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5Gエリア拡大に貢献「メタマテリアル反射板」を開発【DKK】

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ローカル5G電波の反射公開実験に成功

今回仮設したメタマテリアル反射板のプロトタイプ

電気興業(以下、DKK)は5月21日、自社開発したメタマテリアル反射板で、ローカル5G無線機(28GHz帯)から発信された電波を、60m以上離れた場所で反射・方向転換させる公開実験を3月に実施し、成功していたことを発表した。

 5Gの電波(Sub6帯:4.5GHz帯、ミリ波帯:28GHz帯)は直進性が強く、障害物に弱いという性質がある。そのため、ミリ波帯の電波を迂回させられる反射板等の開発と、それを使った通信エリアの構築が期待されている。
 今回の公開実験の成功を受けて、DKKは今後、自社開発したメタマテリアル反射板およびそれを活用したエリア設計コンサルティングソリューションのサービスを開始するという。同社は「メタマテリアル反射板の普及によりローカル5Gの利用場面の拡大が期待できる。これから行われるローカル5Gの様々な実証実験やテスト運用にもご利用いただけるものと考えている。今後もDKKでは改良を重ね、さらなる通信技術の利便性に向け取り組んでいく」との考えを示している。

DKKの取り組みと公開実験

DKKは2019年から新規事業としてローカル5Gに取り組み、その一環として5G電波を効率的に反射させることで電波の方向を変える機能を備えた「メタマテリアル反射板」の開発に注力してきた。
 DKKは愛媛県新居浜市のワクリエ新居浜で3月24日に開かれた「ローカル5G実証実験公開イベント」(主催:新居浜市ローカル5G普及促進協議会)に参加。会場ではローカル5Gのミリ波帯の電波が発信されており、DKKは開発中のメタマテリアル反射板のプロトタイプを用いて電波を反射させる実証実験を行い、無事にその効果を確認したという。

DKKは「今回の公開実験が行われた場所は、旧新居浜市若宮小学校をコミュニティ施設に改装したワクリエ新居浜で、本イベントは同施設で初の催しとなりった。県内外のローカル5G関係者約70人が参加、主催者である新居浜市ローカル5G推進協議会代表でハートネットワーク代表取締役会長の大橋弘明氏のご挨拶や、愛媛大学大学院理工学研究科の小林真也教授によるご講演などがあった。最後に、コロナ対策を考慮して参加者を3班に分けた上で、各種の公開実験が行われ、ローカル5Gを体感する貴重な機会となった」としている。

今回使用したメタマテリアル反射板のパターン

ワクリエ新居浜における実証実験の概要

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