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5G時代におけるNokiaの製品展開

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 続いて登壇した、ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社 代表執行役員社長のジョン・ランカスターレノックス氏は、開会の挨拶の中で「今回はサステナビリティが主なテーマになっている」と強調し、製品、ソリューション展開の方向性について「よりクリーン」「よりグリーン」「よりスマート」の三つの方針を示した。

(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

ノキアソリューションズ&ネットワークス
代表執行役員社長
ジョン・ランカスターレノックス氏

クリーンへの取り組み
 ランカスターレノックス氏はクリーンな製品に関して「消費電力が削減されたチップセットと、ソフトウェアによりスループットが向上する装置により、消費電力を更に最適化する」としている。

グリーンへの取り組み
 Nokiaは新たなテクノロジーを提供する際の資源の節約にも取り組んでおり、これまでユーザが導入したシャーシや、ハードウェアといったインフラの利用が継続できるよう、様々な製品においてプラガブルなカードを採用している。ランカスターレノックス氏は「ご利用いただいているシャーシに挿入してアップグレードしていただくことで、出荷数を低減でき、原材料の削減、環境の保護、そして持続可能性の達成に繋がる」と話している。

スマートへの取り組み
 通信業界のトレンドとしては、複雑化するネットワークをより効率的に効果的に運用することができるよう、AIや機械学習を導入する流れがある。ランカスターレノックス氏は「人間の介入ということはもちろん必要になるが、ヒューマンエラーも引き起こすので、自動化、機械学習によって、複雑なネットワーク運用をより簡単に運用しやすくしたいと考えている」としており、「クリーン、グリーン、スマートということで、資源を削減する、そして持続可能な未来を実現するという取り組みを、世界各国、そして日本で行っている」と話す。

デモ展示概要

 Nokiaが今後注力していく製品、ソリューションとはどのようなものなのか。ここからは、今回のデモ展示の概要を紹介する。

次世代 25G PONソリューション

 25G PONは今後10年の中で、最もコスト効率の高い技術革新のステップとなる。25Gの技術はすでに成熟しおり、データセンタに数多く導入されている技術を活用している。すでに存在する技術であり、先進的やDSPやアンプ、チューナブルレーザーなどの新規技術を必要としない。
 25G PONはこれまでもITU-Tで議論されてきたが、現在は25GS-PON MSA (Multi-Source Agreement)グループが業界推進活動をすすめており、現在はチップベンダ、システムベンダ、通信事業者など38のメンバーが参加している。
 Nokiaはこの25G PONの業界をリードしており、最初の25G PONの商用ソリューションをリリースし、ライブネットワークにも導入した。

25G PON

次世代ライブDSSネットワーク体験

 DSS(Dynamic Spectrum Sharing)を使用すると、モバイルオペレータは様々なテクノロジー間で周波数リソースを動的に共有できる。4G/5G DSSは、4Gと5Gの間でスペクトル使用を自動的に調整できるため、オペレータは既存の4G周波数リソースを維持したまま、5Gの展開を高速化できる。

サステナブルなモバイルネットワークポートフォリオ

 Nokiaは通信事業者のサステナビリティ目標の達成を可能とするモバイルネットワークポートフォリオとして、次の製品群を提案している。

Micro DTX:下り方向無通信発生時に自動的にパワーアンプ (PA) を停止することにより、無線基地局の消費電力を抑制する。

Liquid Cooling:モバイル基地局の消費電力削減を実現する液体冷却基地局。

ReefShark:AirScale RadioおよびBBU専用にNokiaが開発したSoCであり、BBUの大容量化/RF広帯域化と、AirScale製品の低消費電力化/小型化を実現するためのキードライバ。

Digital Deploy Solution:ノキアのDigital Deploy Solutionは、基地局の商用展開プロセスのデジタル化による迅速・効率的なネットワーク展開、プロセスの簡素化による生産性の向上、安全性の向上を提供する。

ライブ5G遠隔3Dホログラム投影プレゼンテーション

 5Gを使って音と映像を同時に伝送することで、離れた場所にいる人があたかも同じ場所にいるような臨場感あるプレゼンテーションを実現できる。

Nokia省エネ自動化「iCES」

 RANの省エネのためのノキアの高度なAIソリューションを提案している。今回は、AIと自動化による省電力管理から、パフォーマンス分析とOPEX節約の結果まで、省電力サイクル全体を示す6つのダッシュボードファミリを紹介。

  • ダッシュボードの保存
  • パフォーマンスダッシュボード
  • セキュリティダッシュボード
  • AIダッシュボード
  • 自動化ダッシュボード
  • 無料のダッシュボード

ネットワークをビジネスに接続 – E2Eオーケストレーション・NWスライシング

 Nokiaデジタルオペレーションのソリューションが自動化とインサイトにより、通信事業者のバーティカル産業へのビジネス拡大を支援し、進化したネットワークコマースとビジネスモデル (Network-as-a-Service) を可能にする。
 また、4G/5Gおよびその他のアクセステクノロジー全体にわたる同社のオーケストレーションとサービスアシュアランスの機能も提供している。

400G everywhere

 Nokiaは、メトロアクセスやDCIリンクから、メトロ/リージョナルアグリゲーションやコアネットワークまで、ネットワーク全体でIP光ネットワークを400GEの速度にアップグレードすることができる製品群をソリューションで提案している。

400G展示の一部

FastMile ローカル5G端末& Nokia Wi-Fi

 NokiaのFWA: Fixed Wireless Access 端末シリーズFastMileで、初めて日本のローカル5Gバンドに対応した製品と海外展開している5G屋外レシーバを紹介。あわせて、今回の会場であるフィンランド大使館パビリオンのWi-Fi環境をメッシュ構成にて提供しているNokia Wi-Fi Beaconの最新端末とオペレータ向けWi-Fi管理ツールであるNWCC: Nokia Wi-Fi Cloud Controllerも紹介。

次世代データセンタファブリック

 新データセンタ向けネットワークソリューションとして、最新のネットワーク・オペレーティング・システム「Nokia Service Router Linux(SR Linux)NOS」と宣言型のインテントベースの自動化および運用ツールキット「Nokia Fabric Service Platform」を提案している。

クラウド型ローカル5G/プライベートLTEソリューション(NDAC)

 昨今IoTや産業用に自営通信網の必要性が急増している。NDAC(ノキアデジタルオートメーションクラウド)はこのような自営LTE網に必要となる要素を全て提供し、Nokiaがネットワークの管理やソフトウェアのアップデート、セキュリティやSIMの管理などを行うことで、通信に詳しくないユーザでも安心して、簡単に利用できる。ネットワークの立ち上げは電源を入れてケーブルをつなぐだけ、またデータのセキュリティが堅牢なソリューションも併せて提案している。

光ネットワークの変革を実現するオープンアプリケーション「Wavesuite」

 デジタル技術の台頭は、光ネットワーク事業者にかつてないチャンスをもたらしている。NokiaのWaveSuiteアプリケーションは、オープン・ネットワーキング・イニシアチブに基づいており、革新的なデジタルサービスのサポート、超効率的な運用、CAPEXの制御など、光ネットワークの進化に貢献する。

レポート目次

Nokiaが描く、5Gによる経済やイノベーションの発展と持続可能性

5G時代におけるNokiaの製品展開

IPルーティングシリコン「Nokia FP5」の魅力を探る

以下、後日更新

セルラーネットワークにおけるカーボンニュートラルに向けたNokiaの取り組み

Nokiaの5G固定アクセスネットワーク

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