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相模原市の公立学校、「GIGAスクール構想」に基づく学校ネットワークに、Cisco Merakiを採用【シスコ】

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市内105校、全教室のネットワークをクラウドで一括管理

 シスコシステムズ(以下、シスコ)は9月8日、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」に基づき、神奈川県相模原市内の公立学校105校(69小学校・35中学校・1義務教育学校)のネットワークシステムに、クラウド管理型ネットワークソリューション「Cisco Meraki」が採用されたことを発表した。
 ICTを活用した授業では、多数の児童および生徒が同時にWi-Fiに接続することから、動画等をスムーズに視聴可能にする高速・大容量な通信環境が必要だ。相模原市の場合、市内105校に分散して配備される大量のネットワーク機器を適切に運用し、機器障害時も授業に支障をきたさないことが必須となる。そこでシスコでは、最新の Wi-Fi6テクノロジーを正式にサポートしたクラウド管理型Wi-Fi「Cisco Meraki MRシリーズ」とクラウド管理型スイッチ「Cisco Meraki MSシリーズ」を通じ、児童及び生徒の教育ICT環境を支援するという。

大人数の同時接続でも高速・低遅延

 ハイパフォーマンスなWi-Fi6認証のCisco Meraki MRシリーズは、高解像度の映像や音声、高帯域幅を必要とするアプリケーションなどにも対応している。1教室あたり40名以上がストレスなくネットワークに同時接続することができ、遅延による授業への影響を最低限に留めることが可能だ。

クラウド管理型で高い運用性

 相模原市内105校に設置するWi-Fiアクセスポイント約2,000台およびスイッチ約500台は、Cisco Merakiの直感的に使えるブラウザベースのインターフェイスを利用することで、クラウドで一括管理、展開、運用が可能だ。これにより、最適な教育ICT環境の維持に向けて、遠隔地からでも通信状況の把握や設定変更ができる。トラブルシューティングも、Meraki Health ネットワーク アナリティクスを使用すれば、専門家が現地で調査することなく、遠隔地から迅速に対処することができる。

長期間のサブスクリプション契約で、機器の買い替え・再設計/構築のコストを低減

 今回導入するCisco Meraki MRシリーズおよびMSシリーズには、GIGAスクール向けに10年間利用可能な長期ライセンスが用意されている。公共機関の場合、一般的に5年程度のサイクルで機器の買い替え・再設計/構築を行うが、長期ライセンスを利用することによって「機器の所有」から「機能の利用」にシフトし、コストを低減しながら機能を継続して活用できる仕組みにしている。

シンプルな管理と高度なセキュリティ対策を実行

 105校・約2,500台の機器はクラウド経由で自動的にファームウェアのアップデートが可能だ。また、新機能やバグ修正、拡張機能が、クラウド経由でシームレスに配信されるため、ソフトウェアアップデートのダウンロードやセキュリティパッチの確認など、マニュアル作業は必要ない。さらに、児童および生徒が利用するアプリケーションを可視化することで、不適切な通信を排除できる。WPA3やUmbrella DNS セキュリティなどのその他必要な各種セキュリティ対策も、クラウドから全校へ、簡単かつ即時に展開が可能だ。

 相模原市教育委員会 教育センターの森匠氏は「相模原市では、GIGAスクール構想による高速インターネット環境の整備を7月から開始し、市内小・中・義務教育学校において令和2年度中に工事を完了する予定で取り組んでいる。すでに工事を完了したパイロット校での通信環境を確認した結果は、想定していたよりも広範囲に安定した通信であり、高速なインターネット環境を享受できている。今後、1人1台のタブレットPCの活用が実現した際には、シスコの高速で強固なインターネット通信環境を十分に活かし、相模原市の子どもたちと教職員が義務教育9年間において動画の視聴や大容量のデータのデジタル教材などICTを日常的に活用した相模原独自の授業スタイルで学びの充実を図って行けるものと期待している」とコメントを出している。