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タッチスクリーンに対応したOTDR アクセスマスタMT9085シリーズの販売を開始【アンリツ】

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光ファイバネットワークの建設・保守現場作業の効率化に貢献

MT9082A/B/C

 アンリツは、光ファイバの建設・保守用ハンドヘルド測定器であるアクセスマスタシリーズの新製品MT9085A/B/Cを開発。9月12日から販売を開始した。
 アクセスマスタシリーズは2004年に初代モデルの提供を開始して以降全世界で3万台以上を販売しているOTDRシリーズ。今回開発したアクセスマスタMT9085A/B/Cは、好評を博している従来のMT9082A/B/C筐体サイズ、光学性能、操作性を継承し、ワイドタッチスクリーンに対応した8インチカラー液晶を組み合わせることにより、操作性と視認性を向上させた。さらにファイバの融着やコネクタなどのイベントを図式化したFiber Visualizer機能を標準実装した。これらの機能により複雑な操作が不要となり、OTDRを初めて操作する作業者でも、簡単に光ファイバの品質測定および合否判定が行える。また、WLANやBluetoothなどを利用し、測定結果の一元管理も簡単に行える。
 アンリツは「アクセスマスタMT9085A/B/Cにより、今後増加が期待される5G基地局やDCI(データセンタ間)などの光線路の建設・保守現場作業の効率化向上に貢献する」としている。

開発の背景

 モバイルネットワークではLTEの普及、および5Gの実用化に向けて、基地局の設置が盛んに行われている。また、メトロ・コアネットワークでも大容量化が進み、特にDCIの通信がますます増加している。これらのネットワークでは光ファイバが利用されており、その建設・保守現場作業でOTDRが利用されている。その一方、評価現場では、光ファイバ測定に不慣れな作業者が増え、使いやすくかつ分かりやすい光ファイバ品質測定器を実現することが求められている。そこでアンリツは、OTDRのラインアップを拡充し、新たに、MT9085シリーズを開発したという。
 MT9085シリーズは、ロータリノブ、ハードキーなど従来の使い勝手の良さを継承しつつ、8インチワイドの大画面にタッチスクリーン操作を追加することで、今までOTDRを操作したことのない作業者にも直感的に操作できるようにした。また、測定結果が一目でわかるFiber Visualizer機能を追加した。これにより、熟練した作業者だけでなく初めての作業者でも光ファイバ建設・保守現場作業が容易に行えるようになった。

製品概要

 アクセスマスタMT9085A/B/Cは、光ファイバの建設・保守用の可搬可能な小型な測定器であり、OTDR測定、光パワー測定/光ロス測定機能を標準実装している。さらにオプションで、高性能光パワーメータ、可視光源、光ファイバ端面検査機能を追加でき、光ファイバの建設・保守に必要な測定を1台で実現できる。
 従来のアクセスマスタで実現していた高速・高品質なリアルタイム波形、短デッドゾーン(0.8m)、高ダイナミックレンジ(46dB以上)、SMFからMMFまで波長ラインナップを継承している。さらに、視認性・操作性に優れた8インチワイドタッチスクリーンを採用し、ロータリノブ、ハードキーとの融合操作により、作業効率向上を実現している。
主な特長は次の通り。

使いやすさが向上

 アクセスマスタMT9085A/B/Cは、8インチワイドのタッチスクリーンとロータリノブやハードキーを搭載している。OTDR波形解析時には、これまでにない直感的で快適な操作でOTDR波形を解析できる。これにより測定現場での作業が大幅に短縮できる。

測定結果の合否判定が可能

 アクセスマスタMT9085A/B/Cは、Fiber Visualizer機能を搭載している。従来、光波形を読み解く必要があった「ファイバ融着点」「コネクタ接続」「スプリッタ」などのイベントをアイコンで表示する。さらに、あらかじめ設定されたしきい値を元に合否判定も自動で行え、作業者による判断ミスを低減できる。

高精度イベント検出が可能

 アクセスマスタMT9085A/B/Cは、OTDR測定機能、光パワー/光ロス測定、光ファイバ端検査と光ファイバ建設・保守時に必要な機能を1台で実現している。OTDR測定においては、広ダイナミックレンジ性能だけでなく、独自の検出アルゴリズムにより、複雑化しているPONネットワークでも高精度でイベント検出が行え、測定現場での建設・保守作業の負担が軽減できる。