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楽天モバイルとNEC、オープンvRAN対応の無線機を日本国内で製造

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 楽天モバイルは6月5日、NECを5Gの基地局装置の無線機ベンダとして選定するとともに、同社と連携し、世界初となる完全仮想化クラウドネイティブネットワークに対応した5GオープンvRAN(仮想化RAN)の構築を進めることを決定したことを発表した。
 この連携により、楽天モバイルとNECは3.7GHz帯周波数の超多素子アンテナ(Massive MIMOアンテナ)を搭載した小型・軽量・低消費電力な5G無線機を共同で開発し、NECが国内において製造する。これらの無線機を通じ、3.7GHz帯周波数を利用した各種5Gサービスを提供するとともに、28GHz帯周波数との組み合わせにより、利用者の需要に合わせた5Gサービスを展開していくという。

 楽天モバイルは現在、世界初となる完全仮想化クラウドネイティブネットワークを構築し、移動体通信事業者(Mobile Network Operator)として2019年10月のサービス開始に向けた準備を着実に進めている。さらに、2019年4月には総務省より5Gの導入のための特定基地局の開設計画の認定を受け、2020年6月の5Gサービス開始を目指している。

 楽天モバイルとNECは既に4Gネットワークの運営におけるビジネス支援システム(BSS:Business Support System)および運用支援システム(OSS: Operation Support System)のソリューションについて緊密に協業しており、今回の5G無線機を含む連携強化により、楽天モバイルが推進するソフトウェアとハードウェアを完全に分離したエンドツーエンドの仮想化ネットワークの展開は、より強固なものとなる。

 同連携について、楽天モバイルCTO(最高技術責任者)のタレック・アミン氏は「NECのような通信業界のリーディングカンパニーと共に、世界初の5GにおけるオープンvRANアーキテクチャを日本で構築できることを大変嬉しく思う。NECの技術により、楽天モバイルはコスト効率の高さ、安全性、高品質な5Gネットワークを実現できるだけでなく、日本国内のマーケットにおいて独自にアンテナを開発・製造できるようになる。我々の連携により、日本の通信産業を活性化し、経済発展に繋がることを期待する」とコメントを出している。
 また、NEC 執行役員常務の河村 厚男氏は「NECは楽天モバイルの世界初となる完全仮想化クラウドネイティブネットワークに対応した5GオープンvRANの構築に貢献できることを大変うれしく思っている。今後も5GオープンvRANのパートナシップを拡充することで、グローバルな通信事業者のビジネス拡大に貢献していく」とコメントを出している。