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グリーンイノベーション基金事業、「次世代デジタルインフラの構築」に着手【NEDO】

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パワー半導体の高性能化・低コスト化、データセンターの大幅な省エネ化をめざす

 NEDOは2月25日、グリーンイノベーション基金事業の一環として、次世代グリーンパワー半導体開発や次世代グリーンデータセンター開発をめざす「次世代デジタルインフラの構築」プロジェクト(予算総額1376億円)の研究開発事業に着手すると発表した。

 同プロジェクトでは電動車(xEV)や再エネなどの電力、サーバ電源などカーボンニュートラルに向けて革新的な省エネ化が必要な分野において、次世代パワー半導体(SiC、GaN)の高性能化・高効率化を実現することで変換器などの電力損失50%以上低減と低コスト化を推進し、普及促進をめざす。また、次世代グリーンデータセンターに関する技術開発を行い、現在と比較して40%以上の省エネ化をめざすという。

 実施期間は2021年度から最長2028年度(8カ年度)。
 「次世代グリーンデータセンター技術開発」に採択された企業と各社の役割は次の通り。

  • 富士通 (省電力CPU 開発、光スマートNIC開発)
  • NEC(省電力アクセラレータ開発、ディスアグリゲーション技術の開発)
  • アイオーコア (光電融合デバイス開発)
  • キオクシア (広帯域SSD 開発)
  • 富士通オプティカルコンポーネンツ (光スマートNIC 開発)
  • 京セラ (光スマートNIC 開発)

 以下、採択企業が同日に発表した、本件に関する技術概要。

富士通

省電力CPU
富士通はCPUの性能および省電力性を決めるマイクロアーキテクチャを自社設計しており、この技術により、「富岳」において世界トップレベルの高性能・省電力を達成している。同社が持つ技術を一層深化させ、次世代グリーンデータセンターに適応する省電力CPUを開発する。

富士通および富士通オプティカルコンポーネンツ

光スマートNIC
富士通および富士通オプティカルコンポーネンツは、最先端光伝送装置の開発で培ったハードウェアおよびソフトウェア技術を活用し、低消費電力、大容量かつ小型な光スマートNICを一丸となって開発し、データセンター内のネットワーク消費電力低減に貢献する。

NEC

省電力アクセラレータ
膨大なデータを扱う次世代グリーンデータセンターの省エネ化においては、高速なデータ処理に適したアクセラレータの高速化、低消費電力化が求められる。NECはAIやビックデータ解析などの領域でも広く利用されているベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」で培ってきた技術をさらに発展させた省電力アクセラレータを開発する。

ディスアグリゲーション技術
電力効率の良いデバイス開発に加え、サーバをCPUやメモリ等の機能単位に分離し、計算負荷に合わせて最適配置することで、システム全体を高効率化するディスアグリゲーション技術が求められている。
NECはAI推論を用いてCPU、アクセラレータ、メモリ、ストレージ、ネットワーク等の計算資源を動的に最適配置し、複数種類の計算資源の中からアプリケーションに最適なものを割り当てるディスアグリゲーション技術の開発を行う。