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25Gbps以上の高速データ転送を可能にする、拡張性ある車載ネットワーク技術を推進【KDPOF】

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 KDPOFは7月31日、マルチギガビットの新たな車載標準を推進していると発表。IEEEの10GBASE-SRを強化して10 Gbps での車載光ファイバ通信を実現するという。
 KDPOF CEO兼Co-founderのCarlos Pardo氏は「インフォテイメント、ADAS、そして自動運転のレベル進化がデータ転送速度の飛躍的な増大の大きな要因だ。100Mbpsから 1Gbps、2.5Gbps、5Gbps、10Gbps、さらにOEMの中には近年中に25~50Gbpsを目指している企業もある」とし、「10GBASE-SR のような既存の規格では、車載アプリケーション上でも動作はするが、残念ながら厳しい車載要件を満たすことはできない」とコメントを出している。

 PSA、Toyota、Volvo、Tier1等15社以上の主要自動車メーカーとKDPOFを含む各種サプライヤで構成されるチームは、新しいマルチ ギガビット標準をサポートするためのニーズと技術に特化した検討をしている。同チームは、業界の強い支持のもとIEEE 802.3 車載光学マルチギガビット規格の標準化を進めるためCall for Interest(CFI)でのIEEEの承認を得た。Carlos Pardo氏 が率いるこのワーキング グループは、2019年の夏から活動を開始し、2021年末までに最初の原形を予定している。研究グループは、自動車産業向けIEEEイーサネット標準として、データ速度2.5Gbpsから50Gbpsでの制定を検討する。

IEEE 802.3 車載光学マルチギガビット標準化を目指して

 現在の IEEE 規格10GBASE-SR は、温度、作動期間、価格、信頼性、機械的堅牢性がよく管理されて適度なデータセンタの要求に対応して作成されたものだ。電力消費やコストが重視される車載アプリケーションに加え、厳しい車載環境では、新たな基準の構築によってのみ合理性が高められ、変化の激しい環境条件や製造工程に自在に対応することができる。さらに、将来的に25、50、100 Gbpsという高い転送速度を可能にするためには拡張性ある技術が必要だ。KDPOFは「新規格の全ての領域において最適化がなされることにより、あらゆる部品間(CMOS IC、VCSEL、PD、フェルール、スリーブ、ケーブル、インライン接続技術、光学レンズ等)での複雑性とコストとの適切なバランスをとり、自動車市場に低コストで、高い信頼性、拡張性あるソリューションを提供することができる」としている。

KDPOFは、測定可能なネットワーク技術および新たなマルチギガビット車載スタンダードの実現を推進するという。