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ローデ・シュワルツが、R&S FSW シグナル・スペクトラム・アナライザの内部解析帯域幅を8.3 GHzへ拡張

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 ローデ・シュワルツは9月10日、R&S FSW シグナル・スペクトラム・アナライザの内部解析帯域幅を8.3 GHzへ拡張すると発表した。(本抄訳は9月14日に日本法人が発表)
 このオプションR&S FSW-B8001により、最新のレーダやワイヤレス通信技術のほか、将来の衛星システムを開発する設計エンジニ アは、その拡大した帯域幅をワン・ボックス・ソリューションとして利用でき、非常に大きなメリットとなる。

 シグナル・スペクトラム・アナライザR&S FSWは、最大85 GHzの掃引速度に対応し、卓越したダイナミックレンジと感度、精度、EVM測定性能を発揮する。また、解析帯域幅の拡張オプションと専用の測定ソフトウェアを搭載することで、様々な産業分野での超広帯域な信号解析に関し、現行だけでなく今後の試験や測定仕様にも対応できる。同アナライザの用途としては、航空/防衛用レーダ・システムのパルス測定、衛星通信ペイロードの試験、アンプのプリディストー ション試験などが挙げられる。さらに、車載レーダのチャープ分析や次世代ワイヤレス通信の研究開発にも活躍する。

 さらに高い信号帯域へと向かうトレンドは、事実上すべての高周波数アプリケーションで続いている。たとえばレーダ技術では、帯域幅の拡大が物標の探知における距離分解能の向上につながる。レーダ・ システムとレーダ波に対する妨害システムの両方を開発・検証する際には、広帯域な信号取得により、様々な周波数で運用する多彩なレーダ・システムを試験しながら、周波数ホップを詳細に解析できるようになる。

 帯域幅の拡大は、ワイヤレス通信技術でも既定路線となっており、いずれの新世代通信技術もこれまで以上に高いデータ伝送速度を求めている。たとえばWi-Fi 向けのIEEE 802.11ay規格ではチャネル・ボンディングをサポートしており、その結果、信号は8GHzを超える帯域幅となる。また、来るべきギガビット通信にも対応可能な広帯域の試験・計測機器が必要だ。特にDバンドやGバンドなどサブTHz帯は、将来の6Gワイヤレス通信規格の周波数帯としての可能性が頻繁に話題にのぼっている。

 そのほか将来の衛星システムもより高い周波数とより広い帯域幅で運用されるようになるだろう。テラビット通信のサポートを想定して設計された高スループット通信衛星などでは、最大90GHzの周波数域で3GHzないし5GHzの帯域幅へと拡大するものと見込まれている。

 こうした超広帯域な信号解析に対する従来のアプローチでは、シグナル・スペクトル・アナライザを広帯域ダウンコンバータとして利用していた。ダウンコンバートした信号をオシロスコープに送り、デジタル化してアナライザに送り返すという方法だ。これに対してR&S FSWによる新しいソリューションは、フル機能の信号解析能力に加えてスペクトル解析機能も備えた、ユーザフレンドリなワン・ボックス・ソリューションながら、格段に高い信号品質と感度を実現する。

R&S FSW シグナル・スペクトラム・アナライザ