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小型の筐体でIoTセンサのエッジサーバを実現した、新しいアプローチのSAP Cloud Platform IoT Gateway Edge対応オールインワン・アプライアンス【ピーエスアイ】

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 ピーエスアイが提案しているオールインワン・アプライアンス「DMC Nodegrid Bold SR」(※DMC:Digital Material Controller)は、小型の筐体1台だけでIoTセンサを集約するエッジサーバとしての機能を果たすという、従来のIoTシステムとは一線を画す新しいアプローチの製品だ。ピーエスアイ 代表取締役社長の山崎充宏氏は「セキュリティソリューションのプローブ用に見つけた製品が、IoTセンサのエッジサーバとして必要な機能を一台で実現できると判ったので製品化した」と話す。
 SAP Cloud Platform IoT Gateway Edgeの認証を取得しているので、ユーザはこのエッジサーバで収集したセンサデータをSAP Cloudを利用してグラフ化等ができる。SAP Cloudが提供するAIやグラフは、ユーザの応用次第で様々な環境に対応できるので、農業、工場、研究所、スマートグリッドと、業種を問わず様々なシーンでの活用が可能だ。

複雑な設定をすることなく、手軽にセンサデータを集約

 「DMC Nodegrid Bold SR」は、幅201×奥行142×高さ44mm/1.2Kgの小型筐体に、基本OS、セキュリティ、仮想環境、管理機能、I/Oを標準装備(図1)している、非常に珍しい製品。IoTエッジサーバとして必要な機能を備えているので、ユーザは複雑な設定をしなくてもIoTセンサネットワークを構築できる。
 山崎氏は「IoTのセンサネットワークを手軽に構築できるということで、今までIoTを活用していなかったお客様から新規のお話を頂いている。今年3月には、味噌倉の温度・湿度センサデータを取得する実証実験を行っており、Bluetoothで集約したデータをモバイル回線でSAP Cloudへ送信し、結果をグラフ表示した。直近では農業分野での実証実験を予定している」と話している。

図1:オールインワン機能の要となるOS部分。この標準装備を実現したことで、ユーザはスマートフォンを設定するような手軽さで、IoTセンサシステムを導入することができる。

設定の自由度により、ユーザ独自の環境を簡単に構築

 「DMC Nodegrid Bold SR」では、syslog機能が標準搭載されている他、スクリプト言語のPython2.7がインプリメントされているので、加工、転送、その他で利用できる。その他、fluentd、elasticsearch、kibanaも標準で実装されている。Docker機能も標準サポートしており、自社でソフトを開発してDockerの独立したアプリケーションとして動かすこともできる。
 筐体はファンレス構造で、動作温度は-20~+50℃、動作湿度は20~90%(結露無し)と、耐環境性能にも優れている。
 山崎氏は「SSDも増設できるので、大容量データを扱うアプリケーションへの対応や、ローカルでデータをローカル処理して必要なデータだけを送信するといった使い方も可能だ」と話している。

図2:「DMC Nodegrid Bold SR」のネットワークイメージ。Bluetooth等で複数のIoTデバイスのセンサデータを集約し、セキュアなLTE回線でSAP Cloudへのデータ伝送が可能だ。