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Optusが、EricssonのIndoor Fusionで屋内5Gカバレッジを強化

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 OptusとEricssonは10月14日、EricssonのIndoor Fusion 8828ソリューションをオーストラリアで初めて導入し、屋内4Gおよび5Gカバレッジの強化において新たな基準を打ち立てたと発表した。

 これにより、Optusの顧客はより優れた屋内接続環境を利用できるようになる。
 コフスハーバーのOptus店舗への導入では、Ericsson Indoor Fusion Unit 8828(ショッピングセンターや病院などの人通りの多い屋内施設、小売店や倉庫などの中小規模の事業所向けに設計されたコンパクトな5G屋内ソリューション)と、Ericsson Radio Dot 4455分散アンテナシステムを組み合わせている。1台のユニットで最大8台のRadio Dotをサポートし、最大8,000平方メートルをカバーする。

 OptusとEricssonは「モバイルデータ通信の80%以上が屋内で行われている現在、強力な屋内カバレッジは消費者と企業の両方にとってますます重要になっている。Indoor Fusion UnitとRadio Dot Systemは連携して、Optusの3.5GHz、2.1GHz、1.8GHz帯域全体で4Gおよび5Gサービスをサポートし、従来の分散アンテナシステムが実用的でない場所でもカバレッジと容量を向上させる。このソリューションのコンパクトな設計により、様々なタイプの施設への迅速な導入が可能となり、これらの場所を訪れる、働く、または取引を行う顧客に対し、より安定したモバイル体験を提供する。具体的には、より信頼性の高い音声通話、ストリーミング、モバイル決済などが含まれる」と説明している。

 中小規模の屋内施設向けに設計されたEricssonの屋内フュージョンユニット8828は、AC電源駆動のマルチオペレータ対応5Gソリューションであり、ベースバンドと屋内無線ユニットを統合している。壁面への簡単な設置を想定して設計されており、迅速かつコスト効率よく導入することで、屋内の5Gカバレッジと容量を迅速に強化できる。

 今回の新たな展開は、EricssonとOptusの継続的なパートナーシップにおける最新の協力事例であり、2024年にはEricssonのマルチオペレータ5G Radio Dot Systemが導入された。さらに最近では、両チームはAIを活用して困難なネットワーク環境に動的に対応し、5Gダウンリンク性能を向上させるためのトライアルで協力している。

 OptusのCTOであるSri Amirthalingam氏は「オーストラリアの人々のモバイル接続の利用方法は進化を続けており、屋内での活動がこれまで以上に増加している。Optusは、革新的なネットワークソリューションを通じて、新たな接続課題の解決に注力している。EricssonのIndoor Fusionは、お客様が仕事、勉強、買い物、サービス利用などでますます利用する屋内空間において、より強力な屋内カバレッジとパフォーマンスを提供し、お客様が最も必要な時に必要な場所で接続を維持できるよう支援する」とコメントを出している。

 Ericssonのオーストラリア・ニュージーランド責任者であるLudvig Landgren氏は「屋内でのネットワークアクセスは、オーストラリアの企業とその顧客にとって非常に重要だ。Optusとのこのパートナーシップにより、Ericssonの、Ericsson Indoor Fusion Unit 8828と当社のRadio Dot SystemをOptusの顧客に提供することで、様々な屋内の場所に効率的に展開できるように設計されたコンパクトなソリューションを通じて、包括的なマルチキャリア5Gカバレッジを実現する。最終的には、Optusの顧客とオーストラリアの企業が、最も必要な場所で、より強力で信頼性の高い接続を利用できるようになるだろう」とコメントを出している。

編集部備考

屋内5Gの普及を左右する、設備構成と導入経済性

 屋内の通信環境を改善するには、無線性能の向上だけでなく、設備の導入や運用にかかる負担を抑えることも重要になる。Ericssonと豪通信事業者Optusが発表した屋内5Gソリューション「Indoor Fusion Unit 8828」の導入は、こうした観点から捉えられる。
 今回、Optusの店舗に導入されたのは、Indoor Fusion Unit 8828と分散アンテナシステム「Radio Dot 4455」を組み合わせた構成だ。Indoor Fusion Unit 8828は、ベースバンド機能と屋内無線ユニットを統合した小型装置で、最大8台のRadio Dotを接続し、最大8000平方メートルをカバーできる。従来型の分散アンテナシステムでは適用が難しい場所にも、屋内の通信容量やカバレッジを提供することをめざしている。

 屋内通信の整備が重要なのは、建物の構造や壁材などによって屋外からの電波が減衰し、通信品質が低下する場合があるためだ。特に、商業施設や病院、店舗、倉庫などでは、施設内の利用者に安定した通信環境を提供する必要がある。一方、こうした施設のすべてに大規模な屋内設備を導入することが、経済的に合理的とは限らない。設備の設置スペースや配線、工事などに伴う負担が大きければ、通信環境を改善する必要性があっても、投資の優先順位が上がらない可能性がある。

