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56Gbaud 超小型差動リニアアンプの販売開始【アンリツ】

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56Gbaud 差動リニアアンプAG5PB6P

 アンリツは、56Gbaud 差動リニアアンプAG5PB6Pを開発し、6月1日から販売を開始した。対象市場は半導体テスタ、計測器メーカ。用途は高速光デバイス評価、高速多値パルス試験。

 AG5PB6Pは、56Gbaud PAM4差動信号を3Vppまで増幅できる5mm角サイズの超小型差動リニアアンプ。15dBのピーキング調整機能により、ケーブルや伝送線路等により減衰した56Gbaud PAM4信号の波形劣化を補正することができる。また、-12dB~15dBの可変増幅機能を持ち、異なる伝送ルートからの信号レベルを揃えることが可能だ。
 アンリツは「56Gbaud PAM4信号の差動入出力対応、小型化、高品質波形など、市場からの強い要求に対応することで、ネットワークのさらなる高速化に貢献していく」との考えを示している。

開発の背景
 近年、スマートフォンやクラウドコンピューティングの普及により、通信のデータトラフィックは飛躍的に増大している。次世代の規格である400GbEの光通信では、変調速度に53GbaudのPAM4変調方式が採用されている。PAM4信号は1シンボルあたり2bitの情報を伝送できるため、PAM4信号を忠実に増幅するリニアアンプが必要となる。
 400GbEは今後光通信の規格として主流になると期待されているため、53Gbaud以上の高速信号を増幅できる広帯域な差動リニアアンプがさまざまな場面で必要となる。特に半導体テスタや計測器に使用されるリニアアンプには、小型で波形の補正機能付きの差動リニアアンプが求められる。
このような背景から、アンリツは56Gbaud PAM4のフロントエンドIFの構成が可能な、ピーキング可変増幅機能付き差動リニアアンプAG5PB6Pを開発したという。

製品概要
 56Gbaudの高速および高出力(3Vpp差動)データ伝送を1.8W以下の低消費電力で実現している。
 5mm角サイズのQFN小型セラミックパッケージで、入出力インターフェースは差動に対応。小型にも関わらず、最大27dBの増幅可変機能と15dBの範囲で調整可能な波形補正機能を備えている。