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高性能光ファイバ試験器「AQ7280 OTDR」シリーズのラインアップ拡充【横河計測】

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通信の高速化が求められる光ファイバの素線・ケーブル開発の効率化に貢献

 横河計測は8月4日、高性能光ファイバ試験器「AQ7280 OTDR」シリーズのラインアップを拡充すると発表した。
 「AQ7280 OTDR」シリーズは、本体とOTDRユニットで構成されている。今回は光ファイバの開発の工程である素線・ケーブルの評価試験に最適な3種類のユニット「AQ7286A」、「AQ7286H」、「AQ7286J」と、ケーブル製造の工程における光ファイバの評価試験の接続切り替えを効率的に行える光スイッチボックス「AQ3550」を、8月5日から販売を開始する。同社は「これにより、高速・大容量光通信開発の光パルス試験における高精度化と高効率化に貢献していく」としている。

主な対象ユーザ
•光ファイバ製造会社
•研究機関
主な用途
•光ファイバ素線生成における光通信検査
•ケーブル化工程における光通信検査
•敷設された光ファイバケーブルが断線した際の障害位置の特定

開発の背景と新製品の特長

 スマートフォンの普及やクラウドサービスの拡大、それに伴う動画配信などで大量のデータがやり取りされるようになり、光ファイバ通信網の整備やデータセンタの増設とともに、より快適な通信環境が得られる光ファイバケーブルの開発が行われている。開発では、さらなる通信の高速化、大容量化が追求されており、精細な光信号でも損失を抑えて遠くにデータを送信できる均質な光ファイバの開発や、1本のケーブル内に数千本の光ファイバが収納された多心ケーブルと呼ばれる複雑な光ファイバケーブルの開発が進められている。
 横河計測のOTDRは、これまで光ファイバ通信網の敷設工事や保守作業に用いられ、信頼性と優れた操作性がユーザに評価されてきた。同社は「今回、これまで培ってきた技術を生かし、光ファイバ通信網整備の上流にあたる、素線・ケーブル開発の次世代通信向け新規格の評価試験に適した3種類のOTDRユニットと、多心ケーブル評価試験の効率化に貢献する光スイッチボックスを開発した」と説明している。

国際標準化規格に準拠した測定精度をもつOTDRユニット
 開発されたOTDRユニットは3種類とも、光ファイバの減衰の測定方法に関する国際標準規格「IEC60793-1-40」に準拠した波長公差±15nm(標準)、±10nm(オプション)を備え、厳しい検査要項が設定される光ファイバ素線の研究・開発でも利用できる。

OTDRユニット3種

多心ケーブル評価の作業効率を向上する光スイッチボックス「AQ3550」
 これまで多心ケーブルの製造検査や通信評価試験は、OTDRに接続できる光ファイバの本数は1本のみという制限から、収納された光ファイバを1本ずつ付け替えながら行っていた。
 対して「AQ3550」は、出力ポートに同時に12本までの光ファイバが接続できるMPOコネクタを採用しており、OTDRと連動して12本の光ファイバを連続測定することが可能となっている。あらかじめ光ファイバの接続を済ませておくことで、AQ7280本体のタッチパネル上で測定したい光ファイバを自由に切り替えることができるという。
 同社は「これにより、数千本の光ファイバを評価する作業時間の短縮と、接続作業機会を減らすことによる作業員の負荷低減に貢献する」としている。

光スイッチボックス「AQ3550」

モデル一覧

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