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アイビーシーとAPRESIA Systems、製品連携によるバーストトラフィック監視製品を提供開始

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発見の難しい瞬間ピークをとらえることで通信の安定化を実現

 アイビーシー(以下、IBC)とAPRESIA Systemsは9月1日、IBCが開発・販売するシステム情報管理ソフトウェア「System Answer G3」とAPRESIA Systemsが開発した高度パケット監視制御機能である「バーストレコーダー」の連携によるバーストトラフィック監視製品の提供を開始した。
 ネットワークやサーバなどICTインフラの管理者は、ネットワーク上で短期間に大量の通信が発生するバーストトラフィックの把握や分析に課題を抱えていることが往々にしてある。従来の監視手法であるSNMPでは取得データの粒度が粗いため詳細が把握できない、Syslogを確認しようにもログが膨大で工数が大幅に掛かる、さまざまな監視項目と突き合わせて分析するため高度なスキルが求められるなど、バーストトラフィックの原因究明は容易ではない。一方、トラフィック解析専門ツールでは収集データが大量となるため、分析を行うには多大な工数とノウハウが必要となる。
 そこで、ICTシステムの性能監視に長年取り組んできた専門ベンダであるIBCと、国内ネットワーク機器メーカーのAPRESIA Systemsが手を組み、「バーストレコーダー」のヒストグラム(度数分布図)情報を「System Answer G3」が受け取れる形式に変換してAPI連携するスクリプトを2019年6月に開発した。
 その結果、SNMP経由で性能情報を収集していた「System Answer G3」に、バーストトラフィックに関する詳細情報をテレメトリー(遠隔情報収集)形式で取り込むことにより、「System Answer G3」の管理画面でネットワーク機器の性能情報とともにバーストトラフィックの情報を総合的に一元管理することができ、システム運用者の負荷を大きく軽減できるようになった。

「System Answer G3」と「バーストレコーダー」の連携イメージ

 その後も両社は連携を強化し、バーストトラフィック監視をより簡単にかつ効率的に実現できる製品開発に取り組むことで、今回、新たに次の2点を実現できたという。

トラフィック解析によるバーストトラフィックの詳細な調査
 「バーストレコーダー」とトラフィック解析ツール「Traffic-Analyzer」を連動させることにより、設定した閾値を超過した後の流入トラフィックに対して、宛先や送信元のアドレス、ポート、プロトコルなどの詳細情報を解析できるようになった。さらに、「System Answer G3」に情報を共有することで閾値超過後のトラフィック情報をリスト形式で容易に把握することができる。

ヒストグラム情報のパーセント表示によるトラフィックの容易な把握
 トラフィックを正確に把握するには、トラフィックのカウント値を確認するだけでは困難だ。「バーストレコーダー」では125マイクロ秒単位からトラフィックの解析が可能だ。仮に500マイクロ秒単位で解析した場合でも、1分間で120,000カウントと膨大なヒストグラム情報となる。そこで、抽象的なカウント値ではなく、カウント値の総量を100%とした割合表示とすることで、トラフィック状況を容易に理解することができる。もちろん「System Answer G3」と連携することで、100%を上限としたグラフも表示可能だ。

ヒストグラム情報のパーセント表示によるトラフィックの容易な把握

 スクリプトによるAPI連携を通じて、システム情報管理ソフトウェア「System Answer G3」と高度パケット監視制御機能「バーストレコーダー」がシームレスに連携することで、ヒストグラム情報を容易にグラフ表示することができ、バーストトラフィックの把握や分析を効率よく行うことが可能になる。
 IBCとAPRESIA Systemsは「発見の難しい瞬間ピークをとらえることで、株取引、為替取引、ECサイトなど、瞬間的にデータ通信量が増大するビジネスにおいて、通信の安定化を実現し、機会損失を回避することが可能となる」としている。