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Cienaの最新調査:サービスプロバイダは、高容量AIサービスとMOFNが収益成長の原動力になると見込んでいるが、ネットワークのアップグレードも必要

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 Cienaは8月25日(メリーランド州フルトン)、同社が実施したサービスプロバイダを対象とした最新調査が、AIを活用したネットワークの収益ポテンシャルを改めて浮き彫りにしたと発表した。

 回答者の90%は、企業、ハイパースケーラー、ネオスケーラーが必要とするAIインフラストラクチャへの接続性を提供する高容量AIネットワークサービスが、今後3~5年間の収益成長を牽引すると予想しており、56%がこれらのサービスを新規収益の主要な源泉として挙げている。マネージド光ファイバネットワーク(MOFN)サービスに対する信頼も同様に高く、96%が今後3年間で分散型AIコンピューティング クラスターの接続から収益を生み出すと予想しており、51%がデータセンタ相互接続(DCI)サービス提供の主要な手段としてMOFNを挙げている。
 一方、サービスプロバイダがAIを活用した新たな収益機会を追求する中で、調査回答者の大多数(88%)は、プレミアムエンタープライズAIサービスレベル契約(SLA)の要求を満たすための光ネットワークのアップグレードの必要性を強く認識していた。さらに、約半数(48%)がこれらのアップグレードは不可欠だと考えており、39%が今後12~18ヶ月以内に必要だと回答している。
 通常のアップグレードで需要を満たせると考えているのは、わずか11%となった。
 Ciena は「AIを活用した機会を最大限に活かすためには、エージェント型AIを含む高度なネットワーク自動化が不可欠だと考えられている(調査回答者の96%が同意)」と説明している。

 CienaがCensuswideと共同で実施した調査では、12か国にわたる1,200人以上の通信事業者、ホールセール事業者、地域サービスプロバイダの専門家を対象に質問を行い、サービスプロバイダがAI関連の収益源拡大に向けた複数の新たな機会を見出していることが明らかになった。

AI推論:回答者のほぼ半数(49%)が、AI推論データセンタの成長により、データセンタ相互接続(DCI)サービスの需要が増加し、新たな収益機会が生まれると考えている。

GPUaaS(GPU as a Service):サービスプロバイダはGPUaaSによる収益獲得に大きなチャンスを見出しており、94%がクラウドおよびネオクラウドプロバイダとの戦略的パートナーシップが成功に不可欠であると考えている。回答者の44%は、収益分配モデルを主要な市場開拓戦略として採用する予定だ。

日常生活におけるAIの活用:日常生活におけるAIの利用拡大は、サービスプロバイダにとって新たな収益機会をもたらしている。回答者のほぼ全員(95%)が、没入型でAIを活用したエンターテインメントが今後3年間で新たな収益源に貢献すると考えている。回答者の約3分の1(29%)が、スマートグラスやヘルストラッカーなどのAIウェアラブルデバイスやパーソナルデバイスを、プレミアムサービス収益を牽引する主要な消費者向けハードウェアカテゴリとして挙げた。

ネットワークエッジ:調査対象となったサービスプロバイダの39%は、エッジコンピューティング、GPUaaS、ローカライズされたAI推論など、ネットワークエッジでホストされるサービスが今後3年間で企業収益の20%以上を占めると考えており、88%は少なくとも10%を占めると予測している。

フィジカルAI:回答者の約3分の2(60%)は、産業用ロボットや遠隔制御システムなどのフィジカルAIエコシステムが、今後5年以内に企業AI収益全体の15%以上を占めると予測している。

 本調査では、収益機会にとどまらず、AIがネットワークパフォーマンスやクラウド接続からセキュリティ、新たなサービス提供モデルに至るまで、サービスプロバイダの優先事項をどのように変革しているかを明らかにしている。
 その他の調査結果は以下のとおり。

帯域幅だけでなく信頼性も重視:AIワークロードはビジネスプロセスにとってますます重要になっており、それらを支えるネットワークは、アプリケーションを円滑に稼働させるために、常に高性能な接続を提供できる必要がある。サービスプロバイダの35%は、保証されたパフォーマンス安定性と低ジッターを含むネットワークの一貫性を、プレミアムサービス提供による収益化の最大のチャンスと捉えている。

