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Clearfieldが、継続的なインフラ監視のためのセンシングケーブルで光ファイバ製品ポートフォリオを拡充

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 Clearfieldは7月28日(ミネアポリス)、温度、音響、歪みを検知する新たなセンシングケーブルソリューションを光ファイバ製品ポートフォリオに追加したことを発表した。

 同社は「この分散型光ファイバセンシング(DFOS)製品群は、通信事業者が屋外光ファイバ回線、中央局、データセンタ、基地局、その他の重要インフラの状態とセキュリティを継続的に監視し、投資を保護するのに役立つ」としている。

 分散型光ファイバセンシングは、特定の場所のみを監視するカメラや個別のセンサとは異なり、架空線、埋設線、導管など、長距離にわたる回線全体を継続的に可視化できる。通信事業者はこの技術を活用することで、掘削作業、不正アクセス、タワーへの登攀、温度変化、ケーブルの歪みなどを、光ファイバの切断、サービス停止、緊急出動といった事態が発生する前に検知できる。

 ClearfieldのCCOであるAnis Khemakhem氏は「ブロードバンド、データセンタ、ワイヤレス通信事業者はそれぞれ大きく異なるインフラストラクチャを管理しているが、いずれも共通の課題に直面している。それは、数マイルに及ぶ光ファイバ、高密度なデータセンタ環境、遠隔地のエッジやIoTサイト、重要な境界・周辺インフラなど、重要な資産全体の状況を把握することが困難であるということだ」とし、「光ファイバセンシングは、潜在的な脅威や変化するネットワーク状況に関するより正確な情報を提供し、事業者が迅速に対応し、重要な資産を保護し、より的確な保守・セキュリティ対策を講じることを可能にする」とコメントを出している。

 ネットワーク障害は多大なコストにつながる可能性がある。Uptime Instituteの2026年年間障害分析によると、回答者の57%が直近の大規模障害によるコストが10万ドル以上だったと回答し、5社に1社は100万ドル以上だったと報告している。Clearfieldのセンシングケーブルは、潜在的な脅威をより早期に可視化することで、事業者が迅速に対応し、ダウンタイム、緊急修理、顧客への影響を軽減するのに役立つ。

 Clearfieldの製品ポートフォリオには、光ファイバルートや設備全体の様々な状況を監視するために設計された3種類のセンシングケーブルが含まれている。温度センシングケーブルは変化やホットスポットを特定し、音響センシングケーブルは掘削、登攀、侵入を検知し、ひずみセンシングケーブルは地盤変動、電柱のずれ、その他の物理的条件によって生じる応力を監視する。

 NEBScoreのプリンシパルであるErnie Gallo氏は「分散型光ファイバセンシングは、光ファイバを通信用途にとどまらず、継続的な監視プラットフォームへと進化させることで、その価値をさらに高める」とし、「光散乱技術を用いた強化ファイバでルート沿いの温度、ひずみ、音響活動を測定することで、オペレータは各所に個別のセンサを設置することなく、遠隔地やアクセス困難な設備を一元的に可視化できる。これにより、変化する状況を的確に把握し、インフラをより積極的に管理することが可能になる」とコメントを出している。

 分散型センシングデータは、点検、メンテナンス、インフラ投資の優先順位付けにも役立つ。屋外プラントネットワークに加え、この製品群はデータセンタ キャンパス、エッジサイト、IoTゲートウェイ、その他の遠隔施設における境界セキュリティと温度監視にも対応している。

 非金属製オプションは架空用途に対応。また、鋼製アーマーを備えたFiber-in-Metal-Tubeケーブルは、地中埋設や管路敷設環境向けに設計されている。パッシブケーブルは経路上の電源を必要とせず、IEC 60794-1-2規格に準拠しており、既存の通信作業員とワークフローを使用して設置できる。

 センシングケーブルはインターロゲーターに接続され、インターロゲーターがデータを分析し、経路上のアクティビティや状況の変化をオペレータに通知する。これらのケーブルは、Clearfieldのアクティブキャビネット、中央局インフラ、およびNOVAプラットフォームに接続でき、新規ネットワーク構築と、センシングケーブルを新たに設置する既存ネットワークの両方をサポートする。

