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最先端のケーブル測定技術とスイッチ診断機能を組み合わせた 「ケーブル+ネットワーク・テスター」を発表【フルーク・ネットワークス】

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一般的なICT向けと産業用イーサネット向けの2モデルを用意

 テクトロニクス&フルーク(以下、フルーク・ネットワークス)は、ケーブル・パフォーマンス・テクノロジーとスイッチ診断機能を組み合わせた業界初の「LinkIQ ケーブル+ネットワーク・テスター(以下、LinkIQ)」を4月19日より提供開始すると発表した。
 また、同テスターに組み合わせることで産業用イーサネットの障害の主な原因を特定できる「マルチ・コネクタ・アダプタ」をセットにした、「LinkIQ-IE産業用イーサネット・ケーブル+ネットワーク・テスター(以下、LinkIQ-IE)」も同日に提供を開始する。
(取材記事は後日掲載)

「LinkIQ」の価格は 278,000 円~(税別)。
「LinkIQ-IE」の価格は328,000 円~(税別)。

 初年度における「LinkIQ」と「LinkIQ-IE」の売上目標は計1.000台。販売目標額は合計で25,000,000円(税別)。

「LinkIQ」でケーブル配線やネットワーク機器の設置やトラブルシューティングを簡素化

「LinkIQ」の外観

 「LinkIQ」は、ケーブルの他端の状態や接続機器に基づいて、1 回のボタン操作で自動的に適切な測定結果を提供する。他端がオープン(開放)のケーブルの場合、ケーブルの長さとワイヤの組み合わせを表示し、ケーブルが付属のリモート ID で終端されている場合、テスト結果はケーブルがサポートできる最大データレート(最大10Gbps)を示す。
 また、フルーク・ネットワークスの LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアを使用して簡潔な合否テスト・レポートを提供し、PoE対応スイッチを含むスイッチの性能を検証することが可能だ。ケーブルがスイッチ・ポートに接続されている場合は「LinkIQ」はスイッチの名前に加えて、ポート名、速度、デュプレックスを表示する。PoE がアドバタイズされている場合は、クラスと電力(最大90 Wまたはクラス8)が表示され、その後スイッチに負荷をかけて実際に電力が供給できることを確認する。

産業用イーサネットの障害の主な原因を特定できる「LinkIQ-IE」

「マルチ・コネクタ・アダプタ」の外観

 「LinkIQ-IE」は、産業用イーサネットの障害の主な原因であるネットワーク・ケーブルのトラブルシューティング用に設計されたテスターだ。付属のMS-IEリモート・アダプタにより Ethernet/IP、PROFINET、EtherCAT、CC-Linkその他産業用イーサネット・プロトコルで使用されるRJ45、M12X、M12D、M8D コネクタで成端されたケーブル上の誤配線やスプリット・ペア(対分割)を特定し、10BASE-T~10GBASE-T(10Mbps~10Gbps) のケーブル帯域幅を検証する。
 現在、産業用イーサネットがファクトリ・オートメーションの有力な技術になるにつれて、そのメンテナンスとサポートは非常に重要になってきており、ネットワークをトラブルシューティングするための使いやすいツールのニーズが急速に高まってきた。「LinkIQ-IE」において、フルーク・ネットワークスの最先端ケーブル測定技術と産業用イーサネット・スイッチの基本テスト機能を組み合わせて用いることで、ネットワーク障害の発見を迅速化することを実現した。「LinkIQ-IE」のケーブル試験のテストとトラブルシューティングの能力は、産業用オートメーションをサポートするために不可欠なものとなっている。

測定の様子

「LinkIQ」の主な特長

・最大ケーブル接続速度を認識 (最大10Gbps)
・スイッチ・ネゴシエーションとPoE負荷試験を使用したPoEデバイスの設置とトラブルシューティング
・接続されたスイッチ情報(スイッチ名、ポート番号、VLAN)の識別
・「LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェア」を使用した作業の文書化

 機能の詳細は以下の通り。

信頼できるケーブル・テスト:「LinkIQ」は305mまでのケーブルの長さを測定することができ、オープン(開放)、ショート(短絡)、および未終端箇所までの距離情報を提供する。リモートIDを使用すると、ケーブル・ペアの完全なワイヤマップ試験が可能になり、誤配線と対分割(スプリット・ペア)の識別の他、配線の遠端の特定にも役立つ。「LinkIQ」は、これらのテストを周波数ベースの測定によって実施する。特定のテスト対象機器がリンク上で通信できることを証明するだけの伝送テスターとは対照的に、IEEE規格に基づいた測定を行うことで、試験対象リンクが10BASE-Tから10GBASE-T (10Mbps~10Gbps)のケーブル帯域幅の性能要件を満たしているかどうかの合格/不合格を自動判定する。

スイッチに関する詳細情報を識別:「LinkIQ」は、他にツールを必要とすることもなく、最寄りのスイッチの診断を行い、アドバタイズされたデータ・レート(最大 10GBASE-T)、半二重/全二重識別、スイッチ名、ポート番号、およびVLAN情報などのスイッチに関する詳細情報を識別し、重要なネットワークの問題を特定する。

詳細なPoEテスト:PoEは、セキュリティ・カメラやアクセス・ポイントなどの機器設置を簡素化するが、800人以上のインストーラ、インテグレータ、エンドユーザを対象としたイーサネット・アライアンスによる調査によると、回答者5人のうち4人(80%)がPoEシステムの統合に苦労していることが判ったという。この一部は、IEEEが3つのPoE規格を提供しており、「PoE」という用語が登録されておらず、標準に準拠していない様々な実装が存在するという事実にたどり着くことができる。
 PoE のインストールとトラブルシューティングを簡単にするために、「LinkIQ」は、デュアル・シグネチャ実装用の多様な電力レベルと電源が供給されているペアを表示する。さらに、「LinkIQ」はスイッチの接続ポートに実際に負荷を与え、アドバタイズされた電力がケーブル・インフラに実際に供給されていることを確認する。

完璧な文書化能力:「LinkIQ」は、実行するテストに関して完璧なドキュメント機能を提供する。最大1,000件の結果を記述的な名前でテスタに保存し、呼び出すことができる。 テスト名と番号は、それぞれ保存されると自動的に増加 (「Annex B-1」、「Annex B-2」、「Annex B-3」など)するため、ケーブルを順番にテストする時に番号を設定する必要が不要となり、時間を節約できる。
 レポート・データは、フルーク・ネットワークスの LinkWare PC ケーブル・テスト管理ソフトウェアを使用して PC にエクスポートすることで試験結果の文書化ができる。 このケーブル・テスト管理ソフトウェアは、20 年以上にわたり、様々なテスタをサポートし、数万人のアクティブ・ユーザを抱える事実上の業界標準として普及しているレポート・ソリューションで、試験結果の保存や PDF レポートの生成にも使用できる。

その他の機能:

  • IntelliTone プローブまたは Pro3000 と互換性のあるデジタル・トーンまたはアナログ・トーンを生成し、壁または電気通信室内のケーブルの配置や所在の特定を支援。
  • スイッチのポート・ライトを点滅して、接続されたスイッチ・ポートを識別。
  • MicroScanner PoEビューアー用のリモートIDと互換性を有するリモート識別子を使って情報コンセントの識別が可能。
  • スマートホンと同等の操作感覚による ジェスチャー・ベースのディスプレイを搭載。
  • 充電式リチウム・イオン電池を使用。
  • リンクウェアPC経由のUSB-Cによる容易なテスト機能のアップグレードが可能。
  • 標準のUSB-Cポートを介した充電が可能。