AIインフラストラクチャのスケールアクロス化の台頭:電力制約により単一キャンパスでのデータセンタ拡張が制限される中、ハイパースケーラーは分散拠点にコンピューティング能力を拡張している。これらの施設は緊密に統合される必要があり、超高速同期通信が不可欠だ。大規模な最先端モデルの分散同期トレーニングの場合、これらの接続は数十ペタbpsに達し、最大数百本の光ファイバペアを並列でフル稼働させる必要がある。回答者の95%が、ハイパースケーラーのスケールアクロス化需要がホールセール収益の成長に大きく貢献すると考えている。

マルチクラウドエンタープライズ環境における収益促進要因:サービスプロバイダは、主要な収益促進要因として、動的な接続モデルへと移行しつつある。マルチクラウド接続管理(56%)と従量課金制帯域幅サービス(50%)が最も高い割合を占め、従来の固定容量サービス(38%)を上回っている。さらに、47%の企業がAI処理のためにクラウド環境間で大規模なデータセットを移動させることで、高容量かつ柔軟なクラウド接続への需要が高まると予測している。

量子耐性暗号化は不可欠:セキュアなネットワークは依然として最優先事項であり、量子耐性技術は、AIドリブンの需要に対応するためにネットワークを準備するサービスプロバイダにとって重要な焦点となっている。回答者の半数以上(51%)が、量子鍵配送(QKD)で保護されたリンクやPQC対応のマネージドセキュリティなど、商用量子耐性暗号化サービスを既に開始しているか、12ヶ月以内に開始する予定であると回答している。さらに48%が開発または評価の初期段階にあり、量子コンピュータの脅威への備えの重要性を強調している。さらに、「高度な物理セキュリティおよびサイバーセキュリティ」機能が、国家ネットワークインフラの主要な商業的推進要因として挙げられた。

 Cienaの最高製品・技術責任者であるBrodie Gage氏は「調査結果は、サービスプロバイダがAIに対して楽観的かつ緊急性をもって取り組んでいることを示している」とし、「サービスプロバイダは、AI推論、GPUaaS(GPU as a Service)、大容量ネットワークサービス、量子耐性暗号化といった分野に大きなビジネスチャンスを見出しており、同時に、多くの既存ネットワークが新たなパフォーマンス要件を満たすために進化する必要があることを認識している。AIは新たな収益源を生み出しており、その成功は、それらを支えるネットワーク基盤の構築にかかっている、というメッセージは明確だ」とコメントを出している。

調査方法
 本調査は、Censuswideが通信事業者、ホールセール光ファイバネットワーク事業者、地域サービスプロバイダ各社1,200社を対象に実施した。調査は、米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、英国、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オーストラリア、インド、ベトナム、インドネシア、シンガポールの12か国で実施された(各市場100社)。このデータは2026年7月13日から7月23日にかけて収集された。Censuswideは市場調査協会(MRS)および英国世論調査評議会(BPC)の会員であり、グローバルデータ品質誓約の署名者であり、MRS行動規範およびESOMAR原則を遵守している。

編集部備考

「AI」は通信事業者にとって、新たな収益源になり始めている

 これまで通信業界では、AIによるデータトラフィックの増加に関して、「ネットワークへの負荷」という側面から語られることもあった。対して今回の調査で注目したいのは、通信事業者自身がAIを「新たな収益源」として明確に捉えている点だ。調査では90%が、高容量のAIネットワークサービスを今後3~5年の収益成長の主要因と回答し、56%は新規収益の最大の源泉になると見ている。

 背景にあるのは、AIの利用拡大によって通信そのものの価値が変わりつつあることだ。生成AIの学習や推論では、GPUを集約したデータセンタと企業、エッジ拠点などの間で大量のデータを高速かつ低遅延でやり取りする必要がある。さらにAI推論が分散化すれば、データセンタ間接続(DCI)だけでなく、エッジコンピューティングやローカルなAI処理を支えるネットワークにも新たな需要が生まれる。今回の調査でも49%がAI推論データセンタの拡大によるDCI需要を新たな収益機会と捉えている。

 これは、通信事業者の役割が「通信量を運ぶ事業者」から、「AIコンピューティングを結び付けるインフラ事業者」へ広がることを意味する。MOFNについても、96%が今後3年間で分散するAIコンピューティング クラスターを接続する収益機会になると見ている。

 つまりAI時代には、通信トラフィックの増加そのものではなく、AIが必要とする高容量・低遅延・高信頼の接続を、どのようなサービスとして提供するかが通信事業者の新たな収益機会になる。AIは通信事業者にとって、「ネットワーク需要の増加要因」だけでなく、「ネットワークそのものを新しいサービスとして再定義する契機」へ変わり始めている。