編集部備考

■光ファイバセンシング製品の需要は、光ファイバの役割そのものが、「データを伝送する媒体」から「現実世界の変化を検知するセンサ」へと拡張しつつある流れを示している。

 従来、通信事業者にとって光ファイバは、いかに大容量かつ低遅延でデータを運ぶかが最大の価値だった。しかし近年は、光ファイバ内を伝搬する光の変化を利用し、振動や温度、ひずみなどを検知する分散型光ファイバセンシング技術が実用化され、通信インフラの保守や、通信以外の設備におけるモニタリング用途でも活用が広がっている。これらはAI学習を活用することで高度化され、道路や鉄道、パイプライン、送電設備などの社会インフラでは、異常の早期発見や設備状態の把握を目的とした導入が進み、光ファイバは「情報を運ぶ」だけでなく、「情報を取得する」役割も担うようになった。

 AIデータセンタやスマートシティ、重要インフラの高度化が進む中で、通信ネットワークには「つなぐ」だけでなく、「周囲の状態を把握する」役割も求められるようになっている。光ファイバは、デジタル社会を支える通信基盤であると同時に、現実世界を継続的に観測するセンシング基盤としての価値も高めつつあり、今回のように製品ポートフォリオの追加が発表されることは、その潮流を象徴する動きの一つと位置付けることができそうだ。

 そうした中で今回のニュースは、通信インフラのモニタリングに重きを置いている。AI時代の通信インフラは、社会全体のデジタル基盤として長期間にわたり運用されることが前提となる。そのため、通信事業者にとって重要なのは新たな設備を構築することだけではなく、既存設備の状態や安全性を継続的に把握し、その価値を維持し続けることも含まれる。今回Clearfieldが屋外光ファイバ回線だけでなく、中央局やデータセンタ、基地局といった通信インフラ全体を監視対象として挙げた点は、センシング技術を個別設備の監視ではなく、インフラ資産全体の価値を保全する仕組みとして位置付けていることを示唆している。今後、通信インフラへの投資規模が拡大するほど、「構築する技術」と同じくらい「守る技術」の重要性も高まっていくだろう。

■センシング対応の光ケーブルが普及する意義は、通信事業者の運用モデルにも変化をもたらす可能性がある。

 従来の通信インフラ保守は、障害が発生した後に原因を特定し、現地へ作業員を派遣して復旧するという「事後対応」が基本だった。もちろん監視システムによるアラーム検知は行われてきたが、多くは通信品質の低下や設備故障が発生して初めて異常を認識する仕組みであり、障害を未然に防ぐことには限界があった。
 これに対し、光ファイバセンシングでは、地盤変動や掘削工事による振動、設備への応力変化などをリアルタイムで把握することが可能であり、様々なフィールドで実証が進んでいる。つまり、通信サービスへ影響が及ぶ前の段階で異常の兆候を捉え、保守計画や現場対応へ反映できる余地が広がる。運用の重点は「障害からの迅速な復旧」だけでなく、「障害を発生させないための予兆保全」へと移りつつある。

 もっとも、センシングデータを取得するだけでは十分ではない。重要になるのは、大量の時系列データから意味のある変化を抽出し、異常か否かを判断する分析基盤であり、その役割を担うのがAIやデータ解析技術となる。近年、通信業界でAIを活用した運用自動化やAIOpsへの取り組みが加速している背景には、こうした膨大な運用データをリアルタイムで処理し、保守の高度化へ結び付けたいという狙いがある。

 今後、通信インフラがAI時代の社会基盤として一層重要性を増す中で、ネットワークに求められるのは高い伝送性能だけではない。設備の状態を継続的に把握し、異常を未然に防ぐ能力も、インフラ品質を左右する重要な要素になるだろう。今回の発表は、新しい光ケーブルの投入という製品ニュースである一方で、通信インフラの価値が「つなぐこと」から「守り続けること」へと広がりつつあるグローバル市場の流れを示す事例として捉えたい。

(OPTCOM編集部)