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ノキアと小田急電鉄、AIによる踏切異常状態検知に関する実証実験で協業

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 ノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は2月19日、小田急電鉄との協業の詳細を発表した。

 小田急鉄道は2月6日に、踏切内の安全性向上を目指し、カメラ映像とノキアのAIによる踏切異常状態検知システム「スペースタイムシーンアナリティクス」を用いての実証実験を行う計画を発表している。
 実証実験は、東京都町田市の小田急小田原線 玉川学園前8号踏切で行われており、「スペースタイムシーンアナリティクス」の人工知能(機械学習ベース)をカメラ映像に適用することで、踏切内での異常状態の検知をより強化するというもの。 実証実験期間は、2月14日から3月を予定。

 従来の踏切カメラによって生成された利用可能な画像フィードを解析し、シーン分析はリアルタイムで潜在的な問題を識別する。また、エッジコンピューティングで情報を処理することにより、接続が限られている遠隔地で必要な帯域幅を大幅に削減できる。
日本の大手私鉄の一つである小田急電鉄は、現在120.5キロメートルの線路に229の踏切を有し、137踏切へ踏切障害物検知装置を備えている。同社は、日本で最も安全な鉄道会社を目指し、乗客が安心して利用できるよう、先進的な技術の高度化に努めているという。

 ノキアソリューションズ&ネットワークス 代表執行役員社長のジョン・ハリントン氏は「小田急電鉄様は新技術をいち早く導入したことで知られており、今回の実証実験は、踏切の安全性を向上する上でAIが果たす役割を示す。これは、鉄道の安全性向上に貢献するだけでなく、運用コストとパフォーマンスの低減にも寄与し、ノキアにとって極めて重要な意味を持つ」とコメントを出している。
 ノキアベル研究所によって開発された「スペースタイムシーンアナリティクス」は、遠隔施設への不正侵入をリアルタイムで警告する機能も備えている。これは、従業員や機器が安全でない場所に接近したときや、重機が位置を外れて潜在的な危険を引き起こしているときに検知し、監督者に警告することができる。
 ジョン・ハリントン氏は「ネットワークに接続されたカメラはIoTデータの最も豊富なソースの一つであり、高い安全基準を推進するために貴重な情報だ。カメラのフィードで機械学習分析を実行し、関連するシーンとイベントのみをオペレータに送信することで、ビデオ監視のすべてのメリットをさまざまなシーンで実現できる」とコメントを出している。

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