、コネクテッドワールドでイノベーションと成長を実現するために不可欠だ」とし、「これらの進歩は、高度な接続ソリューションへのアクセスを民主化するという幅広い変化を反映しており、あらゆる規模の組織が機敏かつ自信を持って新たな機会を活用できるようになる」とコメントを出している。