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業界初、光ファイバ上のIQデータを利用したPIM解析やRFスペクトラム解析を1台で実現するIQ ファイバーマスタ MT2780Aの販売を開始【アンリツ】

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CPRIフロントホールを使ったLTE基地局の建設・保守に要するコスト削減に貢献

IQ ファイバーマスタ MT2780A

 アンリツは4月1日、ネットワークインフラ用ハンドヘルド測定器の新製品として、IQ ファイバーマスタ MT2780Aを開発したことを発表し、販売を開始した。
 MT2780Aは、光ファイバ上のIQデータを利用したPIM解析とRFスペクトラム解析が行える業界初の測定器となる。
 1台で、CPRIフロントホールを使ったLTE基地局におけるPIMトラブルシューティングとRF干渉測定を実施できる。また、測定作業が地上で行えるため、鉄塔に登る必要がなく、安全かつ簡単に作業が行える。
 これにより、LTE基地局に携わるフィールドエンジニア、フィールド作業者、請負業者の試験コストと試験時間の削減に貢献する。

開発の背景

 LTE基地局のフロントホールは、ベースバンドユニット(BBU、基地局の無線デジタル処理部)とリモートレディオヘッド(RRH、張出アンテナ部)から構成され、この間が光ファイバのCPRIインターフェースで接続されている。
 また、周波数の有効利用や国際ローミングの観点から700MHz帯や800MHz帯、1.5GHz帯、2GHz帯など複数の周波数帯で運用されていることから、PIMによる通信障害が発生しやすくなっている。
 このため、LTE基地局の建設・保守では、RFスペクトラム解析に加え、PIM解析が重要な作業となっている。
 従来、上記解析を行うためには、各々専用の測定器が必要だった。そこでアンリツは、光ファイバ経由でPIM解析とRFスペクトラム解析を1台で行えるMT2780Aを開発したという。

製品概要

 IQ ファイバーマスタ MT2780Aは、すべてのLTEバンドをサポートし、光ファイバ上のIQデータを利用したPIM解析と、RFスペクトラム解析が行える測定器。
 CPRI上で基地局へのアップリンクRF信号をスキャンして帯域内干渉を検出し、同時にPIM測定を実行できる。
特許取得済みのPIM over CPRIおよびRF over CPRI測定機能により、地上で試験が行える。
 LTE基地局の建設保守事業者は、MT2780Aを使用することで、LTE基地局のKPIが、干渉またはPIMの影響を受けているかどうかを判断できる。
 MT2780Aは、小型・軽量(185mm x 133mm x 55mm、1kg)の手の平サイズであり、測定現場に容易に持ち運べる。

主な特長

干渉時のトラブルシューティングが可能
 CPRI IQデータを解析することで、無線のアップリンクスペクトラムを把握することができる。
 このアップリンクスペクトラムを解析することにより、干渉時のトラブルシューティングを行える。MT2780Aは、4つのSFP入力ポートでPIM over CPRIを測定できます。これにより、複数の帯域とセクターを比較できる。

優れたコストパフォーマンス
 MT2780Aは、実働するセルタワーのトラフィック信号上で測定を実行できる。これにより、精度が向上するとともに、試験のためのシステムのダウンタイムが発生しない。
 測定値はベースバンドIQデータから得るため、MT2780Aはどんな周波数、または周波数コンビネーションのリモートレディオヘッドでも測定を行うことができ、費用対効果の高いソリューションを提供する。

PIMハンティングが簡易に可能
 MT2780Aを使用することにより、PIMの有無や、内部か外部のどちらに存在するのか、PIMへの距離を確認できる。さらに、PIMヒートマップ機能により、どのトランスミッターが最もPIMに影響しているかをすばやく表示できる。
 このPIM診断データにより、PIMの存在している最も可能性の高い場所と原因を把握でき、PIMハンティング(フィールドでPIMを突き止める)に要する作業、時間を短縮できる。

継続監視が可能
 MT2780Aをセルサイトに設置することにより、長期のPIM over CPRI 測定を実行し、継続してPIM解析情報を得ることができる。
 測定レポートを比較分析することにより、特定の日時に断続的に発生するPIMや、ベースステーションの負荷によるPIMの変化など、PIM関連の問題を把握できる。

効率的な作業方針決定に貢献
 MT2780Aは、band-less PIM試験ソリューションとしても使用できる。
 通信事業者は干渉問題とその場所を特定する際の最初の試験ツールとして活用でき、最も効率的な作業方針を決定するのに役立つ。

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