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1&1 Versatelが、統合接続ポートフォリオによる次世代B2Bマネージドサービスをサポートするソリューションとして、Ekinopsを選択

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 Ekinopsは9月7日(パリ)、ドイツのデュッセルドルフに本社を置き、全国規模の光ファイバネットワークを展開するB2B通信事業者である1&1 Versatel GmbHが、Ekinopsの接続ポートフォリオの導入を開始したことを発表した。

 この提携の中核となるのは、ルータなどの最新の顧客宅内機器(CPE)デバイスだ。これらのデバイスは、複数のサービスを中央プラットフォームに統合する。これにより、顧客は設置機器の削減、運用負担の軽減、そして新規サービスの導入の大幅な容易化を実現できる。新世代デバイスは、接続における最大限の柔軟性を提供する。光ファイバに加え、DSLやモバイル接続にも対応可能だ。

 Ekinopsは「欧州メーカーとして、当社はデータ保護とデータ主権に関する最高水準の要件を満たしている。最新の高性能暗号化規格により、機密性の高い企業データは確実に保護される。新しいCPEモデルは、エネルギー効率が大幅に向上している点も特長だ。Versatelがこれまで使用してきたソリューションと比較して、平均で約35%のエネルギー消費量を削減している。これは運用コストの削減に貢献するだけでなく、1&1 Versatelとその顧客のサステナビリティ目標の達成にも役立つ」と説明している。

 また、最大10Gbpsの接続速度を実現し、セキュアな音声サービス、インターネット、イーサネット接続、仮想プライベートネットワーク(VPN)といった高速サービスを柔軟に利用できる。

 1&1 VersatelのCTOであるMartin Fischer氏は「EkinopsのCPEソリューションは当社のニーズに合わせてカスタマイズされているため、サービス提供を体系的に発展させながら、同時に持続的なコスト削減を実現している。使用するCPEモデル数を削減することで、柔軟性が向上し、デバイス ライフサイクル全体にわたる管理がシンプル化され、顧客体験も向上する」とコメントを出している。

 EkinopsのEMEAおよびAPAC担当最高収益責任者であるFrank Dedobbeleer氏は「1&1 Versatelが、最新のマネージドサービス提供を拡大しながら業務をシンプル化しようとする意欲は、まさにEkinopsソリューションが対応するために設計された変革そのものだ」とし、「Layer 2とLayer 3の要件を1つのベンダに任せ、複数の機能を単一のデバイスと統合ソフトウェアで提供することで、1&1 Versatelはサービスの展開を加速し、複雑さを軽減し、光ファイバ、DSL、5Gに対応したエンタープライズ接続のための拡張可能な基盤を構築できる」とコメントを出している。

編集部備考

「通信サービスの多様化」と「ネットワーク運用のシンプル化」はセットになる

 今回の発表で注目したいのは、1&1 Versatelが新しいCPEを導入するにあたり、B2B向け通信サービスの多様化とネットワーク運用のシンプル化を同時に進めようとしている点だ。企業向けネットワークでは、インターネット接続だけでなく、Ethernet、VPN、音声、セキュリティなど、顧客ごとに異なるサービスを組み合わせて提供することが求められるようになっている。さらにアクセス回線も光ファイバだけではなく、DSLやモバイルなど、拠点の環境や用途に応じた選択肢が必要になる。

 しかし、サービスやアクセス方式が増えるたびに専用のCPEやネットワーク機器を用意していけば、通信事業者側の設計、調達、設定、保守、障害対応といった運用負荷は増大する。サービスの多様化が、そのままネットワークの複雑化につながってしまうからだ。

 今回の1&1 VersatelとEkinopsの取り組みは、この問題に対して、「提供するサービスは増やすが、それを支える機器や運用体系は増やさない」というアプローチで解決を図っているように見える。複数のサービスを一つのCPEに集約し、光、DSL、モバイルという異なるアクセス方式にも対応することで、顧客側の機器数を減らすだけでなく、通信事業者側の運用パターンも整理できる。

 こうした流れにあるB2B通信市場において、通信事業者は多様なサービスを提供しながら、その裏側のネットワークをいかにシンプルに保つかが、今後ますます重要になってくるだろう。
 AIやクラウドの普及によって企業の通信ニーズがさらに多様化すれば、この傾向は強まる。そう考えると、今回のCPE統合は機器更新というより、「サービスの多様化」と「ネットワーク運用のシンプル化」を両立させるための基盤づくりとして見るべきではないだろうか。

「機器の機能を集約して減らすこと」が通信事業者の競争力になる

 では、なぜ通信事業者はネットワークの「シンプル化」を重視するのか。その理由の一つは、複雑化するネットワーク環境において、機器の機能を集約して減らすことそのものの経営上のメリットが高まっているからだ。

