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600Gコヒーレントのソリューション拡充【富士通オプティカルコンポーネンツ】

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64 Gbaud LN変調器、64 Gbaud集積コヒーレントレシーバを販売開始

 100G/200G集積コヒーレントレシーバなどの最先端の光コンポーネント製品を世界に先駆けて製品化し、コヒーレント通信市場をリードしてきた富士通オプティカルコンポーネンツは3月15日、更なる大容量化が求められるコヒーレント通信市場のニーズに応えるため、単一波長600Gコヒーレント通信を可能とする、OIF HB PMQ変調器に準拠した64 Gbaud LN変調器とOIF HB Micro-ICR Class 40に準拠した64 Gbaud集積コヒーレントレシーバを販売開始し、コヒーレントのソリューションを拡充した。
 同製品を採用することで、データセンタ間接続やメトロネットワーク用途のコヒーレント通信の更なる大容量化を実現できる。

 近年、クラウドコンピューティング等の普及により通信トラフィックが急激に増加しており、さらに本格的なIoT時代を迎え、今後通信トラフィックの増加がさらに加速することが予想されている。これに対応するため、通信ネットワークへの100G光ネットワークの導入が現在急速に拡大しており、また更なる大容量化のニーズに対応するため、次世代の400G超ネットワークへの要求が高まっている。
 伝送容量の拡大手段としては、シンボルレートの高速化、変調フォーマットの多値化、キャリア数の増加の3つの手段が考えられ、実用化されている100G/200Gコヒーレント伝送で用いられている方式は、32 Gbaud、DP-QPSK/16QAM、シングルキャリアの方式が主流だ。
 今回、同社はシンボルレートを現在の32 Gbaudから、64 Gbaudへ高速化したLN変調器と集積コヒーレントレシーバの開発に成功し、販売を開始した。

製品の特長

64 Gbaud LN変調器

 次世代の600Gの光ネットワーク用として、OIF HB PMQ変調器に準拠し単一波長(シングルキャリア)で400Gbps超の変調速度に対応した、64Gbaud LN変調器。同製品は、LN変調器チップの変調効率を向上させた新規プロセス技術の採用と、従来の100G DP-QPSK変調器で採用していたGPPO RFインターフェースから、広帯域に対応したG3PO RFインターフェースを採用することにより、35GHz以上(-3dB)の帯域を確保した。これによりシンボルレート64 Gbaudでの動作が可能であり、DP-64QAM伝送フォーマットで600Gbps超の変調速度を実現できる。

64 Gbaud集積コヒーレントレシーバ

 次世代の600Gの光ネットワーク用として、OIF HB Micro-ICR Class 40に準拠した64 Gbaud集積コヒーレントレシーバだ。同製品は、90度ハイブリッド、バランスド・レシーバ、偏光分離機能、VOA機能をPLC技術、マイクロアセンブリ技術を用いて高集積化、高密度実装化することにより、従来と同じサイズで従来の2倍の64 Gbaudのシンボルレートへの対応を可能とし、DP-64QAM変調フォーマットのサポートにより、600Gbpsまでのコヒーレント伝送を実現できる。

左:64 Gbaud LN変調器      右:64 Gbaud ICR