 ここで注目したいのが、ベースバンドと屋内無線ユニットの統合や、壁面への設置を想定したコンパクトな設計だ。設備構成をシンプル化し、設置作業を容易にできれば、導入に伴う負担を抑えながら、より多様な施設へ展開できる余地が生まれる。これはただ設置場所を小さくするという話ではなく、屋内ネットワークを構築する際の条件そのものを変える取り組みといえる。

 今回の発表では、従来方式と比べた導入費用や運用費用の削減率は明らかにされていない。そのため、設備の小型化がどの程度の経済効果をもたらすかは、実際の導入条件を踏まえて評価する必要がある。
 それでも、屋内5Gの普及を考えるうえでは、最高水準の通信性能を実現することだけでなく、必要な性能を適切な設備構成で提供できることが重要になる。大規模施設向けの設備をそのまま小規模施設に適用するのではなく、施設の規模や用途に応じた選択肢を用意することが、屋内ネットワークの整備対象を広げる一つの条件になるだろう。

設備共有と競争の両立。マルチオペレータ対応が持つ意味

 屋内ネットワークの整備では、設備の導入コストと並んで、通信事業者ごとに設備を構築する必要があるのかという問題も重要になる。EricssonのIndoor Fusion Unit 8828が備えるマルチオペレータ対応は、屋内設備の共用という観点から注目できる特徴だ。

 通信事業者は、それぞれの周波数帯や基地局設備を利用して通信サービスを提供している。しかし、複数の事業者の利用者が訪れる商業施設やオフィスなどで、各事業者が独立して屋内設備を整備することが、必ずしも効率的とは限らない。設備を個別に設置すれば、工事や設置スペースの確保が重複する可能性があり、施設側にも調整や管理の負担が生じる。
 マルチオペレータ対応の屋内設備であれば、共通の設備基盤を活用しながら、複数の通信事業者のサービスを提供する構成が可能になる。今回のソリューションは、Optusの3.5GHz、2.1GHz、1.8GHz帯を利用する4G・5Gサービスに対応しており、屋内のカバレッジと通信容量を改善することをめざしている。本ニュース内で他キャリアとの共同利用が予定されているかは明らかにされていないが、設備の小型化によって導入対象を広げると同時に、複数事業者で設備を共有できる選択肢を確保することは、屋内ネットワークの整備効率を高めるうえで意味を持つ。

 ここで重要なのは、設備の共有と通信サービスの統合を区別することだ。屋内設備を共用しても、各通信事業者が提供するサービスまで一体化するわけではない。通信事業者は、それぞれのサービスや顧客基盤を通じて競争を続けながら、共通化できる設備部分では投資や運用の効率化を図ることができる。
 つまり、すべての設備を個別に保有することだけが競争力につながるわけではない。サービスの差別化に直結する領域と、共通化による効率化が可能な領域を切り分けることも、ネットワーク構築の選択肢になる。

 この考え方は、屋内5Gに限ったものではない。通信インフラの整備には多額の投資が必要となる一方、利用者に提供するサービスの品質や利便性を高めるには、設備の維持・拡張も継続しなければならない。競争上の必要性から設備を個別に構築する場合と、共有によって合理化する場合を適切に使い分けることが、投資効率とサービス競争力の両立につながる可能性がある。

 もちろん、設備共有が常に最適とは限らない。施設の規模や通信需要、周波数の利用条件、各事業者の設備構成などによって、適した方式は異なる。それでも、屋内5Gの普及を考える際に、複数の事業者がどの部分を共有し、どの部分で独自性を維持するかという設計思想を選択肢として持つことは重要だ。マルチオペレータ対応は、競争と協調を二者択一とせず、両立させるためのインフラ構築手法の一つといえるだろう。

屋内ネットワークの整備・運用を誰が担うのか

 マルチオペレータ対応の屋内設備は、複数の通信事業者が設備を共有する選択肢を提供する。しかし、技術的に共有できることと、実際に共有が進むことは同じではない。屋内ネットワークの普及を考えるうえでは、設備の機能だけでなく、投資や運用を成立させる条件にも目を向ける必要がある。

 例えば、複数の通信事業者が同じ屋内設備を利用する場合、設備の整備費用や運用負担をどのように分担するかが問題になる。また、施設側にとっても、設備の設置スペースや工事、保守などに伴う負担を考慮する必要がある。共通設備を利用することで、こうした負担を軽減できる可能性はあるものの、実際の効果は施設の規模や通信需要、各事業者の設備構成などによって異なる。
 通信事業者にとっては、自社で設備を整備する方が合理的な場合もあれば、他事業者との共有によって投資効率を高められる場合もある。施設側の条件や通信需要も含め、どの方式が適しているかを判断する必要がある。また、時間軸で考えると、現時点では単独で利用する方が合理的な場合でも、マルチオペレータ対応により将来の設備共有やネットワーク構成の変更に対応できる選択肢を確保しておくことは、長期的な設備投資の柔軟性を高めるうえで意味を持つ。

 屋内5Gの整備では、無線性能の向上や設備の小型化に加え、こうした投資・運用上の条件を踏まえて、実際に導入できる構成を選択することが重要になる。マルチオペレータ対応は、その選択肢を広げる技術の一つといえるだろう。

(OPTCOM編集部)