 今回、1&1 VersatelはEkinopsのCPEを採用することで、利用するCPEモデル数を削減するとしている。同社CTOも、モデル数を減らすことで柔軟性を高め、デバイスのライフサイクル全体にわたる管理をシンプル化し、顧客体験を改善できると説明している。また、新しいCPEは従来のソリューションと比べて平均約35%の省電力を実現するという。

 ここで重要なのは、機器の集約によるメリットが、「設置台数の削減」だけにとどまらないことだ。CPEの種類が少なくなれば、調達する機器の種類を絞り込める。設定や保守の手順も標準化しやすくなる。障害対応や交換作業も効率化でき、さらに機器のソフトウェア更新やライフサイクル管理も統一しやすくなる。つまり、ネットワーク機器の標準化が、そのまま運用コストの構造を変える可能性がある。

 通信事業者にとって、これはB2B市場で重要だ。企業顧客は個々の拠点や用途に応じて異なるサービスを要求するため、契約数が増えるほどネットワーク運用は複雑になりやすい。そこで、顧客ごとのサービスは柔軟に組み合わせながら、その下で動くCPEやソフトウェア、運用プロセスは可能な限り共通化する。この「顧客から見える部分は多様化し、事業者から見える部分は標準化する」という構造が、今後のB2B通信サービスでは重要性が高まるのではないか。

 しかも、通信事業者が競争する市場では、単純な回線速度や料金だけで差別化することは難しい。そうなると、サービスを迅速に提供できること、障害復旧や機器交換を効率化できること、そしてサービスを追加しても運用コストを増やしにくいことが、競争力になってくる。

 今回の取り組みは、「高機能なネットワークを構築する」だけでなく、「複雑なネットワークを効率よく運用できるシンプルな構造を作る」ことが通信事業者の経営課題になっていることを示す事例とも言えそうだ。

B2Bネットワークにおける「マルチアクセス」の利便性

 そして、今回の取り組みをもう一段先まで考えると、B2Bネットワークにおける「マルチアクセス」という考え方の重要性が見えてくる。
 今回のEkinopsのCPEは、光ファイバだけでなくDSLやモバイルにも対応する。さらに最大10Gbpsの接続に加え、セキュアな音声、インターネット、Ethernet、VPNなど複数のサービスを扱える。つまり、顧客拠点に「どの回線を引くか」を個別に決め、それぞれに異なる機器を用意するのではなく、複数のアクセス方式を共通のCPEとサービス基盤から扱うという発想だ。

 これは企業ネットワークの現実を考えれば、合理的な方向でもある。すべての拠点に光ファイバを用意できるとは限らない。また、光回線を主回線としながら、障害時のバックアップとして4G/5Gを利用するケースも考えられる。あるいは、拠点の重要度や立地条件によって、光、モバイルなどを使い分けることもできる。
 このとき重要なのは、アクセス方式の違いを顧客や通信事業者の運用上の「違い」にしないことだろう。光でもモバイルでも、その上で提供されるインターネット、VPN、SD-WANなどのサービスを同じように管理できれば、通信事業者はアクセス回線の選択肢を増やしながら、運用の複雑化を抑えられる。

 さらに今後は、5Gだけでなく、将来的な6Gや衛星通信なども含め、企業拠点をネットワークへ接続する手段はさらに多様化する可能性がある。そうなれば、通信事業者にとって重要なのは「光かモバイルか」という二者択一ではなく、顧客の要求に応じて複数のアクセスを組み合わせ、それを一つの通信サービスとして提供・運用する能力になる。

 今回のCPE統合は、そのための一つの具体的なアプローチと見ることができる。通信ネットワークの進化というと、より高速な光回線や5G、6Gといった「アクセス技術」に目が向きやすい。しかしB2B市場では、どのアクセス技術を使うか以上に、異なるアクセスを意識させず、一つのサービスとして提供できることが重要になっていくのではないだろうか。

「マルチアクセス」の将来性

 こうした、複数のアクセス方式を束ね、それを一つのサービスとして運用するという考え方は、今後のB2Bネットワークにおいて更に重要な基盤になっていく可能性がある。

 今後、エージェント型AIを搭載した企業向け機器や、フィジカルAIを活用したロボット、産業機器などが普及すれば、企業ネットワークに接続される機器やシステムはさらに多様化していくと考えられる。その際、接続する機器が増えるたびにネットワークの運用も複雑化するのであれば、AIによって生産性を高める一方で、通信インフラの運用負荷が新たなボトルネックになりかねない。

 だからこそ、アクセス方式の違いを意識させず、複数の接続手段を共通の仕組みで管理できる「マルチアクセス」と、機器やサービスが増えても運用を複雑化させない「シンプル化」は、今後さらに重要性を増していくのではないだろうか。

 今回の1&1 VersatelとEkinopsの取り組みのニュースは、そうした将来のネットワークを直接実現する展望を示したものではない。しかし、通信サービスや接続機器が増え続けることを前提に、ネットワークの裏側をいかにシンプルに保つかという考え方において、将来の企業ネットワークにもつながる一つの方向性を示しているように見える。

(OPTCOM編集部)