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AI時代に向けたExpress5800サーバ製品群を強化【NEC】

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「RAPID機械学習」の高速化やサーバ運用の省力化を支援

 NECは7月25日、IAサーバExpress5800製品群の強化として、最新のインテル Xeon プロセッサ Scalable ファミリを搭載するとともに、GPUボード搭載可能なモジュラーサバ1モデルと2Wayラックサーバ2モデルを8月より順次提供すると発表した。

 今回の製品強化に合わせて、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つであるディープラーニング技術を搭載した「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」(以下、「RAPID機械学習」)をGPUに対応した。GPUボードを搭載した今回の新製品と組み合わせることで、学習・予測処理に関して従来に比べ約10倍高速化する。
これにより、大量データによる学習・予測処理の高速化が求められる工場ラインでの製品検査業務において、従来人手で行っていた検査業務工数の削減や作業品質の均一化を可能にする。
 さらに、保守サポートとして、導入した機器の稼働状況の見える化を実現する「サーバ診断カルテ」を9月より提供し、NECのエンジニアがリモートでトラブル解決やアップデートを行うリモート診断/運用やAI分析による故障の予兆保守などのサポートも順次提供することで、サーバ運用の省力化を支援する。

背景

 近年、労働力人口減少による人手不足が、企業の生産現場における熟練技術者の後継者不足や情報システム部門のシステム維持/運用要員の不足など様々な現場で課題となっている。
 労働力減少の対策として、AIを活用した熟練技術者のノウハウやベテラン社員の知見等に基づく業務効率化や自動化が進められてきており、今後さらにAIの活用は拡大すると見込まれる。
 今回新たに提供するExpress5800シリーズは、AIエンジンと組み合わせることで高速処理を実現するGPUボード搭載可能モデルの製品化やサーバ運用省力化を支援する保守サポートの強化を行い、AI時代を支えるプラットフォームを実現する。

特長

IAサーバExpress5800製品群の強化

 性能・拡張性・保守性に優れ、多様なシステムに適応する3モデルを製品化した。全てのモデルで最新CPU(インテル Xeon プロセッサ Scalable ファミリ)を採用するとともに、GPUボードの搭載を可能にした。

モジュラーサーバ「Express5800/D120h」(1モデル)

 2Way 1Uラックサーバ同等の性能と拡張性を有した2Uサイズに4ノード搭載が可能な高密度型モジュラーサーバ。最大26コアの最新CPUを採用、1ノードあたり最大2TBのメモリ搭載が可能で従来機比で約25%の性能向上を実現。大規模な仮想化統合基盤やハイパーコンバージドインフラ等高集積を求められるニーズに最適。また、AI処理向けにGPUボードを搭載可能な、2Uサイズに2ノード搭載の製品を新たにラインアップとして追加。

2Way 1U/2Uラックマウントサーバ「Express5800/R120h-1M」、「同/R120h-2M」(2モデル)

 最大28コアの最新CPUを採用、CPUラインアップを従来機比で大幅に拡充し、かつ約50%の性能向上を実現した2Wayラックマウントサーバ。内蔵ストレージを「R120h-2M」では最大30台、「R120h-1M」では最大11台搭載可能とし、高速、大容量処理に最適化。中・大規模のデータ処理基盤やサーバ仮想化統合基盤、ハイパーコンバージドインフラに最適だ。

「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」の強化

 「RAPID機械学習」の画像解析版において、画像解析で高速処理を実現するGPUに対応し、学習・予測処理に関して従来のプロセッサ処理に対し約10倍高速化した。これにより、特に工場ラインの検査業務の自動化など、大量データの高速化処理が求められるニーズに対応する。
 今後も「RAPID機械学習」を始めとしたディープラーニングアプリケーションの対応を進め、AI向け処理の高速化に取り組んでいく。

保守サポートの強化

 保守サポートの強化として、サーバの保守契約を締結しているお客様向けに「サーバ診断カルテ」を新たに提供する。定期的にサーバのログを収集することで、人間の健康診断のように定期的にサーバを診断し、作成したカルテを提供する。これにより、ユーザ自身で最新のシステムの構成状況や稼働状況の容易な把握が可能だ。なお、このサービスは今回の新製品から提供を開始し、今後の新製品にも対応していく。
 また、来年度以降、NECのエンジニアがリモートでトラブル解決やアップデートを行うリモート診断/運用や、AI分析による故障の予兆保守を順次提供する予定だ。単なる保守サービスだけでなくユーザの運用にまで踏み込んだ新たな価値を提供していくという。

今回追加された、GPUボード搭載可能なモジュラーサーバと2Wayラックサーバ