「AI通信」の本当の競争力は、帯域だけではなくネットワークをどう運用するかに移る

 もっとも、AI関連の通信需要が増えるからといって、単純にネットワークを高速化すれば新たな収益を獲得できるわけではない。むしろ今回の調査から見えてくるのは、AI時代の通信ネットワークでは「どれだけ帯域を持っているか」と同じくらい、「その帯域をどれだけ効率的に運用できるか」が重要になるということだ。

 AIワークロードは、従来の通信サービスとは異なり、データセンタ間で大量のデータを継続的に交換するケースだけでなく、学習、推論、エッジ処理などによって通信需要の場所や時間が大きく変化する。そのため、固定的に設備を増強するだけでは、需要の変化に対して十分な効率性を確保できない。必要なのは、ネットワークの状態をリアルタイムに把握し、トラフィックや障害、利用状況に応じて経路やリソースを動的に最適化する仕組みだ。
 今回の調査で96%が、AI関連の収益機会を取り込むために高度なネットワーク自動化を重要視していることは、この変化を象徴している。 特にエージェント型AIのような技術がネットワーク運用に組み込まれれば、従来の「人間が監視し、設定を変更する」という運用から、ネットワーク自身が状況を分析し、最適な経路やリソース配分を判断する方向へ進む可能性がある。

 ここで重要なのは、AIがネットワークの「利用者」であるだけでなく、ネットワークを運用する側にも入り込んでくることだ。AIによってネットワーク需要が増え、そのネットワークをAIによって最適化するという循環が生まれる。

 そう考えると、AI時代の通信事業者の競争力は、単純な「400G、800G、1.6T」といった伝送容量の競争だけでは測れなくなる。ネットワークの状態をどれだけ把握し、予測し、動的に制御できるかの重要性が増していくだろう。そして、そこに自社が蓄積してきたネットワーク運用のノウハウをどれだけ組み込めるか。AI時代の通信インフラでは、「帯域」から「運用能力」へ競争軸が広がりつつある。

「AIで稼げる」と分かっても、ネットワーク投資が先行するというジレンマ

 ここまでを見ると、AIは通信事業者にとって非常に魅力的な成長市場に見える。しかし、今回の調査で重要なのは、「AIによる収益拡大への期待そのもの」だけではなく、その収益を獲得するためには「先にネットワークへ大規模な投資をしなければならない」という現実ではないだろうか。

 調査では88%がAI向けのプレミアムな企業向け接続サービスを提供するため、光ネットワークのアップグレードに強い緊急性を感じている。48%はアップグレードを「critical」と捉え、39%は12~18カ月以内に必要と回答した。逆に、通常の更新だけでAI需要に対応できると考える回答者は11%にとどまる。
 つまり通信事業者は、「AIによって需要が増えるから設備投資をする」というより、「AIによる新たな収益を取り込むために、収益が本格化する前から設備投資をしなければならない」という状況に置かれている。

 これは通信業界にとって決して小さな問題ではない。AI向けネットワークでは、容量増強だけでなく、データセンタ間を結ぶ光ネットワーク、エッジ拠点、低遅延化、冗長性、ネットワーク自動化など、複数の領域への投資が必要になる。その一方で、AI需要がどの地域、どの企業、どの用途から、どの程度の速度で立ち上がるのかは必ずしも明確ではない。
 したがって今後の通信事業者に問われるのは、「AIネットワークへ投資するか否か」ではなく、「どこに、どのタイミングで、どこまで投資するか」という判断になるだろう。AI需要を先読みして過剰投資すれば資本効率が悪化し、逆に投資を遅らせれば、AIインフラを必要とする企業やクラウド事業者を他社に奪われる可能性がある。
 これは、従来の通信設備投資以上に難しい判断になる可能性がある。だからこそ、今後は単純な設備保有量ではなく、AI需要を見極め、必要な場所へ先行投資し、その設備を高い効率で運用して収益へ転換する能力が通信事業者の競争力になるのではないか。

 今回の調査が示しているのは、AIが通信事業者に新たな成長機会をもたらすという楽観論だけではない。むしろ、AI時代の通信事業者は、「収益機会が見えているからこそ、先にリスクを取ってインフラへ投資しなければならない」という新たな経営課題に直面している。

(OPTCOM編集部)