光通信、映像伝送ビジネスの実務者向け専門情報サイト

光通信ビジネスの実務者向け専門誌 - オプトコム

有料会員様向けコンテンツ

FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-6】5Gやデータセンターを支える光ネットワークおよび機器の最新技術・市場・標準化動向

INTERVIEW 有料

日本電気(株)
ネットワークサービスビジネスユニット
第一ネットワークソリューション事業部
シニアエキスパート
田島勉氏

コースリーダー:
日本電気(株)
田島 勉
サブコースリーダー:
NTTエレクトロニクス(株)
萩本 和男

 市場動向を扱うこのセッションでは、データセンターや5G市場における光ネットワークおよび機器について解説される。データセンター市場はCignal AIのアナリスト、5G市場は情報通信総合研究所のコンサルタントが国内外の情報を解説。また、オープン化、ディスアグリゲーションに関する業界の動向について、TIP (Telecom Infra Project)に参加しているNECから解説される。

●光通信装置、データセンター間接続装置、コヒーレントWDM装置の市場トレンド
Cignal AI
Directing Analyst,
Andrew Schmitt

 ここでは、現在の市場トレンド、および日本や海外における出荷の注目ポイントなど光通信装置ハードウェア市場の特定の出荷データを紹介。クラウド事業者の需要やコヒーレント100/200/400G+のコヒーレントインターフェースのトレンドと出荷について論じる。
 登壇するAndrew氏は光学ネットワーク業界全般で20年以上の経験があり、ネットワーキング市場、およびネットワーク事業者、機器メーカー、および半導体や構成部品を含むサプライチェーン全体について、あらゆる研究活動を指導している。Cignal AIに入社する前はVitesse Semiconductorの事業部長を務め、Infonetics Researchでは主席アナリストとして活躍した。複数の工学系特許を有し、UCSBの電気工学で理学士を取得している。
 コースリーダーの田島氏は「光通信装置ハードウェア市場については、日本、アメリカ、中国、ヨーロッパと、エリアごとの投資状況をご説明いただくので、どのエリアで投資が伸びているか、テレコムとクラウド投資はどのような流れなのかを把握できる講演になるだろう。また、コヒーレントのトレンドについては、第五世代を含めたテクノロジーのロードマップについてご説明いただくとともに、各ベンダの状況を解説していただく」と話している。

●光が支える5Gへ、世界はどう動くのか
(株)情報通信総合研究所
ICTリサーチ・コンサルティング部
上席主任研究員
岸田 重行

 ここでは、光ネットワークの活用が期待される5Gについて、今後の見通しが紹介される。田島氏は「国内通信事業者それぞれの5G展開や、海外通信事業者が5Gをどのように見ているのかを解説していただく。また、世界の通信事業者は5G網構築の方向性として、マルチベンダ、仮想化・ソフトウェア化を示していることから、楽天が発表した仮想化ネットワークが世界で注目されている。講演ではその点にも触れていただく」と話す。
 登壇する岸田氏は、海外・国内のモバイル通信業界に関して、サービス動向、事業戦略など広く調査研究、コンサルティングを行っている。田島氏は「講演では5Gのアプリケーションとして、スマート工場や建機の遠隔操作といった5Gで想定されている活用事例や、日本の高齢化社会対応や働き方改革、防災をローカル5Gで解決するイメージも解説していただく。また、5G端末はどのように変わるのかについてもご紹介していただく」と話す。

●オープン化、ディスアグリゲーションに関する業界の動向について
日本電気(株)
第一ネットワークソリューション事業部
マネージャー
松井 淳一郎

 ここでは、光伝送ネットワークのオープン化、ディスアグリゲーションについて活発な議論を行っているTIPの活動について紹介される。登壇する松井氏はNECで光伝送システムの開発に携わっており、TIPにも参加している人物。
 TIPの特長はワイヤレスを含めたテレコム全般を扱っている点だ。2016年の発足当初はFacebookをはじめとする約30社の参加だったが、今年5月時点の参加社数は522社と急激に増えており、世界でも非常に注目度の高い標準化団体となっている。運営、リードする理事会はDeutsche Telekom、Facebook、Intel、Telefonica、Nokia、Vodafone、BT。技術戦略を推進していくのはFacebook、Nokia、CableLabs、Deutsche Telekom。
 TIPでは各ProjectGroups (PGs) をAccess、Backhaul、CoreandManagementに分類して取り組んでいる。田島氏は「例えば、マルチベンダ機器に対応した、光ネットワークの設計ツールをオープンソースとして開発を行うワーキンググループPSE(PhysicalLayerSimulationEnvironment)では、ベンダに依存せず、ネットワーク要件をレイアウト、シミュレーションしネットワーク設計を可能とすることを目標に取り組んでいる。こうしたツールがなければオープン化は難しいというのが、彼らの共通認識のようだ」と話している。

(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

目次

【FOE-K】【基調講演】実用化目前5G、データセンターを支える光通信の最新技術動向

【FOE-1】スマート社会(Society 5.0)を支え、牽引する光ファイバ技術

【FOE-2】次世代ネットワークを牽引する400G/1Tクラス光トランシーバの技術動向

【FOE-3】データセンターの最新動向

【FOE-4】目指せOver1Tbps伝送!光デバイスとその周辺技術の展望を紐解く!!

【FOE-5】大容量光通信を支える光機能集積回路の最新技術と今後の展望

【FOE-6】5Gやデータセンターを支える光ネットワークおよび機器の最新技術・市場・標準化動向

【FOE-7】【基礎講座】光通信技術の基礎 ~情報通信を支える光技術~

【FOE-8】5G本格導入前夜の最新動向 ~今後の5Gサービス展開に向けて~

【FOE-9】自動運転を支える光応用技術

【FOE-10】5G本格導入前夜の最新動向 ~光ネットワークへの期待~