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FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-4】目指せOver1Tbps伝送!光デバイスとその周辺技術の展望を紐解く!!

INTERVIEW 有料

古河電気工業(株)
情報通信ソリューション統括部門
ファイテル製品事業部門
事業部門長
太田寿彦氏

コースリーダー:
古河電気工業(株)
太田 寿彦
サブコースリーダー:
三菱電機(株)
清水 克宏

 毎年恒例となったデジタルコヒーレントのセッション。コースリーダーの太田氏は「今回は1Tbpsという次の段階を意識した形でセッションを組んだ。ネオフォトニクス、富士通オプティカルコンポーネンツから、最新技術、製品開発状況、今後の展望を解説していただいた後、NTTからデジタルコヒーレント技術全般を俯瞰的に解説していただく流れだ。デジタルコヒーレント技術が1Tbpsに向かっていく中で、様々な技術がもう一度見直されていく。また、デジタルコヒーレントも用途はデータセンターなど長距離以外にも広がっているので、適用シーンごとの技術の発展がある」と話す。

●データセンターや光トランスポートネットワーク向け超高速コヒーレントコンポーネント
NeoPhotonics Corp.
SVP & GM, Chief Product Officer,
Wupen Yuen

 ここではInPおよびシリコン素材プラットフォームにおける600Gbps以上の超高速コヒーレントトランスミッタおよびレシーバの最新技術および製品開発状況が紹介される。太田氏は今後のデジタルコヒーレント技術のポイントについて「長距離、メトロ、DCI、それから少し短距離のDCと様々な用途があり、どの分野も伝送容量を上げていかなくてはならない。テレストリアルやサブマリンで求められる長距離の大容量伝送を実現するアプローチを、部品、モジュールの面からしっかりと見ていくことが重要だ。また、小規模メトロやDCIでは400Gbpsの次のステップも見えてきたので、そこに対してどのようなデバイスで実現するのか。そしてDCでは400G ZR製品に取り組んでいる各社の開発段階は製造の手前まで来ているので、その次の段階は800Gbpsなのか1Tbpsなのかという点は重要だろう」と話す。
 登壇するYuen氏はNeoPhotonicsの上級副社長兼ジェネラルマネージャーを務めている人物で、同社の製品および技術開発に長年携わっている。また、スタンフォード大学より電気工学博士号、電気工学修士号、および国立台湾大学より電気工学学士号を取得している。太田氏は「講演では光源についてもお話いただく。例えば、ITLAの課題解決は各社が独自の構造で検討しており、NeoPhotonicsでは小型化に適した外部変調方式で開発を進めているので、そうした研究開発をどこまでお話いただけるか期待している」と話す。

●超高速コヒーレント技術用LN変調器の進化
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
オプティカルコンポーネンツ事業部 第二商品部
川島 由匡

 ここでは、コヒーレント光通信システムのキーコンポーネントであるLN変調器について、近年の技術の進化および今後の展望について紹介される。太田氏は「LN変調器はデジタルコヒーレントの成り立ちから支えてきた技術だ。前述のようにデジタルコヒーレントがメトロやDCに広がり、もしかしたらSRやLRのようなショートリーチにまで広がる可能性もあるので、これらの市場における変調技術の進化について川島氏に解説していただく。また変調技術では別のアプローチとしてシリコン光変調器の研究開発も進んでいるので、LN変調器の伝送速度という優位性はどこまで進化しているのか、講演ではそうした対比も聞けるだろう」と話す。
 講師の川島氏は富士通オプティカルコンポーネンツでLN変調器の開発に携わっており、100G/400G変調器を担当している。同社は今年2月に1.2Tbps DCO Daughter Cardを製品化しており、これには64Gbaud LN変調器を搭載している。同社は64 Gbaud LN変調器を2017年に販売を開始しているので、その後の開発動向は興味深いところだ。太田氏は「LN変調器の課題として小型化の難しさが挙げられるので、次世代LN変調器の開発に携わる川島氏の講演では、小型化に関する最新の取組みの解説も期待している」と話す。

●デジタルコヒーレント光通信用光電子デバイス技術
日本電信電話(株)
デバイスイノベーションセンタ
主幹研究員
布谷 伸浩

 近年、デジタルコヒーレント光通信技術、および、それを支える光電子デバイスの発展により、光ファイバ通信の伝送容量が著しく増大してきている。講演では、さらなる高速化や小型化に向けて研究開発が進む光電子デバイスの最新技術動向が紹介される。
 講師の布谷氏は、NTTの研究所で波長可変レーザ、電界吸収型光変調器集積DFBレーザ、半導体光増幅器等の通信用半導体光デバイスの研究開発に携わってきた人物。現在はマッハツェンダ干渉計型半導体光変調器の開発チームに所属しているという。
 太田氏は「講演では、デジタルコヒーレント光通信用光電子デバイス技術を総合的に俯瞰した解説をしていただく。DSP開発を牽引したNTTの方なので、DSP技術の詳細も含めてお話いただけるだろう。将来的な1Tbpsに対するアプローチとして、インテグレーションが必要な部分や、InP技術をどう発展させるかといった、次のデバイスに対するアプローチも解説していただけると思うので、私自身も非常に楽しみにしている」と話す。

目次

【FOE-K】【基調講演】実用化目前5G、データセンターを支える光通信の最新技術動向

【FOE-1】スマート社会(Society 5.0)を支え、牽引する光ファイバ技術

【FOE-2】次世代ネットワークを牽引する400G/1Tクラス光トランシーバの技術動向

【FOE-3】データセンターの最新動向

【FOE-4】目指せOver1Tbps伝送!光デバイスとその周辺技術の展望を紐解く!!

【FOE-5】大容量光通信を支える光機能集積回路の最新技術と今後の展望

【FOE-6】5Gやデータセンターを支える光ネットワークおよび機器の最新技術・市場・標準化動向

【FOE-7】【基礎講座】光通信技術の基礎 ~情報通信を支える光技術~

【FOE-8】5G本格導入前夜の最新動向 ~今後の5Gサービス展開に向けて~

【FOE-9】自動運転を支える光応用技術

【FOE-10】5G本格導入前夜の最新動向 ~光ネットワークへの期待~