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Spirentとチャイナモバイルが提携

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5G C-RAN プロジェクトにおけるテストリファクタリングのベストプラクティスを模索

 Spirent・Communicationsは10月11日、中国移動(チャイナモ バイル)と 5G ジョイント・イノベーションセンターのプロジェクトにおいて提携する契約に署名したことを発表した。5G C-RAN プロジェクトにおける第 1 段階の一環として、Spirent とチャイナモバイルの 5G C-RANワーキンググループは、自動性能テストを無事完了させた。チャイナモバイル主催の、第 2 回 5G C-RAN ワイヤレスクラウドネットワークフォーラムにて、Spirent は現状の成果を報告し、チャイナモバイルの5G CRANプロジェクトのリファクタリングにおいて使用された試験方法を解説した。

 このプロジェクトにおいて、無線アクセスネットワークのクラウドアーキテクチャは、将来の様々な5Gアプリケーションを実行する基盤と見なされている。クラウド対応の無線アクセスネットワークは基本的な音声通 信サービスの範囲と性能を確保する必要があるのみならず、急速に拡大している高スループット モバイルブ ロードバンド(eMBB)サービスに加え、高ネットワーク品質要件を伴う高接続性、低レイテンシ、高信頼性を提供する IoTとカーゴネットワークアプリケーションの帯域要求に応えなければならない。

 5G C-RANの技術特性が原因で、ベースとなるクラウドアーキテクチャに対する試験要求は、その他 の NFV や公共クラウドに対するものとは異なる。テストシステムは、これまでのようなブラックボックス型の 試験方法を使用できない。VNF、VIM、NFVi、SDN コントローラといった複数の構成要素と連動するように適応しなければならず、その上で各種の NFVi ネットワークアクセラレーションと、システム上のリアルタイム 技術を検証する能力(テストリファクタリング)を備える必要がある。

 テストリファクタリングはその本質にて、実証済みの手法や繰り返し試験と試験データの中央分析を通じて継続的なデバッグと最適化を行い、クラウドプラットフォームにおける各種の最適化パラメーター間の妥協を実現しつつ、同時に基準を満たす性能レベルを探る。

 フォーラムにて、Spirent・Communications ビジネス開発ディレクターのJacky Wu氏は、 Spirent とチャイナモバイルの 5G C-RAN ワーキンググループが共同で開発した NFVi 自動性能テストシス テムを紹介し、同グループのテストリファクタリングのコンセプトを解説した。「SR-IOV と DPDK ネ ットワークアクセラレーション技術を両方採用し、5G C-RAN 用に専用設計され、クラウドプラットフォームに対 する性能テストを網羅した、業界初の自動性能テストシステムである」という。

 Spirent クラウド/IP 担当ジェネラルマネージャーのAbhitesh Kastuar は「NFVi 性能試験フレームワークを自動化することで、これまで数週間やさらには数か月間かかっていたテストですら、数日で完了できるようになり、それによってテスト効率が大幅に改善された」としており、提携関係について「Spirentは5G C-RAN プロジェクトに対して真 剣に取り組んでおり、C-RAN 産業の成熟化と C-RAN ドライブの市販化を促進できるよう貢献し続ける」とコメントを出している。

 テストにて使用された NFVi 自動性能テストシステムには、Spirent TestCenter ハードウェアおよびトラフィック生成用の Spirent TestCenter Virtual が含まれる。これらはテスト下においてクラウドプラットフォームのデータトラフィックをシミュレートして分析し、個別コンピューティングノードのvSwitch フォワーディング性能あるいは 10G/25G/40G インターフェース速度における DPDK 技術に対応するマルチノードシステムを評価するために使用されている。VNF 負荷をエミュレートしてテストシナリオを自動化する目的で Spirent CloudStress も使用されており、VM のスピンアップはSpirentのiTestプラットフォームを用いて構成された。