Telxiusが、Nokiaの800Gコヒーレント・プラガブル導入でグローバルネットワークの容量と効率を向上
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TelxiusとNokiaは9月15日(スペイン マドリード & フィンランド エスポー)、欧州、米国、ラテンアメリカにおけるTelxiusの陸上伝送ネットワーク全体に800Gコヒーレント・プラガブル光モジュールを導入するために協力していると発表した。
この導入は、主要な国際ネットワーク回廊における拡張性と高容量接続に対する顧客ニーズの高まりに対応し、Telxiusネットワークの継続的な進化を支えるものとなる。
クラウドサービス、AIワークロード、データセンタ間の相互接続は、グローバルネットワークにおけるトラフィックの急速な増加を牽引し、通信事業者にとって大きなプレッシャーとなっている。Telxiusは、NokiaのICE-X 800G ZR/ZR+コヒーレント・プラガブル技術を活用し、IP over DWDMネットワークによって既設の地上インフラストラクチャの容量を増強すると同時に、ネットワーク拡張に必要な電力とスペースを削減する。両社は「これにより、ネットワーク効率が向上し、運用がシンプル化され、顧客に堅牢で高性能な接続を提供できるようになる」としている。
今回の導入では、Nokiaのネットワーク自動化技術も活用し、Telxiusの光伝送ネットワーク全体における可視性と制御性を向上させている。これにより、完全な可視性、障害およびパフォーマンス監視、そして連携したサービスプロビジョニングが可能となり、Telxiusの顧客にとってより迅速な運用と予測可能なサービス品質を実現する。
この取り組みは、NokiaとTelxiusが最近BRUSA海底ケーブルシステム上でICE-X 800G ZR+コヒーレント・プラガブル光伝送技術を実証し、業界記録を更新したことに基づいている。この実証実験では、5,600kmを超える距離で波長あたり400Gbpsの伝送速度を実現し、この技術が超長距離海底インフラだけでなく地上ネットワークにも対応できることを実証した。
Telxiusの最高技術・情報責任者であるJesús María Rubio「Telxiusでは、世界の主要なデジタル回廊において、お客様が必要とする高容量、高回復力、そしてエネルギー効率の高い接続性を提供するために、国際ネットワークの継続的なアップグレードに取り組んでいる。今回の導入は、BRUSA海底での試験成功と相まって、Telxiusが光技術革新の最前線に立つ地位を確固たるものにするものだ。これは、特に顧客とグローバルネットワークに明確なメリットをもたらす先進技術を早期に導入するという当社のコミットメントを示すものだ」。
Nokiaの光ネットワーク担当SVP 兼 ゼネラルマネージャーであるRon Johnson氏は「AIワークロードがハイパースケールデータセンタとグローバルネットワーク ハブ間のトラフィックをかつてないほど増加させる中、通信事業者は拡張性、効率性、運用上の簡便性を兼ね備えた伝送ソリューションを必要としている。NokiaのICE-X 800G ZR+コヒーレント・プラガブル技術とネットワーク自動化ソリューションを活用することで、Telxiusは陸上インフラ全体で効率的に容量を拡張し、データセンタ間の相互接続と陸上ネットワークと海底ネットワーク間のシームレスな接続のための高性能基盤を構築できる」とコメントを出している。
編集部備考
AIスーパーサイクルによって、プラガブルが持つ“柔軟に容量を増やせる長所”の経営的価値が高まる
クラウドやAI、データセンタ間接続の需要拡大によって、国際通信ネットワークにはこれまで以上の大容量化が求められている。今回のニュースは、光通信の歴史において長く使われてきた「プラガブル」というアプローチが、NokiaのICE-Xのようなコヒーレント技術と融合することで、AIスーパーサイクルを支えるネットワークアーキテクチャとして、その価値を改めて高めつつあることを示す事例といえる。
Telxiusは欧州、米国、ラテンアメリカの既存の陸上ネットワークに、Nokiaの800G ZR/ZR+コヒーレント・プラガブルを導入し、IP-over-DWDMによって容量を増強する。ポイントは、新たな伝送設備を大規模に増設するのではなく、既設インフラを活用しながら容量を高め、消費電力や設置スペース、ネットワーク拡張コストの抑制も狙っていることだ。
AIによってネットワーク需要が急速に変化する時代には、将来の需要を見越して巨大な専用設備を一度に構築するよりも、需要の発生した場所に合わせて伝送能力を段階的に追加できることの価値が高まる。つまりAIスーパーサイクルにおいて求められているのは、シンプルな「高速化」だけではない。増え続ける需要に対して、優先順位の高いネットワークをどれだけ速く、柔軟かつ経済的に拡張できるかという能力を向上させるためにも、プラガブルモジュールや、それと組み合わせる技術の重要度は今後も高まっていくだろう。
コヒーレント・プラガブルが変える「IPと光」の境界
今回、800G ZR/ZR+という先進性もさることながら、光伝送機能をプラガブルモジュールとしてIPネットワークに組み込むことで、IPと光の境界が薄くなっている点にも改めて注目したい。
従来、IPネットワークと光伝送ネットワークは、それぞれ専用の装置や運用体系を持つ別のレイヤとして構築されることが多かった。これに対して、ここ数年活況なIP-over-DWDMでは、コヒーレント・プラガブルをルータなどに直接搭載することで、IP機器側から光伝送機能を扱いやすくしている。Nokiaも800G ZR/ZR+について、ルータへの直接搭載やマルチベンダ環境での相互運用性を訴求している。
IP-over-DWDMを取り巻く環境も改善している。以前であれば、ホスト機器やOSを含む運用・互換性の面で、専用トランスポンダからの置き換えに課題があった。だが現在、OIFが策定するCMISなど、ホスト機器と光モジュールを連携させる標準仕様は成熟し、高出力のコヒーレント・プラガブルも普及してきた。NokiaのICE-Xも0dBmクラスの出力に対応し、ホスト機器側の制約を抑えながら、従来の光伝送装置が担ってきた機能をプラガブル側に取り込んでいる。さらに、Transcend Network Automation SuiteやNetwork Services Platform(NSP)のような管理・オーケストレーションツールも、IPと光をまたいだ可視化、プロビジョニング、障害対応、ワークフロー自動化へと進化している。つまり、IP-over-DWDMの「技術」や「ツール」は、かなり整ってきたと見ることができる。
IP-over-DWDMが洗練されていくことは、AI時代のネットワークにとっても意味が大きい。AIデータセンタ間通信では、短距離のDCIからメトロ、長距離、さらに海底ケーブルまで、異なる距離・環境をまたいで大容量の通信を効率よく収容する必要がある。Nokiaの800G ZR/ZR+も、DCIやメトロだけでなく長距離・海底用途まで適用領域を広げている。
つまり、光ネットワークは「IPネットワークの下にある伝送基盤」という位置付けから、IPネットワークとの一体化を進めながら、必要な場所に必要な伝送能力を柔軟に配置する存在へと変わりつつある。




