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amsとIbeo、オートモーティブ市場に向けてソリッドステートLiDARテクノロジーの展開を加速

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 amsジャパンとIbeo Automotive Systemsは8月31日、自動運転用のソリッドステートLiDARテクノロジーを市場へ導入する提携で大きな成果を上げたことを発表した。

 amsとIbeoは、ibeoNextソリッドステートLiDARに関して、2018年にLiDARの共同開発を開始している。両社の目標は、高度運転支援システム(ADAS)のオートモーティブ市場へソリッドステートLiDARを提供し、自動運転システムの採用を普及させること。また、業界初の真のソリッドステートLiDARセンサの開発も順調に進んでいるという。Ibeoは「2020年10月より世界中の顧客に向けてサンプルの出荷を開始し、2022年のLiDAR量産に向けて、最高クラスの性能達成を確かなものにする。この結果、オートモーティブ分野でソリッドステートLiDARの大量展開が可能とる」としている。

 Ibeo Automotive Systems CEOのUlrich Lages氏は「当社の主力製品は、欧州を含め世界中の自動車メーカーに採用されている。amsとの提携により、グローバル市場に出荷可能な最初のサンプルが実現できたことを発表でき、うれしく思う。Ibeoとamsはオートモーティブ市場において重要なLiDAR技術について提携を継続し、2022年の量産体制確立を目指す」とコメントを出している。

 amsのEMEA地域でセールスとマーケティングのシニアバイスプレジデントを務めるPascal Philippon氏は「差別化技術に注力することで、amsとIbeoの提携は、オートモーティブ産業の信頼性および安全性基準を満たす高度なソリューションを顧客に提供し続け、今後数年間で予定しているマスマーケット投入への準備を整えることができる」とコメントを出している。

 LiDARシステムはレーザーパルスを放射し、様々な障害物から反射された光を検証する。タイムオブフライト、またはレーザーパルスがセンサへ再び戻るまでにかかる時間を利用して、ソフトウェアが周囲の障害物までの距離を計算する。最新のLiDARシステムは多数のレーザーパルスを同時並行で処理することができる。結果的に、ガードレールや路上の標識のみならず、車両、自転車、歩行者の位置や動きを認識した周囲環境の3Dモデルが生成される。長距離に対応し高い空間解像度を保つことに加え、高精度を誇ることがLiDARテクノロジーの大きな利点となる。機械式やMEMSミラーなどの他のLiDARと異なり、ソリッドステートのソリューションは可動式のビームステアリング機構を持たない。このため、信頼性と複雑性の点で大きなメリットが得られるという。

 amsの高出力VCSELはエミッター個々の不具合にあまり影響されないため、スキャンタイプやフラッシュタイプのアプリケーションで差別化を図ることができ、広範な温度範囲で安定して動作し、統合が容易だ。amsのVCSELはエミッタアレイを形成するため非常に拡張性が高くなっている。amsのテクノロジーはアドレスを指定可能、つまりダイの特定領域のみ出力させることができる。これがトゥルーソリッドステートトポロジーを可能にする。また、amsの研究開発を通じて機能安全性基準と目の保護機能の統合が強化され、非常に強固なテクノロジーが実現される。

 ibeoNEXTソリッドステートLiDARはクラス最高の広範な検出範囲、高解像度、広い垂直角度を特徴としている。ソフトウェアとテクノロジーにおけるIbeoの専門知識を組み合わせることにより、完全な自動運転への道のりをさらに一歩前進させることが期待できる。