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CIOE特集【横河メータ&インスツルメンツ】

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 横河メータ&インスツルメンツは、各測定器の中国語への対応や、中国市場のニーズを反映した機能を盛り込むなど、積極的な開発・提案を行っており、同市場から高い評価を得ている。

 今回はR&Dと生産ライン向けに光スペクトラムアナライザ、光波長計、マルチアプリケーションテストシステムを展示。また、豊富なラインナップを誇るOTDRも展示される。

光スペクトラムアナライザ「AQ6370シリーズ」

 同社の光スペクトラムアナライザ「AQ6370シリーズ」は、可視光・通信・近赤外波長までカバーする製品ラインナップを揃えており、光通信、バイオメディカル、環境計測など幅広い分野で実績を伸ばしている。横河メータ&インスツルメンツ マーケティング本部 商品企画2部長の森田晋行氏は「特に数量が出ているのは、光通信向けに最適化されたAQ6370Dだ。今年に入ってから、中国のトランシーバーメーカー様からの引き合いも増えている。一方で、最近の中国では大学や研究機関の投資が活発であり、3μmを超える中赤外線に対応した長波長モデルAQ6376を医療やセンシング分野でご採用頂くケースも増えている」と話している。

350~1750nmの広い波長範囲を1台でカバーする「AQ6374」

 同シリーズの最新モデルは、今年1月に発売された「AQ6374」。350~1750nmの広い波長範囲を1台でカバーしており、可視光から光通信波長まで多種多様なデバイスの評価が可能だ。
 近傍ダイナミックレンジは60dBで、半導体レーザのサイドモード特性の測定に十分な性能を実現。1波長の光しかでない半導体(DFB-LD)と広い波長範囲の測定が求められる光ファイバと両方の開発に活用できる。光学分野の大学・研究機関や光半導体デバイス、光部品、光ファイバメーカーは可視光から通信まで幅広く研究開発するので、広い波長範囲を効率良く測定できるこの測定器の利用シーンは多い。森田氏は「我々が想定していたよりも多くの受注、お引き合いを頂いている状況だ。光通信分野では、光ファイバの特性試験で全体の損失特性を測るという用途でオーダーを頂いている」と話している。
 データ取得の最高分解能2pm、最大波長サンプル数10万ポイントを実現しているので、1回で広い波長範囲を高精度に評価・解析することが可能だ。また、分光器内の空気に含まれる微量な水蒸気を除去するパージ機構や、分光器の原理上発生する高次回折光(入力光波長の2~3倍の波長の光)の影響を低減する機能を搭載しているので、被測定光本来の光スペクトルを測定できる。

「AQ6374」が対応する波長帯のイメージ。グレーティング方式により、レベル軸も含めて十分な測定ができる。

海外市場のニーズに応えたOTDRモジュール

 横河メータ&インスツルメンツではOTDRを2シリーズ扱っており、ユーザは豊富なラインナップの中から最適な製品を選ぶことができる。工事のエリアが拡大している中国市場でも売れ続けているという。
 その一つである「AQ7280シリーズ」は、マルチタッチ対応の8.4型の大型LCDや、豊富なユニット・モジュール、そして15時間バッテリ駆動という特長を備えた製品。脱着可能なOTDRユニットやOPM/VLSモジュールを多数ラインナップしており、昨年発売された3種類のモジュール「AQ7283J」「AQ7283E」「AQ7282G」は海外市場のニーズにも応えた製品だ。
 「AQ7283J」は4波長(1310/1383/1550/1625 nm)を1ポートに搭載しているので、光コネクタを切り替えることなく4波長の測定が可能だ。1383nmの測定はOH基による光吸収の確認に有効な機能。近年の光ファイバはCWDMも考慮した低OH型SMFが主流になっており、製造およびケーブル化工程において1383nmに対応したOTDRによる検査・試験のニーズも増えている。また、従来の光ファイバにはOH基が含まれることから、1383 nm付近の光が吸収され光損失が非常に大きくなるため、CWDMネットワークを導入する際に既設の光ファイバが1383nmの光を吸収するかをフィールドで確認する用途でも役立つ。
 「AQ7283E」は1310/1550+1625nmフィルタ付 2ポートOTDR。現用光カットフィルタにより、通信が行われている光ファイバ線路(現用回線)のOTDR測定が可能だ。また、波長1650nmフィルタ付モデル「AQ7283F」も用意している。
 「AQ7282G」は1310/1490/1550nm 1ポートOTDR。FTTHで使われる3波長に絞ることで、コストパフォーマンスを高めた製品だ。

高性能でコストパフォーマンスに優れた光波長計

 光波長計「AQ6150シリーズ」は、光通信に応用される1270~1650nm帯域の光デバイスやシステムの光波長を正確に測定する測定器。最小5GHzの分離分解能で、1入力あたり最大1024波長まで同時に高速かつ正確に測定することが可能だ。マイケルソン干渉計とハイスピードな高速フーリエ変換(FFT)の採用により、単一波長のレーザ信号だけでなく、DWDMシステムやファブリペローレーザの複数波長のレーザ信号も測定することができる。ITU-Tのグリッドに対するズレを表示する機能や、簡易的なOSNR測定機能も備わっている。
 高確度モデル「AQ6151」は±0.3pmの確度を提供しており、LDチップの検査、波長可変LDやWDM伝送装置の調整・検査など、厳しい確度が要求される用途にも使うことができる。