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NECが、D-Waveの量子コンピューティングクラウドサービス「Leap Quantum Cloud Service」をグローバルで販売開始

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 NECは12月7日、D-Wave Systems (以下、D-Wave)の量子コンピューティングクラウドサービス「Leap Quantum Cloud Service」(以下、Leap)をグローバルで販売を開始すると発表した。
 NECは「本サービスに加えて、日本では日本語によるお客様サポートを提供するとともに、グローバルでは各種サポートを行うプロフェッショナルサービスを提供し、オーストラリアを皮切りに順次地域を拡大していく」としている。

市場背景とサービスの特長

 デジタルビジネスが本格化する中、従来のコンピューティング技術では実用的な時間や経済的観点から解けなかった問題を解決できる量子コンピューティングに対する期待が高まっている。これに対してNECは、2020年にD-Waveと協業し同社のLeapを活用して、様々なユーザにおける配送計画・人員シフト・製造計画・ポートフォリオ作成など、多様な業務への応用研究を推進することで知見を蓄積してきた。
 今回、NECが販売するLeapおよび各サービスの特長は次のとおり。

Leapの特長

  • 量子アニーリングとシミュレーテッドアニーリングの両方を、ユーザのニーズに合わせて柔軟に利用可能
  • 統合開発者環境(IDE)として、プログラム作成用の開発キットであるOcean SDKがセットアップされており、すぐにコーディングが可能
  • ウェブブラウザを使ったクラウド環境へのアクセスが可能
  • 250を超えるサンプルアプリケーションを利用可能

日本語によるユーザサポートの内容

  • Leap利用環境の準備と利用に関する日本語でのQ&Aサポート

グローバルで提供するプロフェッショナルサービスの内容

  • Leap業務適用サポートサービス:業務選定、技術検証、プロト開発、本番適用の各種支援
  • Leapトレーニングサービス

 両社は今後、より大規模な組み合わせ最適化問題を高速に解決するため、NECのSX-Aurora TSUBASAを活用したベクトルアニーリングマシンとD-WaveのLeapを組み合わせたハイブリッドサービスを開発し、提供をめざすという。

 NECは、量子コンピュータのコアである「量子ビット」の製造に世界で初めて成功した企業として、量子コンピュータの実用化に向けた研究活動を進めている。2020年には「量子コンピューティング推進室」を設置し、量子コンピューティング技術やAIに精通した技術者により、様々な企業の業務課題に対するユースケースの探索を進めている。
 NECは「今後、本サービスを金融・製造・流通など多様な業種のお客様や大学に提供し、量子コンピューティングの利活用を推進することで、社会課題の解決に貢献していく」との考えを示している。